帰って来たかえるのへや



    「カンナ フォーエバー」 (2004年11月20日の日記より抜粋)

りかぱん
咲き誇る「りか(ちゃん)ぱん(じー)」。


カンナは11月12日の夜失踪した。
この日、カンナの失踪後1週間が経過したと言う事で
カンナの使っていた道具をあれこれお片付けした。
Kaeruは失踪直後よりカンナは戻ってこないと確信していたので
ぶん(カナリア)の道具を片付ける時、一緒にしまおうと思ったが、
オットにイヤイヤされてしまい、この日まで待ったのだ。

カンナを失った事は最近の不運続きの中で一番Kaeruにこたえた事だ。
だが、それにも関わらず、カンナがもし亡くなっていたとしても
カンナが少しも可哀想と思えない事は大きな慰めである。

たまたまカンナの失踪前、Kaeruはいつもそうとも限らないが、
カンナに親切にしていた。
保温もコタツを出したせいで万全だったし、
病気にもさせていなかった。おやつもゴウ(犬)の分まで
(ゴウはコマンドを聞かなかったので取り上げられた(^^;)あげていた。
カンナがゴウの水を飲むと言う快挙を成し遂げたお陰で( 11月4日日記参照
近影も残す事ができた(ぶんにはできなかった事ばかりだ)。

カンナの側もいつものとおり、またはいつも以上に立派だった。
最後まできっちりとゴウを押さえ、
ギリギリまで近所の雄猫を翻弄し、ケンカもし、
Kaeruの膝に時々自ら飛び乗っては愛情を伝え、また求めた。
飼った当初は異様に甘えん坊と思えたカンナも、
最近では満足が行ったのか、パワーダウンしたのか、
あまり「かまって」を言わなくなっていて、
暖をとるためにだけ膝に来ているのかしら?と疑う事もたびたびだったが、
失踪のほんの少し前、わざわざコタツから出て来て
ぽかぽかの体でKaeruに抱っこを求めた時、
ああ、やっぱりわたしが好きなんだなぁ、とか思わせてくれた。

カンナが自ら死期を悟って失踪したとは限らない。
単に出かけたら、うっかり事故にあっただけかも知れないし、
Kaeruのもとに来た時のように別宅を見つけたのかも知れない
(この案はでも、カンナをこのように疑う事すら失礼なように
Kaeruには感じられるのです)。
ともかく、その後彼女の消息はぷっつり絶えたままだ。

カンナはお産の時もKaeruがそばにいるのを喜んだが、
ヒキツケのときは持病のため獣医から帰ったあとずっとKaeruにつきまとっていた。
カンナが声も出せず固まって震えるほど怖がる病院に連れて行っても
飼い主の事は恨まないのは毎度の事であるが、
こんなまとわりつきようは初めてで、???と思っているうちに
深夜ヒキツケが始まった。
してみると、カンナにはヒキツケの予兆はわかったらしい。
Kaeruはむろんすごくこの時怖かったし、
終わった後も半日ほどモーローとしているカンナをとても心配した。

カンナ自身はいくら大好きな飼い主を求めても、
飼い主は気付けず、気付いてからも何もしようがなく、
いずれにせよ自ら何もわからなくなってしまうこの臨死体験をどう思ったのだろうか....?
カンナがひきつけのときもKaeruを求めたなら、
死期がわかったとしたら、その時Kaeruをもう一度求めたでしょうか。
それともKaeruにはもう自分を見せまいと思ったでしょうか。
.....Kaeruにはどうもやはりカンナが自ら死期を知って、
その上で姿を眩ませたように思えるのです。
旦那は自分の手元で死ななかったカンナを怒っていましたが、
カンナがむしろKaeruのためにもそれが善かれと思って行動したようにすら思えるのです。

もしもこんな見事な幕引きであったとしたら、
誰がカンナを哀れむ事ができる?
カンナの.........おそらく「死」はあまりも見事だった。
だから、カンナをたたえこそすれ、感謝しこそすれ、
カンナはさっぱり可哀想ではないのです。
この愛情深く勇敢な猫を失ったKaeruがしばらくの間、
自分を哀れんで泣いてはみるのだけど、カンナとの間にはもうとっくに
(Kaeruが他の人との間には結び得なかったほどの)
信頼と愛情の物語が見事に織り上がっているのです。


(読んでいただけた方、とっても嬉しいです。ありがとうございました。)



 F I N. 




© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: