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2008年02月24日
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 読売新聞のコラム「ビジネス5分道場」から


 題は『「教訓」対立概念に補助線を引け』とある。

 ”「AかBか」と問われたときの大抵の正解は、脳科学の見地から
言うと「AとBの両方」なのです。

 茂木健一郎は講演などでよくこう語る。しかし、たとえ「両方」が
正解だとしても、質問者はそんな答えでは満足しない。「A」か「B」を
選べばそれ以上考えずにすみ楽になるが、「両方」となれば、さらに
深い思考を継続しなければならないからだ。


引くというアプローチによって、「AとBの両方」を追求し続ける。
「科学と思想」「理系と文系」「厳密性と曖昧さ」「同化と個性化」「現実と
仮想」「総合と専門」といった現代の様々な問題に、鮮やかな補助線を
次々と引いていく。小林秀雄の名著「考えるヒント」を彷彿させる。

 「芸術を愛する経験的自然科学者から、現象学的経験をも視野に
含めた「自然科学者」へと変貌した」

 茂木は本書冒頭で自らの今をこう語る。彼のライフワークは「精神と
物質」の間に補助線を引き「なぜ脳に心が宿るのか」を解明することだ。
専門に閉じこもるのではなく、「この世の森羅万象の中に飛び込み、
さまざまなことに接し、感じ、涙し、取り入れ、つかみ、整理し、
開くプロセス」によって、茂木は「突き抜けた達成」を目指そうとして


 本書は、多彩な関心とマルチな才能、旺盛な行動力を武器に「現代
社会の補助線」たらんと疾走する著者の生き様が結晶した、情熱的な
好著である。

 私たちを取り巻く現代ビジネス社会も、対立する概念に満ちている。
「個と組織」「競争と協力」「社会貢献と営利重視」「長期雇用とコスト」

一つひとつの難題に対して私たちは、安易に「AかBか」を選択する
のではなく「AとBの両方」を追求しなければならない。
身を挺して「思考の補助線」を引く本書のような知的で真摯な営みが、
ビジネスでも求められる時代なのだ。”

 最近、売れっ子の茂木健一郎氏。テレビの対談番組などでよく見るが、
彼の姿勢はさすがに脳科学者らしく、話をじっくり聞くし、結論を急が
ない。自分の考えも押しつけない。

 対談者の脳の中がどのように動いているのかを、よく観察しながら
話しているという感じである。

 それにしても『対立概念に補助線を引け』とはよくできた例えである。

 今度、本屋で探してみよう。

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最終更新日  2008年02月24日 23時00分40秒
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