楽しく ひまつぶし Labo

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2026.03.08
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カテゴリ: 映画




原作小説は、直木賞と山本周五郎賞をダブル受賞した名作です。時代小説としてもミステリーとしても見事に成立しており、筋書きの素晴らしさもさることながら、その語り口が絶妙なのです。まるで名人と呼ばれる噺家さんの人情噺を聴いているような気分にさせてくれる、非常に印象深い作品で、私の「小説オールタイム・ベスト・テン」に間違いなく入る一冊です。

ただ、この小説は、芝居小屋の前で起きた「あだ討ち」の目撃者たちが語るモノローグ(独白)形式で構成されています。あまりに「小説的」な作りのため、これが一体どのように映画化されるのか、期待とともにとても興味を持っていました。

実際にスクリーンで観た映画は、美しい芝居小屋の夜景から始まり、舞台上で繰り広げられる歌舞伎の映像も「国宝」に劣らないほどの華やかさで、まずは視覚的に大いに引き込まれました。

そして気になっていた映像化の構成ですが、柄本佑さん扮する「加瀬総一郎」という、あだ討ちの真相を調査する侍を中心に据えることで、見事にわかりやすい形へと昇華されていました。

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原作の持つ豊かな雰囲気を壊すことなく、小説では細かく深く語られる関係者たちの生い立ちや苦悩などを、映画では大胆にバッサリと削ぎ落としています。これがかえって物語の筋をはっきりさせることに貢献していました。いくつか追加されたエピソードもありましたが、いずれも「映画らしくするためのエッセンス」として好感が持てるものばかりでした。

全体的にエンターテインメントに振り切った、とてもとても楽しい作品です。「もう一度観てみたい」と思わせる、本当に上質な映画に仕上がっていました。

上映時間も約2時間と、長すぎず短すぎずのちょうどいい長さです。大満足で映画館を出る時、妻と思わず「もう一度観に来ようね」と語り合いました。原作を読んだ方も、そうでない方も、心から楽しめる素晴らしい一本だと思います。

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木挽町のあだ討ち (新潮文庫) [ 永井 紗耶子 ] ​





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最終更新日  2026.03.08 14:16:43
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