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2010.04.09
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カテゴリ: box
楽屋を出て行った慶介を追いかけていく気にはなれない。
開演までそれほど時間がない。
1人になって、落ち着けるべきところに気持ちを落ち着けるつもりなんだろう。
仕事にプライベートの感情を持ち込むわけにはいかないから。

・・・一体、どうしたらいんだよ・・。

慶介も美莉ちゃんもお互いにお互いをあんなに愛しているのに。
ただ、恋愛感情だけをシンプルに取り出してしまえば。
なのに、こんな風になってしまうなんて。

2人を思って、この1週間はまり続けてきたループに思考が入りかけたとき、


「はい」

そう答えると、ゆっくりとドアが開き、碓氷さんが顔を出す。ぎょろりとしたその愛嬌のある大きい目で部屋を見回してから、
「今、いいか?」
「あ、もちろん、どうぞっ」
大先輩の登場に、俺は、慌てて立ち上がり、居住まいを正すが、
「ああ、ぁぁ、もう、ラクにラクに。お邪魔するよ」
碓氷さんは、そういいつつ、気さくに笑いながら入ってきて、カガミの前の、イスに腰掛けた。
立ったままの俺に、
「まだ、立ってる。・・座れよ~。」
「はい」
そういって、座った俺に、

「・・すいませ。つい。・・でも、大先輩なんだし」
「それ、その言葉も」
「はぁ・・・?」
「大先輩とかさ、僕、最近、そういう言葉にナイーブなわけよ。わかる?」
「・・わかんないす」

「まるで、オヤジとかオッサンって言われてるみたいでさっ」
そういってニヤっと笑う碓氷さんを見て、何を言わんとしているのかを理解して、自然に顔がほころぶ。
「・・・碓氷さんは、若いですよ。蒼夜ちゃんとは本当にお似合いです」
俺の言葉に、一瞬、相好を崩しかけて、また、真顔になって聞く。
「・・・大先輩に対するヨイショ、じゃないだろうな?」
俺は、ふきだして、
「もちろん、本音、です」
碓氷さんは、改めてにっこり笑って、
「そっか。それはありがとう」
嬉しそうに言う。俺は、尋ねる。
「で、どうしたんですか?わざわざこの部屋までくるなんて。しかもこんな早くに」
いつもギリギリに会場入りし、開演直前まで舞台袖にも出てこない碓氷さんが、こんな時間に到着し、ましてや、俺たちの部屋を覗くなんてまずはありえないことだった。
「いや、あのさ、ちょっと、相談があって。」

・・・相談?

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最終更新日  2010.04.09 14:00:15
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