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カテゴリ: 本
この本を読もうと思ったのは、谷崎潤一郎を読んだとき、フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』に、
「情緒的で豊潤でありつつ高い論理性を誇るその文体は、魅力的な日本語の文章が至りうるひとつの極致である。しかし、逆に志賀直哉的な簡潔な表現を好む読手からは評価が低い。」
という文章を見つけたことに端を発している。
確かに志賀直哉の文章は谷崎潤一郎と比べて簡潔である。
寧ろ現代の作家の文章に近いように感じる。
「小説の神様」と言われているくらいだから、そうした文体が手本となり、数多くの作家たちに受け継がれていったのかもしれない。
さて、「暗夜行路」だが、題名の如く非常に暗い小説である。
京都の名所が数多く出てくるのだが、なんだかどれも色がくすんで見えるような感じがする。
そのくすんだ色合いが主人公 時任謙作の心の内を表しているかのようである。
文章は簡潔だが、そこに描かれている人間の内面は複雑で難しい。
京都ファンとしては、京都の地理が詳しく書かれていて嬉しかった。
北区衣笠はかつて「衣笠村」と呼ばれていて、京都市外であったこと、
北野天満宮から上七軒を通り、千本通りから市電に乗ったこと、
貸家探しで嵯峨釈迦堂・二尊院・祇王子方面に廻ったこと等々。
もう少し書いて欲しいと思うほど、そのロケーションは最高である。
「暗夜行路」は作者唯一の長編ということだから、今度はもう少し気楽に短い作品を読んでみようと思っている。 2009-02-08 





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最終更新日  2019.08.04 13:28:51 コメントを書く


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