国民と天皇と大日本帝国

国民と天皇と大日本帝国

PR

×

プロフィール

kamuy_nupe

kamuy_nupe

キーワードサーチ

▼キーワード検索

カレンダー

バックナンバー

2026.08
2026.07
2026.06
2026.05
2026.04

お気に入りブログ

電波帝国 MJ-12さん
帝国陸軍好きの読書… 五年現役兵さん
むうみんの脳内妄想 むうみん@ぶたぢるさん
くまのつれづれにっき 森のくまさん4877さん
2006.01.15
XML
『初期の幣原内閣の対応』

 マッカーサーは近衛に憲法改正を依頼したが、
 戦犯に指名される近衛から「憲法草案」を受け取るわけにもいかない、
 「近衛には頼んでいない」として、「大日本国憲法」の改正を日本政府に指示する。

 「国民(人民)主権」などを考慮した憲法改正に日本政府は反対、
 「憲法改正要綱(松本案、甲案)」をGHQに提出するが、GHQには期待はずれ、
 結局、GHQの案が日本政府(幣原内閣)に示される事となる。

 今回はGHQに憲法改正を依頼された幣原内閣の初期の対応、(GHQ案はまだない)
 日本政府とすれば、「ポツダム宣言」を履行する為の憲法改正、


六 吾等は無責任なる軍國主義が世界より驅逐さらるるに至る迄は
  平和、安全及正義の新秩序が生じ得ざることを主張するものなるを以て
  日本國國民を欺瞞し之をして世界征服の擧に出づるの過誤を犯さしめたる者の
  権力及勢力は永久に除去せられざるべからず
七 右の如き新秩序が建設せられ且
  日本國の戰爭遂行能力が破砕せられたることの確證あるに至る迄は
  聯合國の指定すべき日本國領域内の諸地點は吾等の茲に指示する
  基本的目的の達成を確保する為占領せらるべし
十 吾等は日本人を民族として奴隷化せんとし
  又は國民として滅亡せしめんとするの意圖を有するものに非ざるも
  吾等の俘虜を虐待せる者を含む一切の戰爭犯罪人に對しては嚴重なる処罰を加へらるべし

  一切の障礙を除去すべし言論、宗教及思想の自由竝に基本的人権の尊重は確立せらるべし

 日本政府(幣原内閣)は、天皇中心はそのままで、最小限の憲法改正を考えた。
 其の考えは幣原首相の国会答弁や、「松本国務相の憲法改正四原則」に表現されている。

〓勝手な感想〓

 政府が国民の主人にではなく使用人である事の制度を理解させる。

 労働組合の組織奨励し労働者階級に発言権を与え幼年労働の悪弊を是正する。
 国民を秘密の審問の濫用に依り絶えす恐怖を与ふる組織を撤廃すること。
 経済制度を民主主義化し、所得・生産・商業手段の所有権を広く分配することを保障。
 独占的産業支配を是正。

 上記は1945年10月11日にマッカーサーが幣原首相に表明した意見の一部。
 (会談は幣原内閣の成立2日後に行われた、東久邇内閣は適当な内閣ではなかったのだろう)
 マッカーサーは「ポツダム」宣言の実現には、憲法の自由主義化を包含するとして、
 上記の諸改革による思想・言論・信教の自由の抑圧統制より解放が必要としている。

 マッカーサーの意見は、日本国民にとっては憲法の改善に思える。
 連合国の立場から
 「侵略国家日本は、民意を反映する国になる事により侵略国家でなくなる」
 と言っているように思える。

 マッカーサーの指示を受けて、担当者を松本国務相として幣原内閣は憲法改正に取り組む。

 幣原内閣での憲法改正は「天皇が統治権を総攬」の元での、
 「議会の力の拡大」「天皇大権の制限」「民意による政治」が原則とされた。

 幣原内閣の憲法改案はいかなるものだったのかは次回。
 下記は、「幣原首相・マッカーサー会談」「松本国務相の憲法改正四原則」の概要。

■幣原首相・マッカーサー会談(1945年10月11日)

○幣原首相に対し表明したマッカーサーの意見(概要)

 「ポツダム」宣言の実現には、憲法の自由主義化を包含する。
 日本国民は政府の秘密審問より解放され、思想・言論・信教の自由の抑圧統制より解放せれる。
 上記の実現の為に下記の諸改革を出来得る限り速に実行することを期待する

一、婦人参政権の賦与
二、労働組合の組織奨励、労働者階級に発言権を与える、幼年労働の悪弊を是正する
三、学校の自由主義的教育の為開校、政府が国民の主人にではなく使用人たるの制度を理解する。
四、国民を秘密の審問の濫用に依り絶えす恐怖を与ふる組織を撤廃すること
五、経済制度を民主主義化し、所得・生産・商業手段の所有権を広く分配することを保障、
  独占的産業支配を是正

 現状に対して、国民の住宅・食糧・衣料の問題に政府か力強く且迅速なる行動に出て、
 疫病・疾病・飢餓其他重大なる社会的政局を防止することを希望する、
 今冬は危機、困難克服の道は総ての人々を有効なる仕事に就業させる他なし。

○会談要旨(作成日:10月13日)の概要

 10月11日午後5時幣原総理大臣はマッカーサー元帥を連合軍司令部に往訪、
 サザランド参謀長が同席。
 マッカーサーは用意の書き物(幣原首相に対し表明したマッカーサーの意見)を読み上けた。

 幣原首相は「五項目を通し差当り実行全然不可能と認めらるるもの無く安心せる次第なり」

 幣原は5項目に関して述べるが、最後の五項目目には、

 「日本の産業に付現行の独占的支配の行はるる事態を改むるを要すとの御趣旨に付ては
 如何なることを実際問題として考へ居らるるや不明の節あり
 即ち現在の独占的支配なるものか我か国現行の法律制度の定むるところとして
 存在し居るものとは考へられす或は大工業家か自己の努力又は設備に依り
 事実問題として他の競争を許ささるものあるに依るものなるやも知れさるも
 之を如何に改正するや直接法律の規定する結果に非さるものとすれは
 直ちに考へ及はさる次第なり」

 と答える。
 幣原の妻・雅子は三菱の創業者・岩崎弥太郎の四女(ウィキペディア(Wikipedia)より)
 幣原個人には最も関係が深い部分かもしれない。
 何しろ、この段階では「国民主権」などは項目に挙がっていない。
 マッカーサーもこの段階では伝達係のようなもので、

 「本件は自分も充分諒解し居らす多分『アンチトラスト法』の如きを制定せは可なる問題に非すや
 尤も英国には之とは別の法律ある由なり」

 と答えている。
 幣原は『アンチトラスト法』の資料が戦災で紛失したと述べ、
 マッカーサーは米国より取り寄せると答えた。

■松本国務相の「憲法改正四原則」(1945年12月8日)
 (第八十九囘帝國議會衆議院豫算委員會議録(速記)よりの概要)

●幣原国務大臣(中谷委員の意見に幣原首相は「是は当然なことと私は考へて居ります」)
 天皇統治下での議会中心政治の確立が日本に於ける民主主義の行き方。

●松本国務相の「憲法改正四原則」

○第一:天皇が統治権を総攬の大原則は何等変更する必要もない、変更する考へもない。

 憲法の民主主義化と天皇統治権総攬の原則とは、何等背反するものでない。
 天皇統治権総攬と云ふことの大原則に対しては、
 何等変更を加へる必要もないし、又変更するやうな考へは私は持つていない。

○第二:議会の協賛と承諾などの議会の決議を必要とする事項は拡充することが必要。

 従来の(天皇)大権事項は或る程度の制限が至当。
 制限の詳細は適当でないが、その原則は当然執らなければならないと確信して居る。

○第三:国務大臣の責任は議会に対しても取る事となる(間接的には国民に対しても)

○第四:民権(人民の自由・権利)の保護・確保の強化

 民主主義の政治は人民の意思に依る(民意に依る)政治であることを要すると共に、
 民権を保護する所の政治でなければならない。
 人民の為にする所の政治でなければならない。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2006.01.15 11:56:15
コメントを書く
[日本国憲法と帝国憲法] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: