独身のスキャット | メタボの気まぐれ

円谷プロダクションが特撮を前面に出さない
一般向けドラマに本格進出した。

それが1970年、TBSで放送されたテレビドラマ
「独身のスキャット」である。

平凡なサラリーマン・村上貫一（なべおさみ）は、
分不相応に豪華なマンションに住んでいるが、
そのローン返済に四苦八苦していた。

そこで、夜だけ部屋の鍵を貸す商売を始めたのだが、
隣人のクラブのホステス・あやめ（大原麗子）に

本作品は当時の世相を風刺した悲喜劇で、
映画「アパートの鍵貸します」に触発されたものとされ、
完成品でのタイトルは当時流行していた
「夜明けのスキャット」がヒントになっている。

第1話の青島幸男と応蘭芳をはじめとして、
毎回多彩なゲストが出演するのも特徴で、
毎回健康的なお色気シーンも盛り込まれており、
「プレイガール」のようなセクシードラマも
意識していたとされる。

また「独身のスキャット」TBSを退社した円谷一が、
円谷プロダクションの代表として

TBSの退社土産で枠をもらったものである。

監督や脚本は満田かずほと関沢新一を除き
円谷プロ初参加となる面々が集められた。

監修の円谷英二は本作の放映中に亡くなった為、
本作が遺作となった。

当時円谷プロ企画室所属の田口成光であった。

円谷一の「スポンサーは資生堂一社、
何かやりたいことはないか？」の一言に、
田口は「ＮＹ喜劇のようなものをやりたい」と答えた。

しかし、田口は主役がなべおさみと聞いた時、
「彼ではニューヨーク喜劇にならない」と
少々がっかりしたようである。

スポンサーのプラチナ萬年筆からは、
競合企業のパイロット萬年筆や
セーラー万年筆を連想させる飛行機乗りや
船乗りは登場させないよう要望があった。

2013年3月に東映ビデオからDVD-BOXが発売され、
初めてソフト化された。

ただし第2話～第4話に関しては、
音声素材が円谷プロでも行方不明で現存しない為、
特典として映像のみが収録されている。