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2019.04.13
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カテゴリ: 音楽




でもスイス一の名オーケストラであることは間違いない。しかもイギリス生まれの熱血ジェントルマン=ジョナサン・ノットが音楽・芸術監督だ。しかも演目は私の大好きなマーラーの交響曲第6番「悲劇的」。これは聴きに行くしかない!

会場は上野の東京文化会館。ロビーで景気づけに白ワインを一杯。800円はちと高い。

マーラーの前に、弱冠22歳のヴァイオリニスト=辻彩奈とのメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲。
ややチューニングがあってないような気もしたが、若々しくロマンティックな演奏だった。ソリストのアンコールは、定番のバッハの無伴奏曲だった。

20分の休憩の後、いよいよマーラーだ。
大ホールのステージには、大太鼓や銅鑼、チェレスタはハープまで所狭しと並んでいる。そしてハンマーが打ち下ろされる台も。
交響曲第6番「悲劇的」をナマで聴くのは、3年前に横浜のみなとみらいホールでのパーヴォ・ヤルヴィとN響の演奏以来だ。この時のライブ録音はCDになって売られている。やっぱ、パーヴォって人気があってCD出しても売れるんだろうな。

熱血ジェントルマン(私が勝手につけたネーミングです)=ジョナサン・ノットが、白い蝶ネクタイと燕尾服で登場。こんなフォーマルな服装の指揮者は今どき珍しい。そんな理由でジェントルマンなのです。

独特のマーチで曲が始まる。木管、金管
が野太い音だ。ジョナサン・ノットはスリムな全身を使って熱い指揮姿。いいぞ、いいぞ。
不気味なマーチと対称的な甘い第2主題が奏でられる。妻アルマへの愛を表現していると言われているメロディーだ。うーむ、この起伏、アンビバレントな構成が魅力的だ。


パーヴォ × N響の演奏に比べテンポはややゆったりしている。しかし縁取りがくっきりとした鮮明な演奏だ。楽器1つ1つの細かなニュアンスまで耳に届き、マーラー6番を再発見したような気分にさせられた。打ち下ろされるハンマー2発!決まった!そしてエンディングの破滅的な幕切れ。なんとユニークな終わり方なのだろう。
この曲を作曲した当時のマーラーは、ウィーン国立歌劇場の音楽監督に就任したり、愛妻アルマとの間に娘が生まれたりと人生の絶頂期だったはずだ。なのに何故こんな悲劇的に終わる曲を作ったのだろう?わが身の幸せは長く続くはずがないと考えていたのだろうか・・・・?
でもその気持ち、わかるな。色即是空・空想是色。人生は諸行無常なのだよ。さすが人間の本質をわかってらっしゃるな、マーラーさんよ!
ジョナサン・ノットとスイス・ロマンド管弦楽団のマーラーは、私を哲学的思惟に誘ってくれる名演奏だった。クラシック・コンサートで人間とは何かを考えるというのも悪くないな。そんなことを思い会場をあとにし、散り始めた上野の森の桜を眺めながら駅に向かった。

最後に一句。  「  花冷えの夜や  マーラー忍び寄り  」





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最終更新日  2019.04.13 08:32:50
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