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2006年06月07日
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「麦の海に沈む果実」
恩田陸著(講談社 2000年7月25日 第一刷発行 「メフィスト」1998年10月号~1999年9月号初出)
麦の海に沈む果実  これは文庫

三月以外にやってくる転入生は、学園を破滅に導くだろう。
三月にやってきて、三月に去っていくのがきまり。
湿原に囲まれた全寮制中高一貫教育の学園に2月最後の日にやってきた転校生・理瀬。
混乱した記憶、盗まれたトランク、学園に続く木道、一度入ったら外部に出ることが困難な学園。
学園内も迷路のよう。
謎だらけの校長。明るくさばさばしたルームメイトの憂理。「ファミリー」という縦割りグループ。


校長のお茶会。季節ごとの行事。そのたびに起こる事件。
かつてファミリーにいたという、麗子と功は一体どこへ?既に死に、あの湿原に沈んでいるのだろうか?
校長のお茶会に呼ばれた聖、黎二、憂理、理瀬。校長は麗子と功の行方はどこかと詰め寄られ、麗子の霊の交霊会を開くことを提案する。校長曰くそうした才能がある理瀬を霊媒に。
そして起こる怪異。窓を・・・窓を閉めて・・・入ってきちゃう!


導入部、記憶が交錯しているような書き方で中々入りづらかったのですが(読み始めたとき、睡眠不足のためか読みながらうとうとしてしまいました)、理瀬が学園に踏み込む頃には理瀬同様不安な気持ちのままではありましたが入っていけました。

汽車でのトランクの盗難(仕組まれていたのですが・・・)はともかく、冬の重苦しく雲が覆うどんよりした中での湿原を黒塗りの車で過ぎていくの様子はこれから何かが起こる、何かあるという雰囲気たっぷり。湿原が夏には美しい様子を見せるといわれても信じがたい。
湿原の中にかつて建てられていた修道院。(函館?)それ以上に古くから祈りの場として使われていただろう場所と遺跡。湿原の中の池に囲まれた「青の丘」、直前にある電話で連絡して跳ね橋を降ろして重い鉄扉を開けてもらわなければ出入りできない学園。そして眼に入る頭が砕かれた天使の像。
もう何が出てもおかしくないです。まあそのタイミングで謎の少年?が出るのですが・・・

校長の正体は・・・でした。でも既にこの続編とも言うべき「黄昏の百合の骨」を読んでいたので直ぐに分かってしまったのがちょっと・・・やはり出た順番に読むのが良いようです、mamさん。

それにヨハンも登場。ヨハンのルックスについて黄昏・・・では余り触れられていなかったので美少女・理瀬とは見た目は不釣合いな人(でも頭脳派のかなりのやり手)を想像していたのですがもてもて美少年だったんですねえ。ヨハンの正体も大方明かされてましたが裏というか闇の人ですね。やっぱり。


彼女の祖母(直接出てきませんが)の言う「どんな女の子も演じてしまう、祖母をもだます」少女というのが彼女の自覚するところかどうかは置いておいて、憂理のいう女優の才能があることだし、実はあの「父」に似ているのではないかと思いました。こんなところも「魔女」にふさわしいかと思いました。

後半、理瀬が一年前の事故(記憶を取り戻すまで理瀬が憶えてなく、真実も知らされていなかったこの事故についても所々ヒントがあったので何となく予想できましたが)により記憶が失われているという告白する辺りから校長の正体も既に(登場時から分かってしまったのがねえ・・・)分かっていたので先が読めてしまいましたが、不思議な学園生活、やたらと行事の多い学園生活を読んでいるのは楽しかったですね。

しかし素質を持った後継者を選ぶためとは言え、麗子との関係とか黎二(可愛そうな人でしたね。ぜひとも彼と社交ダンスを踊ってみたかったです・・・って、私は踊れないけど)も恐らく・・・かな?とか、中々複雑ですねえ。
というか、いくら気に入ったからって犠牲出しすぎです。(死んだ振り?ってことは無いですね)


その物語で語られる不思議な学園生活を忠実に再現させるために前校長が作ったこの学園。
子である現校長も読み、その思いを引き継いでいるのだが、行方不明な本。
その題名は・・・「三月は深き紅の淵を」
三月は深き紅の淵を
↑出てました。
でも麦の・・・の中での本当のこの本は一応・・・となっています。実は私、三月・・・は未読なので読めば何がしかヒントがあるのかもしれません・・・

不思議の国のアリスより鏡の国のアリスの方が・・・と出ていたので三月は
マジカルコレクション 122「ふしぎの国のアリス」マッドハッター&三月ウサギ ←かな?とか単純に思ったり、
ハロウィンの頃の「十月はたそがれのくに」はきっとレイ・ブラッドベリ 10月はたそがれの国 だろうか?と思ったり。

まだまだたくさん大・小ネタがありそうに思いますが、私には分かりません。知識不足です。お恥ずかしい
塔晶夫 中井英夫全集(1) も未読。

取りあえず「三月は深き紅の淵を」も読むべきでしょうか?
まずは図書館で探し、あれば予約を入れようと思います。
たまたま読んだもののせいかもしれませんが恩田さんって図書館好きな印象。
あ~図書館に(出来れば蔵書が多いところ)行きたくなってきました。夏は図書館ですよね。





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最終更新日  2006年06月07日 14時03分03秒
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校長先生が分っちゃってるので  
mam さん
私も読んだのですが、記事を書く時間がなくて・・・。
書いたら是非TBさせて頂きます。
やっぱり順番に読まなくてはダメですね、いろいろ分っちゃってることがあるので、怖さも半減と言うところです。
とくに校長先生がね。
私はこの本はイギリスの話だとばかり信じ込んでいたのですが、北海道なんですね。
最初はあれ?、って感じでとまどってしまいました。

(2006年06月07日 16時05分17秒)

Re:校長先生が分っちゃってるので(06/07)  
yamahusa  さん
mamさん
>私も読んだのですが、記事を書く時間がなくて・・・。
>書いたら是非TBさせて頂きます。

今週は閉店でしたね。
のんびり、楽しみに待っております。

>とくに校長先生がね。

本当に申し訳ありません。黄昏・・・の前に麦の海・・・があることを調べた上で感想をupするべきでした。
校長先生の正体が分からないままに読んだならもっと面白かっただろうなと後悔しきりです。

>私はこの本はイギリスの話だとばかり信じ込んでいたのですが、北海道なんですね。

黄昏・・・の方で理瀬がイギリス留学を中断して・・・とありましたものね。
憂理が理瀬に入学して三ヶ月後に受けさせられる学校の歴史についての授業を説明している辺りで、「当時の函館には・・・」と憂理が話しているところがあったので函館だと思うのですが如何でしょうか?
(2006年06月07日 23時43分21秒)

やっと感想を書いたので・・・  
mam さん
TBさせて頂きました。

YAMAFUSAさん、謝って頂く事なんて本当にないですー。
私は面白い本を紹介してもらって、そこから次から次へと読みたい本が出てくる今の状況をすごく楽しんでます。
最初のきっかけを作ってくれたYAMAFUSAさんのおかげです!!。

実は『青に・・・』の中の乙一の作品が良かったので、次ぎは彼のを読みたいな、なんて(笑)。

本当にありがとうございました!!。
感謝です。 (2006年06月14日 09時04分28秒)

Re:やっと感想を書いたので・・・(06/07)  
yamahusa  さん
mamさん
>TBさせて頂きました。
>YAMAFUSAさん、謝って頂く事なんて本当にないですー。
>私は面白い本を紹介してもらって、そこから次から次へと読みたい本が出てくる今の状況をすごく楽しんでます。
>最初のきっかけを作ってくれたYAMAFUSAさんのおかげです!!。

いえいえ、こちらこそありがとうございます。
こちらからもTBさせていただきました。

>実は『青に・・・』の中の乙一の作品が良かったので、次ぎは彼のを読みたいな、なんて(笑)。

アンソロジーの良いところですよね。今まで読んだことが無い作家に出会える場所ですものね。
挿絵画家で選んで読んだりもします。
(2006年06月14日 10時57分43秒)

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