楽しく ひまつぶし Labo

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2023.06.19
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カテゴリ: 読書
先週に引き続き、門井慶喜さんの作品を読みました。
「文豪、社長になる」という作品です。


最近よく話題になる「文春砲」で有名な「週刊文春」の出版社「文藝春秋」社を創設した菊池寛のお話です。「恩讐の彼方に」や「真珠夫人」などの大衆文学で有名な「文豪」菊池寛がどうして文藝春秋社の社長になったか、以前から興味があったので、この作品を手にとってみました。

菊池寛と聞くと戦時中の「ペン部隊」の結成により作家を中国の戦地に派遣したり、大映の社長になって国策映画を製作したりと日本軍に協力した結果、戦後GHQにより公職追放になったということや、昭和後期の週刊文春の右傾化などで私としてはあまり良い印象は持っていなかったのですが、いったい真実はどうだったのだろうと興味をもって読み始めました。

読書好きの少年時代から始まり、失意の学生時代、新聞社勤め、作家に転身、出版社社長との二足の草鞋、そして戦争時代とその後の、彼の亡くなるまでの一生を菊池の気持ちを追いながら描写しています。

雑誌「文藝春秋」を発行したいきさつは川端康成などの後輩に作品を発表する場を提供するためで、のちに法人化して社長となったのは、個人出版の域を出ない状態ではスタッフのやる気も、雑誌出版の存続性もないことに気づいたからだということがわかりました。
戦時中の軍への協力も、本意ではなくシブシブ協力していくうちに世間の波に飲み込まれてしまったということのようです。
どこまでが本当のことかは疑問が無いわけではありませんが、一応長年の「引っ掛かり」が解決しました。

この作品で、菊池寛とはどのような人でどのように生きたかがよくわかりました。

豪快さや面倒見の良さも良く伝わってきました。
また、芥川龍之介や直木三十五との友情も、私の想像以上の関係で興味深かった点でもあります。

私にとって、いろいろな発見のあった作品でした。

​
文豪、社長になる [ 門井 慶喜 ]





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最終更新日  2023.06.19 10:42:05
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