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【中古】東京奇譚集 /新潮社/村上春樹 (文庫)
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「奇譚」とは「世にも珍しく面白い物語」。
だが、第一話「偶然の旅人」などは、もしかするとあっても不思議でない話ではないか、と思いながら読んだ。
それは、主人公がゲイであるとか、そのことで姉と仲違いしているとかの特殊な事情などなくても、時として起こりうることなのではないか。
隣り合わせた二人が偶然同じ本を読んでいた。
しかも、あまり一般的ではないディケンズの本。
このことは、あってもおかしくないと思った。
隣り合わせたその人のほくろが、姉と同じようなところにあったことと、読書の傾向が同じことには、なにかしら関連があると見てちっともおかしくないと思った。
そして、姉がその人と同じ病だったこと……。
ここまでくるとちょっと不思議かもしれないが、よくあるではないか。
「予感」「胸騒ぎ」「兆し」などと言われるもの。
そういったものを知らせる力。
「偶然」とは単に確率的に起こるものではなく、何かはかり知れない力が働いて起こる。
そんなことを考えた。
それに……、私たちの人生が人と人との出会いで作られ、出会った人々に少なからず影響を受けて過ごしているのだとすれば、それらは全て偶然の出会いではあるが、それら全ては意義ある出会いということになる。
二人の偶然の出会いもその一線上にあると考えると、やっぱり不思議ではない。
年末年始の休暇を迎え、ゆったりとした気持ちでいる。 第五話「品川猿」もなかなか面白い。
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