ヘナヘナライター 生態日記

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加藤美保

加藤美保

2005.10.30
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『エターナル・サンシャイン』を先ほど観終わる。


バレンタインを目前に、恋人のクレメンタインと仲たがいしてしまったジョエル。仲直りするためにジョエルはクレメンタインに会いに行くが、そこで彼女はジョエルに対して、まるで赤の他人のように接する。
クレメンタインの不可思議な行動に悩むジョエルは、友人宅で不思議なメッセージを見つけた。そこには、“クレメンタインはジョエルの記憶を全て消し去りました。今後、彼女の過去について絶対触れないようにお願いします。ラクーナ社”と書かれていた…。彼女が自分に関する記憶を消してしまったことを知ったジェルは、自分もまたクレメンタインに冠する全ての記憶を消そうと試みるが…。

なんとも説明のし難い実に不思議な作品だった。
作品の中では、過去と現実、そしてジョエルの記憶という抽象的な世界が複雑な入り組んでいる。
物語の大半は、ジョエルがクレメントと過ごした幸せで苦い時間が、まるで古いアルバムをめくるように現れては消えて行く。

誰でも経験のある愛する人と出合ったときの新鮮な思いや、付き合い始めた頃の燃えるような思い。そして、付き合いが長く続けば続くほど、新鮮な思いが研磨されてトキメキがなくなったり、相手の欠点ばかりが目に付き始めたり。最後、別れを選ぶときは、数々のステキな思い出は輝きを失い、悪い思い出ばかりが輪郭を強くしていく。
でも、記憶を掘り起こしてみると、そこには、至福に満ちた幸せで輝く時間が現れるハズだ。


物語の最後、記憶を消す前にお互いについて語っているテープが公開される。辛らつで救いのない、熱の冷めた恋人に対する偽らざる思い。倦怠期に突入している恋人同士や結婚してある程度時間の経った夫婦なら、この“本音”に膝を打つハズ(笑)。
「彼女とのセックスは退屈」「彼といると息が詰まる」「彼女のボキャブラリーは貧困で知性に欠ける」「彼はつまらない男」

「また、同じことの繰り返し」だというコンスタンチンに対して、ジョエルは、「そうだね。でも、それでもいいじゃない」と答える。

そう、それでいいのだ。

無口で自分を表現するのが下手クソな「つまらない男」ジョエルと、精神的な安定感の欠ける「知性に足りない」コンスタンチン。

作品にはシニカルなユーモアが溢れている。そして何より、根底に流れる相手に対する深い愛情が心地よい。





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Last updated  2005.10.30 15:08:28
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