徒然なる日々

徒然なる日々

2007年03月31日
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昨日はあまりにも疲れ切ってしまい、ブログを書けなかった。

今回の研修は、52歳のアメリカ人男性と一緒に行うというのが、実は疲労の原因になっている。お互い、研修のアプローチがかなり異なっているし、彼はともすれば私をCo-trainerとしてではなく、日本のCountry Specialist(ようは研修講師ではなくて、日本の話をするだけの人間)と扱うので、こちらも不満がたまる。

腹が立ったのは、彼が受講生達に向かって「Kaorukoは英語がうまいけど、彼女はみんなの言っていることを100%理解していると思う?」と問いかけたことだ。クラスはしーんとなった。ひとりが「I think she is doing a good job so far.」と言ったが、アメリカ人講師は「本当に彼女は皆さんの言っていることを全部理解しているでしょうか?そうではないですよね」とみんなに言ったのだ。私は怒りと驚きで固まってしまった。ようは、英語がうまそうに見えたとしても、100%理解しているわけではないので、日本人と話すときは、スラングを使わないで、ゆっくり話す必要がありますよ、というメッセージを伝えたかったのだと思うが、それは私自らが言うならまだしも、彼が言うべきことではない。しかも、私は「英語ができない日本人」の役を演じるためにここにいるのではなくて、彼と同等の立場で研修を行うために来ているのだ。もう何度も、一人で外国人(アメリカ人だけではない)相手に研修を行っている。もし受講生の言っていることがわからなかったら、確認の質問をする。それは講師として、日本語であろうが英語であろうが同じことだ。その私の講師としての能力が疑われるようなコメントを受講生の前でされて、非常に不愉快な気持ちになった。

受講生にはさんざん「ミーティングにおいて、アメリカ人はもっと日本人の話に耳を傾け、日本人に話す機会を与える必要があります」などと言いながら、午前中80%話し続けたのは彼であり、見事に「日本人を押しのけてひたすら自分ばかり話し続けるアメリカ人」のステレオタイプを受講生に見せ付けた。これはあまりにもよくない、と思って昼休みに彼と話をして、午後は私にも出番が与えられたが、いつも彼と一緒に仕事をするとこういうことになる。そもそも研修は講師が一方的に話すのはよくなくて、受講生から引き出さなくてはならないのに、彼は一人でずっと話し続けるのだ。しかも、よく聞いていると、同じことを繰り返しているだけで、ノートに取りたいほどの中身がない。そしていつも最後に時間がなくなって、E-mailや電話会議を効果的に行う方法といった、実践的なセクションにかける時間が削られてしまう。

そもそも、彼は日本人と仕事をしたことがあるのだろうか、と思う。彼が一緒に仕事をする日本人って、私と同僚の日本人二人だけだ。20年以上前に日本に住んでいたことがあって、その経験だけで語っているし、自分が教えている内容を自分が日本人である私に対してでさえ実践できていない。

来週月曜日も彼と一緒に同じプログラムをやるので、今日少し彼と振り返りの時間を持った。私は二人で金曜日の研修のフィードバックを読んで、それを月曜日のセッションに活かしたいと思ったのだが、彼は受講生からのフィードバックシートを読もうともしない。フィードバックは3ヵ月くらい時間を空けてから読むのがよいそうだ。3ヶ月前に自分がどのように研修をやったのかなんて覚えているのだろうか。また月曜日に同じ研修を行うのに活かさないのか。

彼のやり方に対する不満はその他にもいろいろあって書ききれないが、彼のほうも私がいつも「改善点のフィードバックしかしないで、よい点を言わない」とか「言い方が押し付けがましい」とか「自分がこのスライドを作るのにどれだけ時間をかけたのかわかっているのか」と不満が多いようだ。講師がどれだけ時間をかけて作ったスライドであっても、受講生に理解されない、あるいは意味のないスライドだったら、使わないほうがいい、というのが私の意見だ。たとえば「根回し」の概念を説明するスライド。すでに意思決定の構造を日米で比較したスライドがあって、私はそれを使って「根回し」という日本流の意思決定スタイルを説明している。でも、彼は根回しの言語学的意味(木を植え替えるときに根っこを包んで特別な処置をしてから、植え替える)を説明し、時間をかけて木の根っこが包まれているスライドを作成した。確かにうんちくとしては面白いし、時間が無尽蔵にあればそういうスライドを使って言語学的意味を説明してもいいだろう。しかしながら、受講生が知りたがっているE-mailや電話会議、フィードバック方法といった実践的なセクションを犠牲にしてまで、伝える内容ではない。私はどの研修を行うときも「日本人と効果的に仕事をするために、受講生が持ち帰ってもらいたいスキル、考え方は何か?」というところからスタートする。が、彼の場合は「自分が興味あること」からスタートする。そこが、二人の仕事のやり方で根本的に異なる点だ。

今日夕食をとりながらお互いがお互いに感じている不満をさらけ出して、どうやったらもっと効果的に仕事ができるか話し合った。お互いに不満はたくさんあっても、月曜日にはまた一緒にやらなければならないのだから、何とか道を見つけなければならない。結論として、月曜日は私がメインで、彼がサブ的立場で行うことになった。

アメリカ人が日本人と効果的に仕事をするためのスキルを教える研修なのだから、まず講師の我々がそれを実践できていないといけない。月曜日はそれが試される場となる。月曜日の夜、アメリカ人の同僚と「うまくいってよかったね!」と祝杯を挙げられるように、がんばろう。








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最終更新日  2007年04月01日 10時03分30秒
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