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2009年12月30日
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※リボーン二次ss。CP→ロンツナ。




「うわっ!?」
 強く腕を引かれた。
「!?」
 庭木へ倒れこみ、誰かが覆い被さってくる。その一瞬の後。
 相手の腹を肘で打つ。
「ぐぇっ!」
 反撃に襲撃者は怯んだ。その隙に体勢を入れかえ、相手の腹へ馬乗りになった。

 けれど、
「サ…サワダちゃんサワダちゃんっ!」
 ぴたり、とナイフを止めた。襲撃者の言葉は故郷の言語だった。陽気で軽やかな、歌うような節つけの声は。
 彼しか呼ばない、ツナの名を呼ぶ。
「オレオレ!」
 やっと暗闇に目が慣れてきた。
 耳や目もとで鈍く光るピアス。今は闇に沈んでいるピンクの頭。今日はツナと同じように正装をしている。
 内藤ロンシャンの満面の笑顔が、間近にあるのが見えた。
「ッ……ロンシャン!」
「メリクリックリ!」
 ピースサインを作る。その指でナイフを逸らす。

「! そ、そだよお前!ロンシャン!あ、危ないだろ!?」
 抜き身のナイフを懐に戻した。
「おま、なんでここに!?」
 トマゾファミリーも今日、別の場所でクリスマスパーティーが行われている予定だった。一月前のデートで、それをお互い確認しあった。
 ロンシャンはウィンクをして舌先をちょっぴり出す。ツナたちの故郷である日本の、某有名菓子メーカーのキャラクターの女の子みたいな表情で。

「テへ…じゃないっつーの!」
「ぎゃ!」
 お茶目ぶるロンシャンのスーツの胸をどついた。
 ツナは焦っていた。今日は本当にマズい。
 宴会場には過保護な守護者は全員揃っているし、怖い怖い暗殺部隊も、何より家庭教師もいる。
 ロンシャンは痛そうな顏をして、どつかれた胸をなでる。
「いちち!サワダちゃ~ん…会えて嬉しいのは分かるけどぉ、」
「違うわ!」
 ぴ!と宴会場の反対を指さす。敷地の反対は外とこちら側を区切る高い塀がある。
「帰れ!」
「えー?」
「死にたいのかっ?見つかったら殺されるぞ!?」
「ありゃりゃ」
 だがロンシャンはニヤニヤと笑う。ゆるゆると、長い指がツナの腰へと登る。
「死にたくはないなー。死ぬんならサワダちゃんのなかで、ぶっ!?」
「下ネタ止めろ!」
 顏にネコパンチを食らわすように平手を押しつけた。顏が暗闇の中で分かるぐらいに火照る。
 抵抗はない。けれど、逆にロンシャンの体に引き寄せられた。
「ちょ…」
 ロンシャンの上に馬乗りになったままだ。抱きしめられると、ぴったりと体が引っつく。
「な、なにすんだよ!?見つかったら…」
 唇の上に人差し指が一本、立つ。
 「しー」と、子どもをあやすように、もう一度。
 真正面から。いつもの満面の笑顔と、少しだけ違う。愛しげに指の背で唇を撫でられる。切ない笑い方だった。
「…だってガマンできなかったんだもん」
 ツナのふわふわとした髪に尖った鼻の先を埋めた。犬みたいな仕草だ。
「サワダちゃん…すっごい、会いたかった…」
 小さなキスが髪の生え際に落ちる。
「…!」
 胸がきゅ…と縮まる気がした。反則技だ、そう思う。惚れた弱みにつけこまれている。
 分かっていても…結果は、ツナもロンシャン首筋に腕を伸ばしていた。
「オ…オレも…」
 シャツの胸に顏を埋めた。
「会いたかった…」
 しばらく、ただ抱きあっていた。
「でも…早く戻らないと…怒られる」
「んー。もうちっとだけ。もちっとだけ、こうさせて…」
「お前…」
 ため息がもれた。
「この間…マジでヤバかっただろ?」
 スーツの上からロンシャンの脇腹をなでる。内部抗争はトマゾの十八番だが、そこに銃弾がかすめたのはツナのせいだった。
 ツナとロンシャンの仲を知っているのは、ボンゴレファミリーの中ではリボーンだけだ。リボーンは九代目にも内密に、このことを処理したいみたいだ。
「いいじゃん。恋は障害が多いほど燃えるっしょ?」
 ロンシャンはいつもみたいに笑い飛ばす。けれど、ツナには冗談じゃすまない。眉を八の字に下げる。
「ヤだよ…オレ、お前が死んじゃうの…」
「サワダちゃん…」
 こんなことを言っても困らせるだけだと、分かっている。
 まずはトマゾファミリーが、ボンゴレの同盟に加われるようにしなければいけない。まだツナにはその力が足りない。だから、ファミリーの中で信頼を得て…けれどリボーンにバレれば必ず妨害されるから内密に……
「………」
「………」
「……ロンシャン」
「なんだい?サワダちゃん」
「この手はなにかな…?」
「いやだってーおいしそうなお尻が目の前にあるからつい…っあいた!」
 罰としてぎゅっ、と手の甲をつねった。ロンシャンは笑いながらあっさり手を放した。
「んだよ!人がマジメにもっとちゃんと会える方法考えてっ、」
「サワダちゃんサワダちゃん」
「んのに!って…え?」
 すんなりとした指が、す、と上を指す。
「上。うえ。見て見て」
 密着した人肌は暖かいから、体を離すのは惜しい。だから頭だけを上に向かせた。
「あ……」
 星が落っこちてくる。そんな気がした。
 闇の空に、光の粒をいくつも縫いつけたように、ぶら下げたように。音もなく静かに、星はあった。
 さっきまで考えていたことが、頭からすっぽり抜け落ちた。ロンシャンの腕枕で、しばし見とれる。ぽつりとした呟きは、自然と唇から落ちた。
「…きれいだね」
「うん。きれい」
「イルミネーションが消えたせい?さっきは見えなかったのに…」
「あ。」
「え?な、なに?」
「そーいや、ここ来る途中でなんか引っかけちゃってさー。そしたらなんかここら辺の電飾、みんな消えちったんだけど」
「って、お前が犯人か!?」
「てへvv」
「だからその顏やめろつーの!」
 再びネコパンチ。ロンシャンはくすぐったいように笑う。声には出さず。
「知ってる?サワダちゃん」
 耳元でひそひそと、ないしょ話の声で囁く。ツナは、吹き込まれる吐息の暖かさがくすぐったくて、首をすくめた。
「クリスマスってさ、イタリアじゃ、家族と過ごすモンなんだってさ」
「そうなの?」
 日本とは逆だ。日本では、恋人と過ごすのはクリスマスだ。
 どこかでそう考えていたから、今日、一緒にいられないことを寂しく感じていたのだ。
「そっか…そうだよね。ここは、日本とは違うんだ…」
 家族。そのことを考える。
 わずらわしく感じる時もある。さっきみたいに色々な人へ挨拶をしなければならない時とかは。
 けれどツナは家族を愛していた。仲間たちを。
 これは…今、ロンシャンと会っていることは、裏切り行為なのかもしれない。家族に対する。
 家庭教師の、冷たい瞳が思い浮かぶ。今なら、まだ……
 深い縁まで行きかけた思考に、キスが届いた。
 目をみはる。ロンシャンはに、と唇をつり上げる。その笑顔をまぶしく感じる。
「…でも、正月は恋人同士で過ごすモンなんだよ」
 恋人。その響きが甘く、胸のどこかをノックする。
 ロンシャンの長い指がツナの指に絡む。恋人同士の繋ぎ方だった。
「コタツとみかん、用意してるから」
 泣きそうな気がした。例え、これが家族を、仲間を裏切る行為であっても。
 この手を放せない。まだ。
「クリスマスが終わったら、一緒に寝正月しよーね。サワダちゃん」
「…うん」
 目が合う。互いの目に、互いを映して。
 自然と、真正面から唇を重ね合わせた。

 そのキスが終わる頃。ロンシャンは、腰に指を這わせ、くつくつと笑った。
「脱がせるの、今からちょー楽しみ!」
「って、今脱がせないでよ!?」
 そうしてしばらく。ツナはロンシャンが帰るのを見送ってから会場に戻った。
 獄寺が真っ先に飛んできた。ツナは、殺し屋の視線が背中に刺さるのを感じたけれど、全力で無視した。
「ああ!こんなに冷たくなって…十代目?髪に葉っぱが…」
 するとボスは、夜風に当たってリンゴのように赤くなった鼻頭と頬を、さらに赤くしつつも、こう答えたという。


「ほ…星を捕まえに行ってたの!」



※皆様、良いお年を。





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最終更新日  2010年01月08日 01時21分59秒
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