ヘナヘナライター 生態日記

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加藤美保

加藤美保

2006.08.28
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昨日、中国から帰ってまいりました。

私が初めて中国を訪れたのは今から18年前の1988年、天安門事件の1年前になります。

当時の中国は、ちょうど1950年代から60年代初めの日本という感じ。
資本主義経済の申し子とも言えるような生活を送っていた私にとっては、そんな中国のライフスタイルがある意味斬新に感じられました。

今の中国は二分されていると聞きます。都市部で生活する人たちは、先進国と同じような生活を送り、地方では20年前の同じような生活が送られているとか。

今回、西安と敦煌を訪れました。
確かに西安の目抜き通りに並ぶデパートは日本の同様の品揃えです。ロードサイドには、家具や日用品の量販店が並び、道行く人たちのスタイルも日本人と全く同じです。

何より今回の旅行でいちばん驚かされたのは、人々にたくさんの笑顔が見られたこと。18年前の中国ではほとんど笑顔が見られなかったのです。

それから、当時は街中には庶民が気軽に入れるようなレストランは少なく、たまにあっても客は外国人から一部の裕福層だけという状況でした。庶民がよく利用する街中の食堂に入れば、恐ろし粗末でまずい食事があるのみ。街の食堂でラーメンを頼んだら、汚い食器にお湯味に少々の塩味がするモサモサしたラーメンが出てきたこともありました(笑)。このラーメンは、一杯10数円程度だったと記憶していすま。
家族や友人同士で誘い合わせて美味しい料理をレストランで食べるなんて楽しみは、当時の中国人には叶わなかったんですねぇ。

レストランも8時ごろには早々に店じまいしてしまうような状況だったので、私たち旅行者は、日も暮れ出すと急いで数少ないレストランを探し出さなければならなかったのです。

同じアジア人でありながらお洒落な洋服を身にまといこぎれいにしている日本人は中国人の妬み、憎しみの対象で、そんなひがみの感情が嘲笑という捻じ曲がった方向で発揮されて、嫌な思いをたくさんさせられました。
しかし、今回の旅行ではそんなことはいっさいなし。あるわけありません。今の中国人は日本人
をひがむ必要ありませんからね。

レストランは街中いたるところに溢れ、日本より遅い時間まで営業していますし、美味しいお店は常にお客さんで賑わっています。飲食店意外でも、洋品店や露天なども、日本より遅い時間まで営業しているので、ナイトライフがかなり充実しています。
働ければ働くほど自分の生活を豊かにできる。稼いだお金で新しい知識や技術を習得したり、お洒落をしたり美味しいものを食べたりと、そういうことが実現できたときに、中国人は笑顔でいっぱいになったのかもしれないですね。

一方でこの状況が貧富の差を生み、持てる者と持たざる者の差を生み出しているのもまた事実のようです。

しかし、しかしですね、野心がある人もない人も、努力する人もしない人も、みんな平等に痛み(貧しさ)を分かち合って、国民のほとんどか鬱屈していた当時の中国を私はこの目で見ていますから、努力をした人がそれだけ報われる今の中国の方が、個人的には好感が持てるし好きです。ちろんいちばん良いのは、個人の努力が正当に評価される一方で社会的弱者も救済できる社会だと思いますが、これは今の日本でも難しい状況になっていますよね。

18年前の中国にはものすごいエネルギーが渦巻いていましたが、そのエネルギーを発散する場所、エネルギーを活気へと結びつけることができなかったのです。今では熱気が活気となり、街中、ひいては国中が、スゴい活気に満ち溢れています。


当然のことながら、その一方で中国にはたくさんの矛盾もあります。
西安の目抜き通りは日本と同様、いえ、それ以上に大きく近代的なビルが並び、最先端の商品が満ち溢れて、お洒落な人々が闊歩していますが、裏通りに一歩入ると薄暗く、ゴミが散らかっています。なんと、ビルの住人がゴミを通りに投げ捨てるんです。これを目の当たりにしたときは、正直驚きました(笑)。このせいで、裏通りはそれはそれはひどいことになっているのです。ゴミ捨て場の中で人が生活しているとでもいいのか…。
この、「表」と「裏」の落差もなかなかスゴいものがありました。

交通事情もまた、18年前と変わらないようです。庶民が鉄道の切符の予約を取ろうとした場合、一ヶ月先は当たり前。外国人でも最低3日前じゃないと切符は取れません。だから、中国の主要駅前は切符を取るために並ぶ人々で常に埋まって身動きもままらないような状態です。
こんな事情もあり、今も昔も、中国を個人旅行で鉄道を使って旅行するのはなかなか大変なことなんです。今回の旅行では鉄道は使いませんでしたが、人々でごった返す西安駅前を見て、「もう一回この中に入って切符の予約を取り、目的の電車を探し出して乗り込むことができるだろうか?」と自問自答してしまいました(笑)。


ハードは立派なのにソフトが追いついていないというか、これが今の中国の一面でもあります。





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Last updated  2006.08.29 18:20:36
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