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2010.01.03
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カテゴリ: box
「ありがと、ケースケ」

ケースケの背中に向かって言った言葉。
その言葉は言える。
すんなりと。

「ごめんね」はいえないけれど。

「ありがとう」は、いっぱいいえる。

今日送ってくれたこと。
こんな私を気遣ってくれること。
いつもいつもやさしかったこと。


ずっとずっと愛してくれたこと。

別れるまで、何度も何度も言おう。
・・ほんとに、ありがと、ケースケ。

少し背中を見送ってから、エントランスを抜け、父の部屋のあるフロアを目指す。
混み合ったエレベーターが順に空いていき、父の部屋のフロアに着いたときには、私だけだった。
ドアが開く。
と、目の前には、新谷先生がいた。
目は隣のエレベーターを見送っている。
私は、その視線を追って、無意識に振り返った、ら、ドアが閉まるところだった。
一瞬だけ中が見えて、
1人はどうやら父。


・・一体・・?

答えを求めて振り向いた私に、
「ミリさん。こんにちは。」
そう声をかけてくれる先生。
「こんにちは~。今の、、父でした?」

「ああ、そうなんです。実は・・」
言いかけるのを聞かずに、
「もうっ。またドタキャン??信じられないっ。自分から誘っておいて~」
口を尖らせる私に、
「そう仰らずに、私と2人だとご不満かもしれませんが」
不満なんて、、そんなことないけど、、と思いかけて、ケースケを思う。

ケースケが知ったら、すねるだろうな。
ううん。すねるなんてものじゃ。。
きっと、 昨日の朝の様子 からすればひどく辛いだろう。
だけど、、もう、そんなこと、どうでもいいことだ。黙っておけばいい。
どうせ、もう、、終わるのだから。
それに、別れ話をするためには、ばれてしまった方が。。。

ケースケを傷つけることに、すでに鈍感になっている私。
・・・ひどい?
ひどくてかまわない。
ひどいと思われ、、嫌われなくてはいけないんだから・・。

私は思考を今に戻す。
「不満なんて・・。すいません。センセに当たっても仕方ないのに。もう、、お父さんったら」
言いかける私に、かぶせるように、
「何が欲しいか聞いておくようにといわれています」
速やかにそう言う先生。私の怒りを押さえ込むように。その必死な感じに、ふっと笑いがもれる。これ以上怒ったら、新谷先生に悪いや。だからちゃんと微笑んで、
「そっか~。だんだん、分かってきたんですね、父も」
言う私に、
「ご機嫌直りましたか?」
とほっとしたように微笑んで、
「行きましょうか?どこにします?」
とたずねる新谷先生。
「ひよこ亭」
そう答える私に、
「了解です。行きましょう」
と優しく微笑んでくれる新谷先生だった。

並んでエレベーターに乗り込みながら、思う。

・・・今日、お父さんに会ったら、症状が揃ったこと、話そうと思ってたのな。。

やっと心を決めたのに。。。
気をそがれて少し戸惑う私だった。


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最終更新日  2010.01.03 01:01:24
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