ヘナヘナライター 生態日記

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加藤美保

加藤美保

2004.02.11
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産業カウンセラーの実技試験に不合格したことで、自分で意識しているより、私はずっと落ち込んでいたらしい。

理由は、努力しても報われなかったという思いと、それから、去年の5月に娘が保育園で骨折して、保育園に通えず自宅で療養していたとき、そんな娘を実家や療養系の特別保育園に預けてまで、講座に通い続けていたという事情にある。

しかし、不合格通知を受け取ってから4日経って、さすがに完全復活した。
まず、合格するということを前提に考えて立てていたさまざまなプランを、もう一度全て白紙に戻して、プランの再構築をしなければならない。


遅まきながら、『Er8』を観た(笑)
アメリカのテレビドラマはほとんど観ないが、『Er』だけ
は例外で、1シーズンから見続けている。

『Er』は、シカゴの州立総合病院の救急救命室で働く医療関係者たちと患者たちの人間模様が描かれている。ドラマの舞台は、病院内が80パーセントを占める。そういう意味では非常に動きの少ない地味な物語であるとも言える。
その狭い箱庭のような病院内では、日々、恋愛や、友情、医療ミスに不治の病、医者同士の確執、権力争い、幼児虐待、DVと、現代社会の病巣がぐるぐると渦巻いているのだが、ひとたび救急患者が運ばれるや否や、その病巣が「人の命を救う」という突風にかき消され、スタッフが一眼となって人命救助に没頭する。ドラマの中で自分の仕事や使命に忠実に動く人々を見ていると、「私ももっと真剣にお仕事をしなければ!」という思いに駆られるから不思議だ(笑)。



シーズンから見続けているマークの人生は、私からみてもなかなかハードなもの(笑)。大切な家庭が崩壊し、それでも仕事に没頭するしかなくて、やっと再婚できて娘も生まれ、これから幸福になれそうな矢先に、脳腫瘍で倒れてしまう。
ところが、残り少なくなってしまった自分の人生を、彼は大切な仕事や、愛する現在の家族のためでなく、前妻との間に生まれ、長く離れて暮らしていた娘のために使うことを決心する。ギクシャクした関係のまま、マークと娘は、ふたりっきりでマークの生まれ故郷でもあるハワイに長期旅行をする。
しかし、前妻に引き取られ、すっかり捻くれてしまったしまったこの娘とマークは、死の間際になってさえもなかなか心を通い合わせることができない。
「私の残り時間は少ない。私が死んだ後、誰がお前を諭し、守るんだ!」と、マークは娘に血を吐く思いでその思いを吐露するが、そんなマークの思いは、なかなか娘には伝わらない。
マークを見ていると、本当に、人生って、思い荷物を背負って長い長い道のりをひたすら歩き続けるようだよなぁと、感慨深いものがあった。
結局、この親子の間では、物語の最後まで、特に感動を呼ぶような劇的な会話が交わされることはなかった。父親が死んで尚、父の本当の思いは、この娘には未だ届いていないようにも感じられる。しかし、たぶん、10年後、彼女にマークの思いは届くだろうという余韻も残している。
このドラマには、1シーズンの頃からリアリズムを感じていた。それは、ハッピーエンドにもアンハッピーエンドにもなり得ない、複雑な人の生を描いているからだろう。それが、このマークの死では顕著に表現されていたように思う。

臨終の直前、マークは夢を見る。
夢の中で、彼は、誰もいないErをいつもの青い診察服を着て歩き回る。
そのときの彼は、実に満ち足りた表情をしていて、それが心に染みた。
満ち足りた人生って、本当に人から判断されるものではなく、その人の心のありようによって満ち足りていたり、そうではなかったりするものなのかもしれない。





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Last updated  2006.03.25 20:43:51
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