7月29日(土)新宿アカデミーにて
世界三大ファンタジー(他のふたつは「指輪物語」と「ナルニア国物語」)のひとつをスタジオジブリが映画化した話題作。 興収100億円 を狙う今夏最大のアニメ大作です。
宣伝も相当な額をかけているのでしょう。テレビのCMスポットを目にしない日はありませんでした。新人・手嶌葵が歌う主題歌も、よく耳にしました。 制作側の意気込み が感じられます。
監督は宮崎駿の息子、宮崎吾郎。公開初日に行きましたが、見終わって映画館を出た午後1時半頃には、長い行列が出来ていました。観客の期待も、それだけ大きいということでしょう。( 写真参照 )
夏休みの超本命作は、はたして話題に相応しい出来になっているのでしょうか。結論から先にいうと、アニメが苦手な年寄りには、ひどく 退屈 でした。
原作は知りませんが、映画では、ファンタジーに必要な奔放な想像力、というか 造形力が不足 しているのです。換言すれば、イメージが貧弱なのでした。唯一感心したのは、 ホートタウン という街の俯瞰図があらわれたときです。これは壮観でした。
内容もよくわかりません。世界の均衡がくずれ、その原因を探るため、大賢人ゲド(声・ 菅原文太 )が旅に出る、というのがメーン・ストーリーのようです。それに父殺しの王子アレン( 岡田准一 )や、知人のテナー( 風吹ジュン )孤児の少女テルー( 手嶌葵 )が絡みます。
災いの背後にはクモ( 田中裕子 )と呼ばれる魔法使いがいました。クモの野望が、世界の均衡を崩しているのです。こうして、ゲド、アレン、テルーとクモの闘いがはじまりました。
実は冒頭に、あらわれるはずがない龍が人間世界にやってくる、という異変が起きるのですが、この龍が空高く飛んでいくと、 トンビ にしか見えないのです。これは致命的な欠陥でしょう。 「風の谷のナウシカ」 や 「天空の城ラピタ」 にあった浮遊感も、まるで欠けています。
一事が万事、これが全編に影響していました。どこまでいっても 膨らまないイメージ 。各人物の性格や行動も、はっきりしないのです。父親殺しの動機もよくわかりません。
全体に、大作の風格に欠けていました。アニメが苦手という点を割り引いても、 大いなる期待はずれ の問題作、と指摘しておきましょう。 妄言多謝 。
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