川村けんとの「いい加減にします！」

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2006年12月25日

大正天皇祭

テーマ：皇室三(37)

カテゴリ：歴史傳統文化

　旧暦十一月六日。霜月しもつき、乃東だいとう（夏枯草）生ず。

斬る！時事問題のトリビア・コラム！

平成十七年七十七号「大正天皇祭」より

　今をさる七十九年前の大正十五年（西暦千九百二十六年）十二月二十五日、嘉仁よしひと天皇には宝算四十八歳で崩御せられ、大正天皇と諡おくりなされた。明治天皇以来、一世一元となり、それで、その元号がその天皇の代名詞のような恰好となり、諡としても使われるようになっていき、われわれには身近な裕仁天皇も、その元号の昭和が諡とされ、昭和天皇となった。
　大正とは易経にある《大亨以正たいこういしよう》より採られたものといい、正を以て行えば、何ごともスムーズに運ぶということであろう。大正の御代は比較的短かったが、その十五年間は政変あり、大戦あり、

米騒動あり、ロシア革命の影響あり、大震災ありで、まさに波瀾万丈、シュトルム･ウント･ドランク、疾風怒濤の時代であって、病弱な大正天皇お独りでは到底担いきれない複雑な時代であった。
　御病弱ではあられたが、天皇は和歌や漢詩に秀逸であらせられた。漢詩は専門的ゆえ措くとして《神まつるわが白妙しらたへの袖の上にかつ薄れ行く灯火ともしびの影》などは人口に膾炙かいしゃした秀歌であろう。白妙で神まつり用の装束が白い生地きじでできていることが改めて分かり、その白い袖の上に灯火の光でできた影のことが述べられ、かつというのは、ここでは次第にという意味で、時間の経過と共に、次第に薄れていく････という。極めて繊細な歌となっている。
　大正四年頃より御病みやまいようやく著しくなられた大正天皇ゆえ、同九年以降は、のちの昭和天皇には弱冠二十歳にして摂政宮となられ、父天皇の代りを務められるようになった。その一方で、即位元年以来崩御のときに至るまで、大正天皇には貞明皇后という替える

に余人なしの立派な皇后がおられ、この貞明皇后の献身的な支えは夫君大正天皇のみならず、御子の昭和天皇を戦前戦中はいうまでもなく、終戦後の昭和二十六年の崩御のときに至るまで弱まることはなかった。
　終戦直後に《要するに、明治の御一新ごいつしん以前に還れ、というのですね》の御一言には、拝聴するものを射竦いすくめる万金の重みがあった。神武肇国の昔へ還れで起きた御一新であったが、それより七十七年、再び昔へ還るのか、というのである。当時の行く先まったく見通しのつかないお立場にあって、ただ一つ今は亡き夫君の諡《大亨以正》を心の支えとして日々を過ごされた戦後の六年であったことであろう。
　その御母の貞明皇后を摂政宮となられた前後より、常に心の支えとしてこられた先帝陛下昭和天皇には御母の崩御に際し《幽明ゆうめい永とこしへに違たがひ、嗚呼ああ哀かなしいかな》と誄しのびごと )せられたという。まる

で素直なお言葉であるが、それだけに限りない寂しさが、われわれ民草たみぐさ青人草あおひとぐさに対しても切々と伝わってくる。
　明治の昭憲皇太后、貞明皇后、香淳皇后、そして今の美智子皇后、まさに国母と申し上げるにあまりある皇后であり、あった。それも当然であって、万世一系の天皇に配するに、その時代その時代において、当代第一等の才媛を選んだからである。
　《狭井河さゐがわよ雲立ち渡り畝傍山うねびやま木この葉さやげり風吹かむとす》という歌を作っては所生の二皇子に庶兄の手研耳命たぎしみみのみこととの対決が迫っていることを報せた神武天皇の皇后媛蹈鞴五十鈴媛ひめたたらいすずひめはじめ良妻賢母型の皇后は枚挙にいとまがない。良妻賢母は天皇家に限ることなく、名流衆庶に至るまで、広く一般に望まれるところであり、その範を示しておられるわけである。
　また十二月二十五日はキリスト降誕祭である。神エホバがユダヤ人と取り交わした契約が根本となってユダヤ教が生まれたという

が、年をへるうちに、そのユダヤ教も堕落していっては神エホバも最早これまでと見切り、救い主（キリスト）を送り出すこととなり、そばに仕える大天使ガブリエルが、大工ヨゼフの妻であるが処女であったマリアに救い主の受胎を告知して、十二月二十五日、エルサレム南西至近のベツレヘム（ベイトラフム）の厩うまやに生まれたのが救いの御子イエスであった。
　西暦前四年のことであったとされているが、亡くなったのは西暦三十年三月十三日金曜日午後三時であったという。午前九時にゴルゴダの丘で十字架に両手足首を釘付けする磔はりつけの刑に処せられたところより、言語に絶する長い苦しみの果てに、六時間後に絶命したこととなる。
　その間、イエスは刑執行のローマの兵隊を含め、イエスを告発したユダヤ人に至るまで《このものらは自分らが何をやっているのか何も分かっていませぬゆえ許してやって下さい》と神に懇願しなが

ら息絶えたという。この《すべてを許す》という在り方こそキリスト教の神髄という。
　この《すべてを許す》というのは、わが天皇の大御心おおみごころに通じるものであり、一君におかれて万民を撫で給い、抱き抱かかえ給いて、この人の世をともかくも渡っていかせられる御業みわざは尋常の業ではない。われら民草にして御民みたみわれ生ける徴しるしありの有り難さを噛み締めるばかりである。
　イエスは死後三日目の三月十五日の日曜日に復活し、天へ召されていき、再臨のときまで在天ということとなっているが、その復活のときを復活祭イースターとして祝うこととなっている。イースターは春分の次の満月の次の日曜日ということで、今年は春分は三月二十日で満月は二十六日土曜日であったので、次の日曜日は二十七日であった。
　十二月二十五日のクリスマス、翌年春三月下旬より四月へとかけ

てのイースターなど由縁ある祝祭日の多いキリスト教であるが、年をへるに従い堕落していき、これではならじと見た神エホバは、またも大天使ガブリエルを遣わしては商人マホメット（ムハンマド）に告げて堕落していくキリスト教に替り新教を樹てさせた。これがイスラム教（モスレム）であり、イスラム暦元年は西暦六百二十二年にあたるところより、わが厩戸皇子うまやどのみこ聖徳太子の薨年と同じとなる。
　そうした来歴のイスラム教であるが、従って、それだけに清新誠実の気風が強く、キリスト教ユダヤ教なにするものぞの勢いで、最近とみに石油産出で力を強めてきたイスラム教が、キリスト教ユダヤ教の脅威となってきているのも当然の成り行きである。

平成十八年　十二月廿五日
　特撮「日本の米」を聴きながら

女性天皇と女系天皇の違い

　愛子内親王殿下は男系女子なので、民間男子との間に設けられた御子様は「女系」でも「男系」でもない。

　　　　　　　　　　　男┌女…雑系女子
　　　　　　　　　　　├┤
┌女 └男…雑系男子　男　　　　┌女…雑系女子
│ 　　　　　　　　　├────┤
（神武天皇）　　　女 │ 女 ┌女…男系女子＝愛子内親王 └男…雑系男子
├┤├┤
神倭伊波礼毘古命┌男 └男└男…男系男子＝悠仁親王　┌女…男系女子
　　　│　　　　│　　│　　　　　　　　 ├────┤
　　　│　　　　│　　│┌男…双系男子　女　　　　 └男…男系男子
　　　├────┤　　├┤
　　　│　　　　│　　│└女…双系女子
　　　│　　　　│　　│
多多良伊須気余理└女 ┌女┌女…女系女子
├┤├┤
　　　　　　　　　男 │ 男 └男…女系男子
│
└男 ┌女…雑系女子
　　　　　　　　　　　├┤
　　　　　　　　　　　女└男…雑系男子

　従って今次の皇室典範改正問題の論点は「女系天皇を容認するか否か」ではなく「男系天皇を放棄するか否か」である。

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