楽しく ひまつぶし Labo

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2023.04.14
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カテゴリ: 映画
昨日、今話題の映画「生きる LIVING」を見てきました。
この映画は、黒澤明監督の1952年公開作品「生きる」のリメイク版です。

今回「生きる LIVING」を見に行く前の予習として、先週、黒澤監督の「生きる」を2回通り見ておきましたので​ ( 黒澤監督の「生きる」 DVDで見てみました ) ​、どんな風にリメイクされたか確認するのを楽しみにして出かけました。


このリメイク版は原作と同じ1950年代前半という時代背景の元、場所をイギリスに移して作られたものです。ノーベル賞作家のカズオ・イシグロさんが脚本を担当したことでも話題になりました。

映画が始まると、画面は見慣れたワイドスクリーンではなく狭めのスタンダードサイズ、そしてイギリスの街並みの風景が解像度の低い昔風の映像で流れます。表示されるオープニングクレジットのフォントも昔風のレトロな手書きレタリング調と、あの時代の雰囲気を感じさせてくれます。
バックに流れる音楽も上品なクラシック調でバレーやオペラの序曲を連想させてくれました。
私の中では、最高の盛り上がりです。

原作ではオープニングでいきなりレントゲン写真が写されて主人公の渡辺勘治の無気力な仕事姿と説明的なナレーションが入りますが、本作では通勤前の駅での市役所職員と新人職員の会話から始まります。


最初の場面を見て、かなり原作とは違った作りになっているのかなと思ったのですが、その後は(私の感覚的には)90%以上が原作と同じ内容・進行でした。

シチュエーションもセリフもほぼ原作通り、40分程短くなり、カットされたシーンや追加されたシーン、順番が入れ替えられたシーンがありましたが、原作が持つメッセージや内容はほとんど変わらないという、ある意味優れたリメイクと感じました。

原作では、主人公が亡くなった後のお通夜の場面が延々と強いメッセージを持って描かれますが、本作はイギリス版だけにお通夜でのこのような場面は不似合いのようで、お葬式後の帰宅の汽車の中の会話として割と淡々と描かれていました。

全体を通じて、黒澤版はグイグイと話を進めていく強い演出、リメイク版は割と淡々と優しく語る演出のように感じました。決してどちらが良い悪いということではなく、どちらも有りという感じです。

主人公も泥臭い演技の志村隆さんとスマートな英国紳士のビル・ナイさんでは決定的に印象が違いますし、その他の出演者の違い、日本とイギリスの違いもあって全体の印象は若干違いますが、この作品も立派に「生きる」を表現している良作だと思います。

さて、完璧な元作品の「生きる」になぜリメイクが必要だったか。
たぶんこのリメイク版の意味は、名作「生きる」を知らない世代に、マイルドで現代的な「生きる LIVING」という作品をきっかけに過去の名作を知らしめる役割をさせたかったのではないのでしょうか。
原作を知らない人も、この「生きる LIVING」を見て原作にも出会ってもらいたいと思います。






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最終更新日  2023.04.14 11:32:54
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