英雄失格 | メタボの気まぐれ

1977年、原作：梶原一騎、が：やまさき拓味による
実在した人物をモチーフに
才能がありながらも、怪我や弱点のために
英雄になり切れない男たちの生き様を描いたのが
週刊少年サンデー連載「英雄失格」である。

スポーツ新聞「オール・スポーツ」の記者である宇井無策は
運動音痴ながらも、スポーツ全般の知識に長ける28歳。

ひたすら英雄を追いかけるスポーツ新聞社の中にいながら
その陰で英雄失格となった敗者の生き様に強く惹かれていく。

弱点をカバーする為、24時間右手をアゴから離さなく
左手一本の奇妙なスタイルを貫くプロボクサーのシャーク・南波。

戦後のアメリカ・マットで反日感情を利用した
ピエロのような悪役を演じたゼネラル・トージョーの息子で
真剣勝負のプロレスに転向し成功したものの
女に現を抜かし、地に落ちたミスター・ネッシー。

プロ野球チームに入団するも、ヒザ関節のケガで挫折し
「壁」と呼ばれるブルペン捕手を5年間務め、
再起のチャンスをうかがう岩瀬勇三。

実戦空手「徹心会」の元指導員で、天才的な才能を持つが
ケンカ好きが高じて、「徹心会」を破門され

他の格闘技にケンカを売る芦川栄光。

オリンピック柔道選手団の強化選手としてスカウトされ
柔道の鬼と呼ばれる監督の元で指導を受ける事になる
九州高校柔道チャンピオンの大元辰麿。

タイ式キックの王者チャイワットとのケンカで死んだ

日本空手道一閃館師範代の本郷光昭

何よりも自由を愛し、一躍国民的英雄となったが
自分の人気を利用しようとしたヒットラーに反発する
プロボクサーのカール・シュミット。

いずれも成功に終わらず、英雄になれなかった
悲劇のヒーローを描いている。