ブラックジャック | メタボの気まぐれ

週刊少年チャンピオンに連載された
手塚治虫の描くヒューマニズム漫画が
名作「ブラックジャック」である。

無免許の天才外科医・ブラックジャックは
幼い頃、ずさんな不発弾処理が原因で
母親と共に爆発事故に遭い
本間教授の大手術を受けて奇跡的に助かる。

顔の皮膚の左半分は黒人の親友の皮膚を貰い
母の死を目の当たりにした恐怖から

黒を基調としたコートやスーツを着ており
内側にメスや鉗子などの簡易な医療器具、
医薬品が収納してある。

患者には金持ちに限らず貧乏な身寄りであっても
高額の手術料を請求するため、
無免許である事と合わせて医学界では評判が悪いが
高額の手術料に反して請求方法はかなり良心的であり

ブラック・ジャックをよく知る者たちからは
純粋にその腕を評価されているが
患者の置かれた状況によっては
低額の手術料しか受け取らなかったり

一般外科だけでなく特別な知識と技術の必要な
心臓外科や脳外科もこなし、内科や眼科、薬学、
果ては獣医学までも含めて医療全般に造詣が深く
それら専門外の治療も行う事ができる。

架空の病気も登場したほか、ブラックジャックの

人里離れた崖の上の一軒家に医師を開業し
バラバラになっている脳や手足、内臓等を
一人の女児として組み立てられたピノコと
一緒に暮らしている。

このブラックジャックは手塚治虫が
医師免許を持っていた事から連載に当たり
医学書を買い込み、医療関係者に取材していたが

医療を題材にしていたせいか第41話「植物人間」
第58話「快楽の座」が精神外科手術を取り扱った事から
精神科医や精神外科手術反対の市民団体から
クレームが殺到し、単行本収録が不可能となり

第153話「ある監督の記録」では
脳性麻痺の患者の脳に電気刺激を与える手術に
「ロボトミー」の語を使用して
被害者支援団体から抗議を受け謝罪している。

最後に手塚治虫は「ブラック・ジャックは
医療技術の紹介の為に描いたのではなく
医師は患者に延命治療を行なう事が使命なのか
患者を延命させる事でその患者を幸福に出来るのか
などという医師のジレンマを描いた」としていた。