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2019.06.13
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カテゴリ: 音楽






神童と言われ、数々の名オケ、名ソロイストとの共演を重ねてきたレーピンもはや50前。最近は、故郷シベリアのノヴォシビルスクで音楽祭を立ち上げたそうだ。

会場は上野の東京文化会館。大ホールの大きなステージには真ん中にグランド・ピアノがポツンとおかれているだけ。ここのホールで、演奏家2人だけのコンサートを見るのは初めてだ。




レーピンは黒の襟なしジャケットに黒のスリムパンツ。足が長くてカッコイイ。

まずはヒンデミットのソナタ。構成は2楽章のみ。20世紀の作曲家の作品だけあって、わかりやすいメロディーやハーモニーはない。でも2人はいとも簡単そうに弾いていく。こういう曲を演奏するって演奏家にとってはどんな気分なのだろう?・・・と質問をしてみたくなった。

続いて休憩なしで、ベートーヴェンのソナタ第7番。短調のソナタだ。作曲したのはベートーヴェンが耳の不調から「ハイリゲンシュタットの遺書」を書いた年。
第1楽章は暗い曲だが、2楽章は優雅、3楽章はエネルギッシュ。そして第4楽章は再び暗い曲調。でも躍動感にあふれている。第5交響曲「運命」第1楽章を思わせる。
レーピンのヴァイオリンは情熱的だ。 コロベイニコフとの息もバッチリ合っている。 長い音を弾き切って弓をヴァイオリンから離す瞬間の表情が男の色気を発散しているぞ。

20分の休憩後、メインディッシュはフランクのソナタ。
聴いたことがなかったので、中古CD(五嶋みどり)を聴いて予習した。いやあ、こりゃ名曲だ。 五嶋みどりのヴァイオリンって凛々しくて腹が座っている感じがしていいなあ。

さて、レーピンは?
わりとハイ・テンポだ。でも曲の輪郭をくっきりと表現し我々聴く者をぐいぐいと引っ張っていく。この曲って、ヴァイオリン・ソナタだけど、ピアノの聴かせどころも随所にある。ピアノが単なる伴奏ではなく、ヴァイオリンとかけ合い、渡り合い、会話をする。特に第2楽章の丁々発止は圧巻だ。
最終楽章では、第1楽章冒頭のメランコリーな旋律が再び現れ、ジ・エンド。芳醇なグラスワインを飲み干したような感覚になった。

アンコールは、レーピンが曲の紹介をしたが、よくわからなかった。帰るとき掲示板で確認したら、チャイコフスキー「エフゲニー・オネーギン」のレンスキーのアリアだった。同郷のチャイコフスキーに敬意を表しての選曲なのだろうか?フランクより拍手が大きかったような気が・・・。
これでおしまいかと思ったら、もう1曲やってくれた。
これがすごかった。まずは、レーピンがピアノ伴奏なしでの即興のような超絶技巧ソロを披露。そしてピアノが加わり熱い曲が展開。どこかで聴いたような・・・・
掲示板にはラヴェルの「ツィガーヌ」とあった。あれ、 「ツィガーヌ」ってオケ伴奏の曲じゃなかったっけ?曲が終わった瞬間にブラヴォーの嵐。この日一番盛り上がった瞬間だった。

ソロ・リサイタルは、フル・オーケストラのコンサートで味わうような興奮の度合いは低いけど、演奏家の一挙手一投足を眺めながら聴くことで、音楽を奏でることの楽しさ、喜びを共有できるのがいいと思う。

最後に一句。  「 ランニング  紫陽花が飛ぶ
  汗が飛ぶ 」







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最終更新日  2019.06.13 17:57:05
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