オトキチ日記

バッヂと書籍

北朝鮮旅行記2日目

バッヂと書籍

ところで開城のお土産屋で北朝鮮の国旗のバッヂも買ひました。
(「国旗」であつて、金日成の肖像のバッヂではない)。

ガイドさんたちの胸にはもちろん金日成バッヂが。

甘肉料理の店でいささか策略的な質問をした。

「国旗のバッヂをお土産で買ひましたけど、かういふものをお土産で売ることは
問題はないのですか?」
「ええ、なんにも問題はないですよ」と李さん。「旅行中、付ける人、たくさん
ゐますね」
「では」と胸のバッヂを指して「その肖像のバッヂは売つてゐたりはしないので
すか?」
「それはもう。売るなんて、それはないです。これは駄目です」と予想された答
へが。

で、金日成バッヂについて改めて聞きました。
デザインがいくつかあるのは作られた時期の差による。
たとへば党創立××年記念で配られたり、誕生日に配られたり、そのときによつて
デザインが違ふ。何種類か持つてゐて、服に合せたり、好みで選ぶ。
ただその説明のなかに「役職とかによつても違ひますし」といふ言葉があつた。
やはりある程度は階級を現はすやうだ。

「日本人でも持つことはできますよ」と李さん。「私も何人かの日本人を推薦し
ました。この人は相応しいと保証人になるわけですね」
「ただ、1日2日では難しいですね」
それは勿論さうです、と私。
金日成バッヂなぞ貰つたら、こんな文章も書いてをれらくなるわな。

因みに中国では金日成バッヂの偽物がお土産用に売られてゐるらしいとのこと。

ところでこの店のトイレを使はうとして驚いた。

こんな造りだつた。

 ――――――――
 |       小|
 | 大      |
 |       小|
 ――――   ――

つまり、大便器ひとつと小便器ふたつが同居してゐて仕切りもなにもなし。
中国のニイハオトイレとかは知識としては知つてゐたが、大小同居とはた
まげた。小だけして退散しました。

本を買ひたいと希望を出してゐたので、甘肉料理店のあと、本屋へ向ふ。
が、本屋といつてもホテルのなかで、本屋といふよりはお土産物の書籍コーナー
といふ感じでした。

金正日の「あ~なた~がゐなければ~民族も~なく~」の歌のビデオが欲しかつ
たのですが、残念ながらなく、キムさんにCDを選んで貰ひました。

品揃へは想像を下回るものでした。教育洗脳の最大の武器なのだから、どうだと
ばかりに揃へてゐるものと予想してゐたんですけどね。
アリラン祭のビデオ、歌のCD、本数冊、パンフ数種、切手セットなどを買つた。

下の写真がその一部です。

本

<後日買つたものも含まれてゐます>


切手

<記念切手です。上が南北会談。下が小泉会談2枚です>


金正日本

<将軍様のありがたい本です。「金正日 チュチェ哲学について」
装丁のシンプルさが中身の尊さを現してゐます>


買ひ物ののち、部屋に戻る。

一日が終つた。
長かつた。

TVではまたのど自慢。

北朝鮮国旗バッヂは次の日から付け続けることにした。

例へば日本に来た外国人が日の丸のTシャツを着てゐる。
滑稽ではあるが、敵意は抱かれまい。ほほゑましい好意で見られるのでは
ないか。

なにせこの国で私はただ一人。
日本流の理屈も道理も通らない異国だ。
バッヂひとつでもできることはしておくべきだ。

ところで、甘肉は精がつくといふ話の真偽はいかがであつたか。

翌日、早朝、私はその答へを知ることになつた。

はい、たしかに甘肉は精がつきます。

身をもつて知りました。
大したもんだわ。

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