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2004年08月22日
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八重山毎日新聞・南の島の星祭

約1万人の島民が暗くなった夜空の天の川を楽しんだ。

台風17号最新情報
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1997年「水滴」で芥川賞を受賞。
1999年「魂込め」
2001年「群蝶の木」と続く短編作品群。

「魂込め(まぶいぐみ)」を執筆した頃、作者は先島諸島の宮古島にすんでいた。

「平良市内のファーストフード店や喫茶店をはしごしながら、小説を書いていた」・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・



「”又(また)ん魂(まぶい)落としておる如く有るむんな”
人騒がせな、と思いながらフミに言うと、うつむいて小さく首を横に振る。
”いったい何(ぬー)やが”と声をあげそうになったとき、ふと幸太郎の鼻から何か黒いものが突き出ているのに気づいた。最初は鼻毛かと思っていたら急に引っ込んで、今度は唇の間から3センチほどはみ出し、頬や顎のあたりをちょんちょんと探るように動いている。驚いて見ていると今度は唇の間からマッチの頭のような目が突き出し、歯が剥き出しになった。紫がかった灰色の爪が口をこじ開け、姿を現したのは大人のこぶしくらいもありそうな大きなアーマン(オカヤドカリ)だった。」


マブイを落とした幸太郎の口の中にアーマンが棲みつく。

幸太郎の母親(オミト)は、沖縄戦の最中に浜すう木(モンパの木)の砂浜にウミガメの卵を獲りにいき、米軍の機銃掃射で殺された。
その浜すう木の浜辺で、幸太郎のマブイがぬけ落ちた。

ウタの幸太郎への魂込め御願(ウガン)と、フミ(幸太郎の相方)とウタとのアーマン退治と、沖縄戦最中でのウタとオミトの決死の食糧確保と機銃掃射の記憶・・・


「月の光は何十年も何百年も変わらないと思う。砂を掘り、海に戻っていく海亀が、戦争のさなかに見たのと同じ亀であり、同時に、あのとき砂の中に残っていた卵が孵化し、成長したもののようにも思える。甲羅の砂を波が洗い落とす。滑るように海に入った海亀は首を反らすと浜のほうを見た。幸太郎が海に向ってゆっくりと歩き出す。
”行ってならんど。幸太郎。行ってはならんしが”
ウタは叫んだ。幸太郎は一瞬立ち止まってウタを見た。しかし、すぐにまた、波間に頭をもたげて漂っている海亀に目を移し進みはじめる。ふと、その海亀がオミトの生まれ変わりのような気がした。
”あね、幸太郎。待ちよう。待ちよう”

ふいに嫌な予感に襲われ、ウタは立ち上がるとフミの家に走った」


滑稽さと、
非情さと、
暖かさと、
圧倒的な自然の存在。


あのヤンバルの自然がそうであった様に、
異様なくらい”やさしく”て”深い”。






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最終更新日  2004年08月22日 20時25分07秒


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