オトキチ日記

年間500人

年間500人


いま日本からの観光客は年間500人ほどとのこと。
ちなみに中国人観光客は年間20000人とか。

「拉致問題が出てきてから減りましたね」とガイドの李さん。
ネットで見るとそれ以前は1500~2000人くらゐだつたやう。

この500人を多いと見るのか少ないと見るのか。
週で割れば1週10人くらゐとなる。団体客でいへばひと組といふところか。

日記にも書いたが、自分が行くと決めてネットであれこれ調べてゐると、ずゐぶん大勢のひとが行つて
ゐて、北朝鮮旅行なんて珍しくもない普通の旅行なんだと思へてくる。

でも、現実の世界で旅行の話をすると、イラクへ突入と同一視される始末。
どうやつて行くのか、生きて帰れるのかの話になる。

だから、日本人なら(マスコミ関係者以外は)旅行社に申し込んで金さへ払へば誰でも行けるのよ。
ガイドが付きつきりだから、海外旅行に慣れない人にはお勧めなの。と説明をしても、
それで、何しに行くの?
だから、観光ですよ、観光。
なに見てくるの? ごはん食べられるの?
ま、さういふ反応。

このギャップが500人といふ数字なのかとも思ふ。

17年6月9日の日記に私はかう書いた。

:ところで何故北朝鮮なのか。
:しかも初の海外旅行で?

:理由は3つ。
:1、とにかく行きたい。
:2、いちばん安全である。
:3、考へないで済む。

「2、いちばん安全である」については、17年6月11日にかう書いた。

:海外旅行のガイドブックその他を見ると、どこの国でもスリ、泥棒、強盗、詐欺、暴漢と怖いものだらけ
:と書いてある。
:それと知らずに麻薬の入つた鞄を受けとり、密輸入の罪で10年の懲役を受けた日本人もゐるとか。

:その点、北朝鮮は日本語堪能なガイド(監視員ともいふ)が付きつきりである。
:ガイドは当然党員でその仕事は公務である。言はばお巡りさんが付いてゐるやうなもの。

:一般市民にはそれは反日感情あふるる人もゐるだらうし、無頼漢もゐるだらう。
:しかしそもそも市民との接触は皆無であらうからトラブルの起きやうもない。

:といふわけで上記のごとき心配はなにもない。
:安全な旅行だと判断したゆゑんである。

結果、正しく上記の通りであつた。
付け加へるならば、予想以上の「特別待遇」であつたことは旅行記本文にご案内のとほり。

「3、考へないで済む」については、17年6月12日にかう書いた。

:その点、北朝鮮旅行はすべてのコースが決められてゐて、道1本外れて歩くことさへ許されぬ(らしい)。
:何も考へずに言はれた通りに行動してゐればよい。

:ラクだ。

これもその通りだつた。
これも付け加へるならば、リクエストは思つた以上にできるやうである。
もちろん、強制収容所を見せろだの喜び組を呼べだのは、考へるまでもないが、観光地の選択くらゐは普通
にできるし、平壌市内も希望は出せる。

なほ、これもご案内の通り、私はすべて指示に従ふことを基本方針として行動した。
わが身を守るといふ理由ももちろんあるが、そもそも私がルールに違反することを好まない性格であることが
第一の理由である。
これは別にいい子ちやんぶつてゐるのではない。
さういふ性格なのだといふだけのことである。
ルール違反をしてゐては楽しくない、楽しめないのだ。
駄目だといはれたことをして楽しいと思ふ人もゐるのだらうが、私は自己嫌悪に陥るばかりで鬱々となつて
しまふ。
ルールに従つてゐれば安んじて「本位を楽しむ」ことができる。

ネットでの旅行記を読むとガイドの目をくぐつて何したといふことを武勇伝のごとくに書いてゐる向きが
あるが、私はさういうことはしないし、しなかつた。
ガイドに迷惑をかけて自分が楽しむといふことはできない、楽しめない。
良い、悪いではない、さういふ性格といふことなのだ。

行つてよかつた。
また、行きたい。
こんどは少しは余裕を持つて見られるだらう。

リピーターが多いといふのが出発前は理解できなかつた。
限られたところしか見られないのに2度3度と行く意味があるのか?

いまではよく分る。
もう一度行きたい。
ものすごく行きたい。
休みさへ取れればすぐにでも飛んでいきたい。

北朝鮮はわが係恋の地となつた。

(17.8.15記す)

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