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2007 アメリカ・カナダ 監督:ブライアン・デ・パルマ出演者:パトリック・キャロル、ロブ・デヴァニー、イジー・ディアズほか90分 カラー Redacted!リダクテッド 真実の価値(DVD) ◆20%OFF! DVD検索「リダクテッド 真実の価値」を探す(楽天) イラク戦争の最中に実際に起こった、アメリカ軍兵士によるイラク人少女レイプ・殺人事件を題材にした、ドキュメンタリー調ドラマ。監督は同様にレイプ事件を扱った「カジュアリテーィズ(1989)」のブライアン・デ・パルマで、ヴェネチア国際映画祭銀獅子賞を受賞したものの、FOXニュースが上映ボイコットを呼びかけるなど、話題を呼んだ。ストーリーの核となる事件は実際に起こったことだが、その前後の状況や細かい描写についてはフィクションとなっている。 本作は、実際の映像を用いるのではなく、兵士自身が撮影したプライベートビデオやフランスやイラクのテレビニュース映像、監視カメラ、youtubeなどのインターネット動画といった風体をなすフェイク(疑似)映像によって構成されている。いかにもドキュメンタリーのようにも見えるのだが、全て作り上げられた映像で、あくまでフェイクドラマということなのだ。 映画の元となる事件は、2006年3月にバグダッド南部のマハムディヤで起き、14歳のイラク人少女が米陸軍兵5人から性的暴行を受け、一家4人が殺害されたものである。彼らは検問所で酒を飲み、カードをしながら犯行計画したとされ、本作もそれを踏襲している。なお、軍法会議により、主犯格の1人ポール・コルテス軍曹には禁固110年の有罪判決が下っている。また、イラクテロ勢力は報復のために捕らえた米兵の首を切断して殺害している。 さて、フェイク(疑似)ドキュメンタリーという手法の効果だが、本物のドキュメンタリー映像に比べて、ショッキング性や生々しさが薄れる効果が発揮されているようには感じた。より詳細な描写をしながらも、やはりフェイクなんだという意識が強く働く。解説や評論では「ドキュメンタリーを超えたリアルさ」などと書かれていたりするが、どう考えてもドキュメントを超えることはないと思う。視聴者は映像の全てをそのまま鵜呑みにしているのではなく、色々と考えながら見ているのだから。従って、あまりそのリアリティということに固執する意味はないと思われ、むしろ実際に起こった事件をドラマ化して見やすくしたものと捉えた方が良いだろう。 また、監督は原題にあるとおり「リダクテッド(編集済み)」を主テーマにあげており、本事件の顛末を含め、アメリカに都合の悪いものは公表・報道されないということを指摘したいようだ。ベトナム戦争で米軍が学んだことは、反戦運動にならないよう報道規制をかけることなんだそうで、イラク戦争の真実の映像がリダクテッド(編集済み)されており、監督はリダクテッドされた事実を、フェイクによって再現しようというのだろうか。 ただ、残念ながら本作からはそのリダクテッドについては、余り響いてくるものがなかった。余り突っ込みすぎると、アメリカ社会で問題になると判断したのだろうか、監督の意気込みの割には大人しめで、肩すかしを食らった感じ。そもそも、このイラク人少女レイプ・殺害事件については、映像こそ出てこないが、結構報道もされているし、そんなにリダクテッドされている題材でもないような気はするのだが・・・。まあ、この題材を映画として取り上げたことには評価したい。 ストーリー的にはレイプに加担する兵がいる一方で、レイプを拒否する兵、傍観する兵といったバランス性、映像撮影に固執する兵が最後は自分が被写体になってしまう悲劇など、設定自体はなかなか興味深い。だが、ドキュメンタリー調の欠点とも言える人格描写や契機づけの浅さが気になる。どうしても深く描写しようとすると説明調になってしまうし、ドキュメンタリー風映像の中では描ききれない部分が多い。従って、犯罪を犯していく兵士や、それに加担するもの、拒否するものの心情変化が心に響かない。犯罪に苦悩して告発する兵士の葛藤も思ったよりも伝わってこないのだ。それも一つの手法なのかも知れないが、映画としての起承転結から言うと物足りなく、中途半端。 映像としては、やはり不満が残った。本物のハンディビデオとフェイクでは撮り手から伝わってくるものが違いすぎる。本作のハンディビデオ映像は、余計なものが排除されて綺麗すぎる。監視カメラ映像も鮮明に音声が入っているのも不自然。 登場する兵器類としては検問所に止まっているM1エイブラムス戦車や機銃装備のハンヴィーの姿が見える。銃撃シーンや仕掛け爆弾爆発シーンは結構リアル。 最後に、どうも合点がいかないことがある。本作には、とても憎むべき犯罪行為が描かれているのだが、その悲惨さや怒りというものを思ったよりも感じることができなかったのは何故だろう。終盤になるにつれて白けていく自分があり、それは監督のフェイク映像遊びに飽きてきたのかもしれない。描写も細かく、手の込んだ映像ではあったけれど、いささか映像遊びに走りすぎていたのかもしれない。題材が題材だけに普通のドラマ仕立てで作った方が、ずっと心に響くものがあったかもしれない。 興奮度★★沈痛度★★★★爽快度★感涙度★★ (以下 あらすじ ネタバレ注意 反転でご覧下さい) 2006年4月、イラクのサマラにあるアメリカ陸軍駐屯地。E中隊所属のある分隊に属するメキシコ系サラサール上等兵は、映画学校に入学を夢見て、ハンディビデオでイラクの真実を撮ると張り切っている。分隊の仲間には妻帯者で弁護士のマッコイ特技兵、本を愛するゲイブ上等兵、南部出身で気の荒い二人組フレーク上等兵とラッシュ特技兵がいる。 彼らの任務は検問所で、それまでは戦闘らしい戦闘はなかったが、言葉の通じぬイラク人との接触は緊張を伴った。サラサールは取り留めもない映像を撮っていたが、イラクの真実を撮っているとは言い難い現状にやや不満だった。 ある日、検問所に制止をきかない自家用車が突っ込んでくる。軍曹の命令でハンヴィ上にいたフレーク上等兵が銃撃を加える。車内には産気づいた妊婦とその兄が乗っていた。言葉の通じぬ彼らは病院に急いでおり、検問所の通り方がわからなかったのだ。妊婦は胎児とともに死亡し、そのニュース映像がヨーロッパに流れる。基地に戻り、サラサールはカメラを回してフレークに気分を問う。フレークは戸惑いながらも「思ったほどビビらなかった。魚をさばくようなもんだ」とうそぶく。マッコイはこの言動に怒りを表すが、軍曹の「命令に従っただけだ」というとりなしで場は収まる。 6月になり、椅子などのゴミが置かれた場所に不用意に近づいたラッシュを、スイート曹長がたしなめる。仕掛け爆弾に気をつけろと。だが、そのスイート曹長自身が爆弾の餌食となって戦死してしまう。イラク人に憎悪の感情を強くするラッシュとフレーク。 テロリスト容疑のイラク人家屋に捜索任務で潜入する。泣きわめく家族をしり目に男を連行し、読めもしないアラビア語の手紙を押収する。その男の娘二人は通学路として検問所を通っていた。15歳の姉に性的興味を抱いたラッシュは検問の度に体を触る。 7月になり、酒を飲んでカード遊びをしていると、フレークが姉妹の家にレイプ(遠足)に行こうと言い出す。ラッシュはすぐに賛同し、サラサールもカメラに収めたい一心で同行する。ゲイブは拒否したが、マッコイは仲間の警護のためしぶしぶと付き合うことに。 気がふれたように家に潜入するフレークとラッシュ。マッコイは彼らを制止しようとするが、外に追い出されてしまう。フレークは騒いだ祖父と母親、妹を殺害し、15歳の姉をレイプした上で殺害する。サラサールはその一部始終を撮影するのだった。起こった事態に苦悩するマッコイだったが、ラッシュにきつく口止めされる。 家族を殺されたイラク人の父親はアメリカ兵の仕業だと確信し、怒りを覚える。ある日、カメラで撮影中のサラサールがテロリストに拉致される。翌日サラサールは首を切られた姿で野原に放置されていた。イラクのインターネットには少女レイプの報復として首を切断されるサラサールの姿が流される。 米軍はこのことを認めようとしなかったが、罪の意識にさいなまれたマッコイは匿名でネット上で告白。事件が明るみになり、分隊員は事情聴取を受けることに。マッコイは真実を話そうとするが、軍の上官は臭いものに蓋をしたい雰囲気だ。フレークとラッシュは悪びれるわけでもなく、上官の聴取にも開き直る始末だった。
2009年04月23日
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1998 アメリカ 監督:ヨッシー・ウェイン 出演者:マイケル・マクグラディ、サイモン・ジョーンズ、ロバート・パテリほか 105分 カラー OPERATION DELTA FORCE 2 OPERATION DELTA FORCE II: MAYDAY DVD検索「オペレーション・デルタフォース2」を探す(楽天) アメリカ陸軍第一特殊作戦部隊D(デルタ)分遣隊を題材にしたシリーズもので、「オペレーション・デルタフォース(1997)」から5作目まであるうちの2作目。デルタフォースは対テロ作戦特殊部隊ということで、本作もイラクでの捕虜奪還作戦に続いて、テロリストに乗っ取られたロシア原子力潜水艦を奪還すべくデルタフォースが乗り込んで解決するわけだが、テロリストに拉致された元米海軍潜水艦長の息子がデルタフォースの隊長という安直な設定。このシリーズは駄作との評判で名高いので、ストーリー展開には端から期待してはいけないのだが、それにしても背景となる軍の指揮系統や世界情勢などまるで無視というのもいかがなものか。 そもそもデルタフォース自体の描き方が変というのは致命的。デルタフォースの連中は常にノーヘルで無防備状態だし、地上、空中、水上いずれの敵地潜入でも隠密潜入どころか、わざわざ敵に見つけてくれと言っているような行動ばかり。とにかく行動が不用心で見ちゃいられない。その上、絶対的多数の敵兵に囲まれても絶対に弾に当たらないデルタフォース(笑)。逆にテロリストの親玉も同様で、テロリストの目的や行動も実に不可解。あまりに作戦が杜撰だし、部下が弱すぎ。このほか、父親の元艦長もテロリストの拉致からせっかく逃げ出したのに、不用意に動き回るのですぐ捕まっちゃうし、イライラが募る。アクションシーンも、弾に当たる奴当たらない奴がはっきりしすぎているし、酷いのは爆発前にジャンプしちゃってる敵兵も・・・。唯一見応えがあるとすれば、派手な火薬使用と実車の戦闘車両、航空機ぐらいのものか。冒頭シーンのイラク戦はなかなかの火薬量で、ここだけならば立派な戦争映画だ。 登場する兵器類はなかなか豊富で、イラク捕虜奪還作戦シーンでは、UH-1イロコイ、ミルMi- 8ヒップといったヘリコプターのほか、T-55戦車、BMP-1歩兵戦闘車、BTR-60PB装甲兵員輸送車が登場している。本作の撮影は南アフリカのヨハネスバーグだとされるが、はてこの兵器類はどこから調達したものか。南アフリカ軍自体はこれら東側の兵器を持たないはずので、モザンビークやザンビアと言った近隣国からの調達なのか、兵器レンタル商からの調達なのか。また、驚きなのは、Mi-8ヒップヘリの実寸大模型を思い切り落下爆破させている点だ。シナリオ、アクションが劣悪な分、こういうところで予算を使っているのが面白い。 ロシア原子力潜水艦乗っ取りシーンでは、さすがに潜水艦はCG処理だが、関連するシーンではC-130ハーキュリー輸送機、BTR-60P装甲兵員輸送車の姿が登場する。ちなみに、ロシア原子力潜水艦は弾道ミサイル原潜グレミハ級SSBN-AK208クルスク号、アクラ級SSN-K157ブレモフ号、シエラ級SSN-SK587アレクセフ号の名称が出てくる。グレミハ級とは聞いたことがないので、最新鋭という意味でグレミハ潜水艦基地からとってきたのだろう。なお、クルスク号は巡航ミサイル原潜として実在しており、2000年8月に沈没事故を起こしている。 アクション映画としてもリアル系ではなく、ヒーロー系の類。セットや爆破シーン等には結構な金がかかっていそうだが、それを十分に生かすだけのシナリオと演技がなされていないのは残念。指揮系統や命令も今ひとつ理不尽だし、全体をとおして視聴してもストーリーに引き込まれることがなかった。申し訳ないが、このシリーズは勢いで作ったとしか思えないのであった。 興奮度★★ 沈痛度★ 爽快度★★ 感涙度★ (以下 あらすじ ネタバレ注意 反転でご覧下さい) イラクのテロリスト集団の捕虜となったアメリカ兵を救出するため、スキップ・ラング大尉をリーダーとするデルタフォースが出動する。ヘリコプターによる低空侵入により、イラクテロリスト基地付近に潜入したラング大尉らは、思いの外堅固な防御陣地に愕然とし、激しい抵抗に窮地に追い込まれる。司令部は作戦中止を命じ、軍曹は撤退を進言するも、ラング大尉は強引に救出作戦を強行する。その結果、一部兵の負傷もあったが見事捕虜の救出に成功する。この一件で、ラング大尉は命令違反として軍法会議の査問に召喚されてしまう。しかし、結束力の強い部下の証言により命令違反は不問にされる。 ラング大尉の父ハスレイ・ラング元海軍大佐が船長を務める豪華客船が、テロリストによって乗っ取られる。船内にはラング船長の妻子も乗っていたが、テロリストは容赦なく抵抗する民間人を射殺する。また、客船の付近海域でロシア海軍の原子力潜水艦グレミハ号が、テロリスト内通兵によって乗っ取られ、テロリストリーダーのルカシュによって支配される。ロシア政府はアメリカ政府にクルスクの撃沈を許可する。しかし、ルカシュは原潜クルスク号を客船の真下に潜航させ、アメリカ軍が攻撃できないように仕組む。 ロシア海軍もまたクルスク号の撃沈を試み、潜水艦ブレモフ号を急行させる。ルカシュはこれに対抗するため、元アメリカ海軍原潜艦長だったラング元大佐をクルスク号に移乗させ、客船乗客の命を盾に、ブレモフ号への攻撃を仕掛けて撃沈させてしまう。 アメリカ政府はデルタフォースの投入を決意。ラング大尉らが客船内に潜入。客船内のテロリストは一掃し、ラング大尉の家族ら乗客の生命は確保できたものの、クルスク号は海中深く消えてしまう。 クルスク号は、テロリストによって占拠されたロシアの海軍基地に入港する。そこには、ロシア海軍が保有する核ミサイルがあり、ルカシュは核ミサイルでアメリカ及びロシアの主要都市を攻撃すると警告してくる。 ラング大尉らデルタフォースはロシアの海軍基地に潜入。海中の侵入防御網を破壊して、テロリストを急襲。デルタフォース隊員が1名戦死するも、テロリストの大半を倒すことに成功する。間一髪でルカシュは原潜クルスク号を出港させるが、ラング大尉らもクルスク号に乗り込むことに成功。父親のラング元大佐をいったんは確保するも、ルカシュによって再び拉致されてしまう。デルタフォースの活躍でなんとかルカシュを倒すが、死を確認しなかったために蘇ったルカシュによってデルタフォース隊員に死者が出る。 ロシア政府はクルスク撃沈のため、原潜アレクセフ号を投入。激しいバトルの末、クルスク号が撃沈されそうになる直前、ようやくラング大尉はルカシュを倒すことに成功する。かぽんの戦争映画レビュー新着順かぽんの戦争映画レビュー分類別
2007年07月21日
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1993 アメリカ 監督:スティーブン・スピルバーグ出演者: リーアム・ニーソン、ベン・キングスレー、レイフ・ファインズ、キャロライン・グッドオールほか283分 モノクロ(一部カラー)SCHINDLER'S LIST 【第3弾50万ポイント山分け】シンドラーのリスト スペシャル・エディション DVD検索「シンドラーのリスト」を探す(楽天) スティーブン・スピルバーグの傑作でもあり、今でも感動大作として高い評価を得ている、ナチスのユダヤ人虐殺からの救済劇。オスカー・シンドラーという実在のドイツ人実業家が、1,100名にも及ぶユダヤ人を自社工場で雇用することにより、アウシュビッツ等のガス室送りから救い出したという実話をもとにしたものである。自らの命、財産等を顧みずユダヤ人の命を救い出した行為は、後にイスラエルから「正義の人」として表彰され、本作でも感動的な物語として描かれている。 本作はほぼ全編がモノクロで描かれ、カラーは本編中の赤い服を着た幼い少女とエピローグ部分だけとなっている。モノクロ映像がおどろおどろしいユダヤ人虐殺を過去の凄惨な歴史として認識させる一方で、唯一のカラーである赤い服の少女の結末が衝撃的で、非常に印象深い伏線となっている。 4時間半にもわたる長尺の映画で、ややもすると単調で冗長なシーンになりがちな箇所もあるが、そこはスピルバーグ一流の映像美と編集技術で飽きさせない作りとなっているのは凄い。程よいタイミングでの場面転換、無言と台詞の間の取り方はさすがである。さらに、4時間半の中で小さな起承転結を複数盛り込み、全体として大きな起承転結を持たせるという、視聴者の心の盛り上がりを誘発する技術も卓越している。 それだけに、一人のドイツ人実業家がユダヤ人が何十万と命を落としていく中で、たった1,100人ではあるけれども命を救っていく姿には大きな感動を呼び起こさせる。 ただ、1993年の公開当時はこうしたシンドラーのような人道的偉人の存在は余り知られておらず、全世界の感動と感銘を呼んだのだが、その後各地で第二第三のシンドラーの存在が明るみとなってきており、そういう観点で本作を見るとやや感銘度が薄れてくるのも事実である。 まず、本作公開後に論議を呼んだのが、シンドラーの美徳性である。シンドラー自身はユダヤ人を労働者としてしか見ていなかった、ユダヤ人を救済しようとしたのではなく、結果的にそうなったのだという意見も飛び出した。事実、本作中でもシンドラーが決して完璧な人道的人格者として描かれているわけではないが、若干美化されている印象は拭えない。公開当時は驚きと賞賛もあったが、今となってはもう少し人間くさいシンドラーの描写があったほうが、むしろシンドラー像に共感できたのではないかと思われる。また、シンドラーの反ナチ感情の芽生えや背景描写がもう少しあると、ユダヤ人に肩入れするシンドラーの立場が理解できたのではないかと思う。 イスラエルではかなり早い段階から建国功労者として幾多の外国人を表彰してきたが、本作の公開によって日本のみならず全世界にその名を知らしめる端緒となったという点では偉大な功績と言えるだろう。その後映画化されただけでも、オスカー・シンドラーのほかにイタリア人のジョルジョ・ペルラスカを描いた「戦火の奇跡~ユダヤを救った男~ (2002伊)」や日本人外交官杉浦千畝の「日本のシンドラー杉原千畝物語・六千人の命のビザ(2005日本)」などがある。このほか最近ではドイツ人のジョン・ラーベ(異論はある)やポーランド人女性のイレーナ・センドラーの名が良くあげられるようになった。また、意外にも日本軍(ハルピン特務機関の樋口少将や安江大佐など)が上海租界や満州でユダヤ人保護を行ったことも忘れてはならないところだ。 シンドラーを演じたリーアム・ニーソンは存在感ある演技で楽天家ぶりを熱演。他のユダヤ人たちは目立たぬ役者をあえて配役したのか、それがシンドラーの存在を浮きだたせる効果となっているようだ。街並みや部屋の中などのセット、ユダヤ人の服装も良くできており違和感はない。ゲットーやアウシュビッツなどでの虐殺シーンもそれなりに凄惨な描写があるが過度すぎない程度。ただ、銃殺シーン、特に頭部銃撃シーンはこの手の映画を見慣れない人には衝撃的かもしれない。虫けらのようにユダヤ人を殺すドイツ兵、狙撃銃で猟を楽しむように射殺する士官の姿は、戦時の集団狂気そのものである。また、この種の映画にはお決まりだが、幼い子供たちの虐殺や離別シーンは直視に耐えない。映像をモノクロにしたのはこうした衝撃シーンのショックを多少抑えるためでもあったのだろう。 とにかく映画としての出来は申し分ない。ナチスドイツの過去の歴史を知る上でも、人道的な感動を得るにも欠点らしい部分はないに等しいのだが、先にも書いたが美化され過ぎている感があるのと、余りに完成度が高い分胡散臭いものを感じてしまうのが欠点と言えば欠点か。興奮度★★★★沈痛度★★★★★爽快度★★★感涙度★★★★(以下 あらすじ ネタバレ注意 反転でご覧下さい) 1939年のドイツ軍によるポーランド侵攻が行われ、ポーランドのクラクスの街でも1万人のユダヤ人が住んでいた。ドイツからこの地にやってきたドイツ人実業家オスカー・シンドラーはドイツ軍高官に取り入り、ユダヤ人の琺瑯工場を買い取って一儲けすることを画策する。ユダヤ人の元計理士イザック・シュターンを訪ね、工場買い取りの資金提供者を募り、シュターンに工場経営を任せようと言うのだ。シュターンは乗り気ではなかったが、1941年3月20日にユダヤ人がゲットーに強制移住させられると、その生き残りのためシンドラーに協力することとなる。 シンドラーは募った資金でリポリ通りの琺瑯工場を買い取り、ドイツ軍SSが許可したユダヤ人労働者を安く雇って働かせる。技術者ではないユダヤ人は他の強制収容所に移送されるようになり、シュターンはブルーカードを得るために多くのユダヤ人をシンドラーの工場労働者として登録していく。シンドラーは莫大な利益を得るようになり、秘書を雇って悠々自適の生活を楽しむ。女遊びをしているところに妻が訪ねてくるが、シンドラーは動じることもなく妻は再びドイツに帰っていく。 そんなある日、労働許可証を忘れたシュターンが連行されてしまう。軍幹部にパイプのあるシンドラーはドイツ兵を東部戦線に飛ばすと脅し、何とかシュターンを取り戻すことに成功する。 1942年冬になり、プワシェフに建設中の強制収容所所長としてアーモン・ゲート少尉が赴任してくる。冷徹なゲート少尉は意見したユダヤ人工事主任ヘレン・ヒルシュを射殺する。 1943年3月13日、東部戦線の悪化とともにクラクフのゲットーは解体され、全員がプワシェフの強制収容所に移送される。病院の病人は安楽死され、多くの人々が物置や小屋裏などに隠れるが、ドイツ軍に発見されて銃殺されるか収容所に送られてしまう。シンドラーはその様子を目撃するが何をすることもできない。収容所では酒におぼれているゲート中尉(昇進?)が働きの悪い人を見つけると、お遊びで狙撃銃で銃殺するなど恐怖に満ちている。 シンドラーは自身の工場のユダヤ人も全て収容所に連れて行かれたために、ゲート少尉と面会し「感謝」という名の貢物を渡すことで工場のユダヤ人を取り戻すことに成功する。シュターンはゲート中尉のもとに置かれるが、シンドラーにSS幹部たちへの報酬や裏帳簿を示唆する。 収容所でもユダヤ人が労働に従事するが、ゲート中尉は生産性の悪いユダヤ人を銃殺していく。見かねたシュターンはそうしたユダヤ人を工員と偽ってシンドラーの工場に派遣するよう工作をしていく。シンドラーは黙認しているが、自身の身に危険が及ぶことを危惧していた。だが、ミス・エルザ・クラウスが収容所にいるユダヤ人の両親の解放をシンドラーに頼んだことから、次第にシンドラー自身もユダヤ人保護に目覚めていく。そして、ゲート中尉にも「許す」ことが力なのだと悟し、ゲート中尉にも変化が現れる。ただ、ユダヤ人に偏見を強く持つ中尉は、ユダヤ人メイドのヘレンに恋心を寄せるも、殴ることでしか表現することができない。 収容所にハンガリーからの新入りが到着し、病人が処分されることになる。シンドラーは自身の工場のユダヤ人を保護するが、多くのユダヤ人が列車に乗せられて移送されていく。シンドラーは劣悪な環境の貨車にホースで水をかけてやるのだった。また、子供たちもトラックに載せられ連行されていくが、シンドラーは子供も重要な働き手だとして保護しようとする。さらに、シンドラーはパーティの席でユダヤ人少女にキスしたことから人種再編成法違反として逮捕されてしまう。 いよいよ戦局が悪くなり、プワシュフの収容所も閉鎖されることとなり、全員がアウシュヴィッツに送られることとなる。シンドラーはドイツの故郷に帰ろうとするが、赤い服の少女の遺体を目撃し、思い直す。ブリンリッツに新たな工場を設立し、ゲート中尉にかけあって金でユダヤ人労働者を買い取っていく。あるだけの資金を投入し、850人のユダヤ人を救いだすことに成功する。さらに他の実業家にも話を持ちかけるのだった。 ブリンリッツにユダヤ人労働者を送るが、手違いで女性だけがアウシュヴィッツに行ってしまう。シンドラーはアウシュヴィッツの収容所所長に掛け合ってなんとか貨車に乗せて取り戻す。この際にさらに多くのユダヤ人を連れ帰ることに成功する。ブリンリッツの工場はドイツ軍も手出しできない保護地区と化す。 シンドラーの工場では軍事用品を生産するも不良品ばかりであった。シンドラーは軍事用品を作ってナチに加担することを嫌ったのだ。そのため、シンドラーの資金は底をつき始める。その間際にドイツが降伏。ドイツ兵は立ち去り、シンドラーもドイツ本国に戻ることにする。約1,100名のユダヤ人を救ったシンドラーだったが、もっと多くの命を救えたはずだと後悔する。その姿を見てユダヤ人たちは感謝の言葉を贈るのだった。 戦後、シンドラーは結婚にも事業にも失敗する。だが、1958年にイスラエル政府から「正義の人」として表彰される。シンドラーの死後も救われたユダヤ人は墓参りをするのだった。
2009年09月30日
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サークルkサンクスでワンダのコーヒー缶1個に1つついてきます。プルバックカーです。よく走ります。
2007年09月27日
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2002 タイ 監督:チャーレム・ウォンピム 出演者:ポンパット・ワチラバンジョン、ポンサック・ポンスワン、トサポール・シリウィワットほか 112分 カラー HEAVEN'S SEVEN DVD検索「バトル7」を探す(楽天) 作品解説でベトナム戦争末期のタイとあったので、てっきり戦争映画かと思って視聴したが、思い切りコメディだった(笑)。タイトルからしてわかるが「七人の侍(1954日)」「荒野の七人(1960米)」のタイ版のようなもの。タイ的おちゃらけムードはやはり香港映画系のノリとなっており、非現実的でふざけた表現はとても戦争映画とは言えないが、まあそういうもんだと思ってみれば楽しめる。 登場する人物は二丁拳銃の赤パン、殺人キックの鬼ムエタイ、ジェームス・ディーンみたいな男の子ジミー、ドツボ・ギャンブラーのイカサマ、失恋番長のロマンス、直撃マグナム弾の鉄拳、禁欲エロ坊主の和尚の7名に、ちょっと抜けた隊長、金の亡者社長タノン、その娘ムアイ、赤パンの娘サンゴアを加えた豪華版。物語の設定やシチュエーションはかなりいい加減だが、個性豊かな俳優の演技はなかなか楽しい。赤パンを除けば決して強い奴らではないし、悲喜こもごものそれぞれの人生背景もしっかりと描かれている。映画としては物語の展開もほどよくスピーディーで、無駄なシーンも少なく完成度は悪くない。 敵役は何故かアメリカで、枯れ葉剤を使用とする悪玉アメリカに、反米デモのシーンも取り込まれており、タイにおける米軍の位置づけがなかなか難しいものであることがわかる。日本で言えば、沖縄のような感情なのだろうか。そのアメリカ軍の兵士の軍装や兵器はかなり変。変と言えば、タイ軍兵士の軍装もなんだか違和感があるのだが、このあたりは突っ込んではいけないのだろう。突っ込みたくなるけど(笑)。 登場する兵器類としては、ヘリコプターではイロコイとチヌーク。どちらも実機が登場しており、タイ軍の所有機なのだろうか。戦車も一台登場し、よく覚えていないのだがM-41ウォーカー・ブルドッグだったような気がする。タイ王国陸軍のM-41は2006年のクーデター時にも活躍していたので記憶に新しい。 興奮度★★ 沈痛度★ 爽快度★★★ 感涙度★ (以下 あらすじ ネタバレ注意 反転でご覧下さい) 二丁拳銃の赤パン、殺人キックの鬼ムエタイ、ジェームス・ディーンみたいな男の子ジミー、ドツボ・ギャンブラーのイカサマ、失恋番長のロマンス、直撃マグナム弾の鉄拳、禁欲エロ坊主の和尚の7名はかつての戦友であった。除隊後のベトナム戦争末期、イカサマは飲食店経営の社長タノンとの賭けでムエタイの戦いを行うが、かつての戦友ムエタイが勝ってしまったことから社長に半殺しされそうになる。しかし、タノンの娘ムアイはイカサマに熱を上げており、その計らいで命は助けて貰うが、アメリカ軍が密かに秘宝を国境に運んでいるとの情報を得たタノンはイカサマにその秘宝を奪ってくるよう命じる。 イカサマはかつての戦友らを招集。個性豊かな連中にタノンはたじたじとなり、当初は秘宝の2割という約束が5割にまで引き上げられてしまう。そこで、タノンは7人を殺すよう6人組の殺し屋を雇う。 アメリカ軍の輸送車を襲撃するにあたり、彼らはかつての隊長と出会う。隊長は秘密任務でアメリカ軍がナパーム弾を隠しているとの情報を調べていた。しかし、それを無視して進み、トラックを乗っ取ることに成功する。トラックを奪った見返りに金を要求するイカサマ達であったが、タノンは殺し屋に七人を殺すよう指示してあった。ちょっと間の抜けた殺し屋たちは銃を乱射して岩を崩し、トラックは洞窟の中に閉じこめられてしまう。洞窟の中で脱出法を探る七人だったが、そこにトラックの枯れ葉剤を奪還するために米軍の精鋭部隊がやってくる。殺し屋達は殺され、七人にも米軍が迫る。赤パンは米兵と一騎打ちで谷底に落下。残りの六人は隊長の助けもあってトラックで脱出に成功する。 赤パンの娘サンゴアは父の死に涙しているが、そこにムアイが助けを求めにやってくる。父タノンが米軍に捕まり、街の人々を殺すと脅されているのだ。イカサマたちは米軍と戦うことを決意する。ムアイやサンゴアの助けを借り、米軍との激しい銃撃戦を繰り広げるが、劣勢になった六人のもとに赤パンが古めかしい大砲を持って現れる。赤パンは不死身だったのだ。さらに、トラックを吊ったヘリコプター上でも激しい格闘戦ののち戦いに勝利する。かぽんの戦争映画レビュー新着順かぽんの戦争映画レビュー分類別
2007年07月02日
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エフトイズコンフェクトU.S.NAVY 艦載機コレクション★ノーマル8種セット届きました。今回は2BOX買いまして、シークレットはF-14とA-7Eでした。まず、F-14のaを作りました。造型も塗装も思った以上にいいですね。細かいリベット表現もいい感じです。パーツの合い具合も良好でした。何といってもパイロットにちゃんと足がある(笑)残念なのは、兵装類が何もついていないことかな。増槽なんかも欲しかったなあ。あと、デカールは111標準ですが、機番張り替えも可能なのですが、かなり難しそう。後ろからVF-1(ウルフパック)は童友社の現用機コレクション第1弾でも出ていましたね。こちらは105番機でした。ちなみに童友社の方のキャノピーはもともと青です(笑)。写真のは透明に付け替えています。 おもちゃと関係ないですが、昨日からショック状態です。精神的に落ちているところを唯一愚痴話を聞いてもらっていた人が、遠くに行ってしまうことに。なんだか心の拠り所を失ってしまうようで、とても不安です。
2008年08月31日
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1985 西ドイツ・イタリア(スイス) 監督:アンソニー・ドーソン出演:ルイス・コリンズ、クラウス・キンスキーほか88分 カラー 南米の某国において、独裁政権側の政府軍と革命ゲリラが戦闘を繰り広げるアクション映画。某国という設定だが、大統領側で外国(多分アメリカ)からの援助が打ち切られたとか、大統領側近部隊と政府軍が必ずしも一枚岩でないあたりから、エル・サルバドルかニカラグアあたりをネタにしているような気がする。もちろんフィクション。 大統領側は悪者で、革命ゲリラ側が善玉として描かれてはいるが、内容的には政治的な指向は一切なく、完全にアクション一本で筋が通っている。ただ、革命ゲリラ(多分左翼)が民衆を救うという設定はアメリカ製作ではできなかったところでしょう。監督はイタリア人だけど、なんとなくマカロニウエスタンと言えばそんなような気もしないでもない。 アクションは、ダム破壊、車輌爆破、飛行機爆破、銃撃戦となかなか派手。ダム破壊のシーンは明らかにミニチュア使用ではあるけれど悪くない。火薬使用量もなかなか多く、銃撃戦にしてもケチ臭いものではない。味方もそれなりに撃たれるし、ゲリラ戦としては十分見ることが出来るだろう。もちろん、この手に必須のおねえちゃん(女ゲリラ)も登場。だが、女だてらに銃をぶっぱなすだけでなく、適度に撃たれて看護役にも回る辺りは好感が持てる。 登場する兵器は、当然の事ながら多くはない。政府軍側のヘリとしてヒューイが出てくる。機銃手からの銃撃の他に前方部から火炎放射器を放っていた。そういう仕様のヒューイは初めて見た。本当にあるのか。あとは小火器類のみ。それにジープやトラック、列車、旅客機を混ぜてそれなりに見せるあたりはさすがだ。興奮度★★★沈痛度★★爽快度★★★感涙度★(以下 あらすじ ネタバレ注意 反転でご覧ください ) 南米のある国では、ホゴサ?大統領の独裁政権による民衆圧政が続いていた。これに対抗する革命ゲリラのリーダーカラスコは大地主の息子でありながら、ゲリラに身を投じている。 今度のゲリラ作戦は政府の作ったダムの破壊である。ダム建設技術者ホセの手引きでダムの破壊に成功するゲリラだが、ホセが負傷してしまう。近隣の村にゲリラは休息を取るが、直後その村は大統領の傭兵部隊が報復と称して村人全員を殺害してしまう。ホセはカラスコの恋人で元医学生のマリアとともに町の教会病院に身を預ける。そこには政府軍側の負傷者もいたが、フリオ神父は公平に面倒を見ていた。 カラスコらは次なる作戦として政府軍の輸送車列を襲う。しかし、不運にもゲリラ側の傭兵スミティが補えられてしまう。そのころ、町の教会に大統領傭兵部隊長シルベラ大佐の部隊が突入し、ホセは射殺されてしまう。 カラスコはスミティの救出に赴く。スミティは拷問を受けるもなんとか脱出。その際に同じく捕らえられていた2名も合流し、大統領が民間機で視察に出かける情報を得る。カラスコは民間機の爆破を計画。飛行場に潜入し、民間機にバズーカを発射しようとしたその瞬間、別の者が民間機を撃墜する。実は、シルベラ大佐の罠だったのだ。世間にはゲリラのカラスコが撃墜したと情報を流し、カラスコは世間からも厄介者扱いされるが、フリオ神父だけはカラスコを信じていた。 カラスコは最後の作戦として政府の石油精製所の爆破を計画。元精製所の神父であったフリオに協力を頼み、精製所に潜入して爆破を試みる。列車に取り付けた爆薬の誘爆で作戦は成功する。 カラスコは、神父と村人たちに危害が及ぶことを懸念し、国境を越えて逃げることを諭す。しかし、先回りしていたシルベラ大佐の傭兵部隊が彼らを襲う。しかし、ゲリラの活動に手を焼いた大統領は国外に逃亡。さらに、かねてより大統領と馬のあわなかった政府軍のゴメス総司令官、ビンテス?将軍は大統領及び傭兵部隊シルベラに反旗を翻し、ゲリラ側と和解を結ぶ。追いつめられたシルベラ大佐にゲリラの怒りが向かう。その際、勇敢に戦ったフリオ神父が死亡。民衆は「祖国は立ち直った」と喜ぶのだった。 DVD検索「コマンドー軍団2」を探す(楽天) かぽんの戦争映画レビュー一覧
2005年08月21日
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