オトキチ日記

エネルギー事情 大東京帝国

エネルギー事情 大東京帝国


食料事情については、実情には踏み込めぬものの、喧伝されるほどの苦しさは感じられなかつたと「食料事
情/見栄?」に書いた。

エネルギー事情については、それとは逆だつた。

電力は絶対的に不足してゐるし、蛍光灯は切れまくりだし。

蛍光灯を作つてゐる工場があるのだらうか、と心配になつた。
いま付けてある蛍光灯が全部切れたらこの国は真つ暗になるんぢやなからうか。

車もさう。
いま走つてゐる車の部品が壊れたら直しやうもなくて、つひには動けなくなつた車の残骸だけが残るのだ
らう。

建物も道路も古びるままに年を経て行く。

町中で工事をしてゐる姿も見たが、取り壊してゐるのか修繕してゐるのか、判別できない感じだつた。

この町の風景はどこかで見たよなと考へて、思ひ当つた。

『AKIRA』に出てくる「大東京帝国」の風景だ。
あるいは(古いが)『バイオレンスジャック』の「関東地獄地震」のあとの東京の風景。
『エヴァンゲリオン』のセカンドインパクトのあとの世界ともいへるか。

破滅したあとの町の風景なのだ。

食料は田畑を耕せばなんとか収穫はできる。

しかし石油は掘れば出てくるといふわけではない。
金を出して買ふしかあるまい。

車も(あるいは)蛍光灯も金を出して買ふしかない。

しかし金を出すからにはその金を稼がなければならない。
北朝鮮は何で外貨を稼いでゐるのか。

アサリか?
紳士服も日本に輸出してゐると聞いたことがあつたな。

労働力は安いのだから、上手くやればかつての中国のやうに輸出で稼ぐこともできるかも知れない。
しかし、現状の「世界の孤児」状態ではそれも無理だらう。

ソビエト健在なりし頃にソビエトから受けた援助の残り物だけで生き延びてゐる国。
それが北朝鮮である。

食料事情はどうにか好転させることができるかもしれない。
しかしエネルギー事情はますます悪くなる一方だらう。

だが、しかし、世界には電気もないところで幸せに暮してゐる人々はたくさんゐる。
国全体が「電気もない国」になつたとして、それだけで人々が不幸だとは言ひ切れまい。
それがその国の人々が選んだ道ならば、外野があれこれ言ふべきことではない。

その国の人々が本当に自ら選んだ道であるならば。

(17.8.25記す)

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