ヘナヘナライター 生態日記

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加藤美保

加藤美保

2009.08.02
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『クラッシュ』を見た。以前から見たかった作品で、やっとその機会に恵まれた感じ。


物語前半は、ゾロゾロと登場人物が顔を出して、中核となる人物がつかみ切れず、しかも出てくる人出てくる人が皆ヒステリックで怒鳴り立てるので、神経がささくれ立って見るのが少しつらくなるが、中盤、ある出来事をきっかけに物語は180度大転換する。

良くも悪くもアメリカ映画は生活感というものが希薄なものがほとんどである。だからこそ、どんな夢物語も嘘臭くなく説得力があるというも言えるのだが。しかしこの作品にはアメリカ人のリアリティーがある。以前にも私はアメリカ映画には湿度が足りないということを書いているが、この映画で描かれるアメリカ人たちの現実は、湿度が低いがゆえにさらにその貧困と救いのなさが際立っているような気がした。カラリとしているがゆえに、さらに痛ましさが増す不幸というものがある。

物語のラストもいい。何か劇的な決着がつくわけでもなく日常が続いて行く。どうにもならない愚かしく悲しい人々の毎日が続いて行く。それでも、そんな中に奇跡のような人の素晴らしさ、尊厳を見出すことがある。それこそが救いだし、未来への一抹の希望でもある。そんなラストであった。





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Last updated  2009.08.03 00:46:20
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