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やはり疲れていたのか、あっという間に眠りにつき、翌朝を迎えました。起きて間もなくお坊さんがやってきてお経をあげていきました。昨日に比べると父も少し落ち着いたのか、穏やかになっています。母の口座からお金をおろせるか、心配していたようですがどうやら大丈夫だったようで、これで父も葬式代などは気にしなくてもいいようです。昼近くになると私を含めお付き合いのある保険会社の人と母の保険について、問い合わせをしていました。私は弟と仏具を買いに行ったりしましたがどちらかといえば父や母の姉、働き者の義理の妹に任せきりでした。父は自分の思い通りにやらなければ気が済まない人、とわかっているので口を出さないためためにも少し距離を置いていたのです。自分の母親の葬儀ですが仕方がありません。しかし今日は夕方まで行事がないので、ドタバタせず、落ち着いて準備ができたと思います。
夕方17時になって納棺の儀になりました。半年前の人と同じ納棺師にやってもらうことになりました。祖母の時、初めて納棺の儀を経験したのですが、とても厳かなものでした。ですが今回の母の時は思わぬ出来事がありました。母が亡くなった時、体内に腹水が溜まっていたのですが、これが原因で皮膚が剥がれやすくなっているので白装束に着替えさせると遺体を傷つけ、腹水が皮膚を破って体外に出てくる可能性がある、と言われました。腹水を出してしまうことも提案されましたが時間もかかるだろうしニオイもあるでしょうから、それは止めにして病院の浴衣を着せたまま、その上に白装束を着させることになりました。母の遺体の隣に白装束を広げ、その上に母を乗せ、白装束を着させるのです。そこで出席していた男性陣に母の遺体を移動させてもらったのですが残念ながら途中で足側の皮膚が破け腹水が体内から出てきました。仕方がないのでタオルを足もとに置き、染み込ませましたが足のみならず体の下の方全体に腹水が溜まっているのでほんの少し刺激で皮膚が破け全ての腹水が出てきてもおかしくはない状態でした。万が一の備え、母の体の下にタオルを置いておきましたが、白装束の腰のあたりには腹水らしきものが滲んでおり、さらに一部、白装束が破れやすい皮膚のため赤というかオレンジのような色で滲んでいたりもしました。足元から腹水が漏れているのでこれ以上、強い刺激はよくないということで草鞋は履かせず足もとに置くだけにしました。そんな母の様子を見て女性陣は可哀そう、と涙を流していました。納棺師も(腹水)で濡れて冷たくなって気持ち悪いね、ごめんね、お母さん、と声をかけていました。その前後も母の姉が納棺師に言われる前に線香を焚いたり、父が慌てたのか、黄泉の国への旅路の食糧になる豆や米を包む際、こぼしたり(前回、祖母の時は普通に出来たのに)17時という早い時間帯のせいか、遅れて、お店を開いている近所に人がやってきて落ち着きがなかったりと祖母の時とは違い、厳かな儀式とは言い難い側面が今回はありました。そんな様子を見ながら私は母の人生そのものに思えました。女らしいとこもありましたがガサツやドタバタした落ち着きのないところもあったのです。もっともそんなことを気にも留めないおおらかな人でもありました。納棺された母の手を皆、代わる代わる触れ、別れの言葉を言っていました。母の姉はなぜ、こんなに早く逝ってしまったんだ。と言っていました。
今日は納棺のみだったのでこれまで手伝ってくれた父の友人や母の姉は一旦、家に戻ります。私は母の姉を車で送りました。家には父と私、弟の家族だけになりました。来週になれば私と父だけになります。母の姉は父と私だけなのは心配だ、とも言ってました。今日も昨日同様、母の傍で皆が寝ます。明日はいよいよ火葬。私は前回、祖母の時はこれが一番、辛かったです。母の顔を見れるのもあとわずかとなりました。
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