~あらすじ~
書名「永遠の0」の「0」は零戦のゼロ。
主人公が、戦死した祖父のことを調べていく物語。
あの戦争を共に戦った祖父のことを知る人物に会い、話を聞くなかで浮かび上がる祖父の姿と生き様。祖父である宮部久蔵のことをある者は臆病者と語り、ある者は卓越した零戦パイロットであったと言う。徐々に明らかになる祖父の真実、そして時代に翻弄された祖父と祖母と祖母の再婚相手との関係。
~感想~
戦争を大枠に捉えるのではなく、一人に人物に焦点を当てたことで描かれる詳細な「戦闘」場面。理不尽な作戦。そして随所に描かれる無能な司令部。この点について作者は現在の官僚制との類似点を見いだしている。そして、「特攻」と9・11テロとの類似点も。
安倍首相が9条改正を巡り、強気な姿勢を見せたところで、あの人は前線に行くことはなく、死ぬこともない。怪我をすることもないであろう、祖父の岸がそうであったように。
作者は、時の権力者を批判すると共に、大本営発表を垂れ流し、戦争を先導したメディア(新聞社)批判も登場人物に語らせている。
集団的自衛権の解釈や9条改正が現実味を増しつつある昨今、私たち国民一人一人の冷静な判断が問われている。