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2019.08.12
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カテゴリ: 音楽




ビートルズが解散して10年たった 1980年にジョージ・マーティン自ら執筆して出版された本だ。なので、内容は、ビートルズとの創作活動と、レコーディング・プロデューサーとしての裏話という2つの要素を軸に書かれている。加えてEMIのプロデューサーになるまでの自らの生い立ちも興味深かった。

面白かった記述を箇条書きで抜粋。

〇私は海軍少尉候補生になり、飛行士として生きる決意をして高等訓練を受けた。作戦上の飛行中隊を組んで戦時下のヨーロッパに出陣するところだったが、原爆が日本に落とされ戦争が終結し、出陣はなくなった。

〇戦後、結婚をし、私は曲を作ったりオーボエを吹いたりして、かろうじて生計を立てていた。

〇私がレコーディング・プロデューサーになったばかりの頃は、モノラルでのみ録音していて、マイクを何本使おうと1つのトラックに収められた。その仕事が創造的、今日的な存在になったのは、”ステレオ録音の発明”からであった。

〇デッカ・レーベルは、ビートルズに2回オーディションを受けさせた後すでにサジを投げていた。パイ・レコード、フィリップス・レコードも然り、EMIも主任3人のうち2人まではデッカのディック・ロウと同じくらい間が抜けていた。

〇私はビートルズに一目ぼれだった。彼らの第一印象は、全員、清潔感に溢れているということだった。これは明らかにブライアン・エプスタインの影響だった。最も印象が強かったのは、人の注意を引く彼らのパーソナリティだった。一緒にいて魅力を感じる若者たちだったのだ。

〇彼らは誰からも何からも自由で、人との間のつまらない束縛を嫌った。私が彼らを気に入った最大の理由だった。



〇「愛こそすべて(オール・ユー・ニード・イズ・ラヴ)」で私は、「ラ・マルセイエーズ」、「バッハの「二声インヴェンション」、「グリーン・スリーヴス」、そして「イン・ザ・ムード」の中から抜く出したフレーズを混ぜ合わせて1曲に仕上げた。

どう?聴いたことがあるような話もあるけど、レコーディング・プロデューサーが書くと説得力があるよね。そして次の箇所は、まさにレコーディング・プロデューサーでなければ知りえない話。

〇ジョン・レノンの「ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー」は2回、アレンジを変えて録音した。ジョンは、「最初の録音の前半と、2回目の後半が気に入ってるんだ。この2つをくっつけてみたらどうだろう?」そこでキーの違う2つの録音を、テープのスピード・コントロール・マシンで一方をスピードアップし、もう一方をスローダウンし、ぴったりの場所を選んでテープをカットし、できるだけ正確に2つをつなぎ合わせたのである。
「ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー」はこうして作られ発売され、そして今もそのまま残っている。

へえ、知らなかった。こんな実験まがいのことまでやってたんだなあ。レコーディング・プロデューサー冥利に尽きるといったところだろうか。そして、アルバム「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」についてはこんなことを述べている。

〇アルバム 「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」 は、良くできたおとぎ話のように最後にはすべてうまくいき、ビートルズ最高のベストセラーとなった。このアルバムでビートルズも単なる普通のロック・グループから、芸術作品の歴史への重要な貢献者になったと私は感じた。
これは1つの大きなターニング・ポイントであり、レコードというものを単に楽しむための音を出すものから、正当な芸術形態として歴史の評価に耐えうるもの、音楽の彫刻のようなものに変えた分かれ目だったと言える。

なるほど、いわゆるコンセプト・アルバムの誕生だ。ポピュラー音楽が芸術になった瞬間だったのだ。しかし今はどうだろう?音楽はネットで1曲1曲が切り売りされる時代になった。これは退化なのだろうか?
半世紀前の天才ロック・グループのサウンドを作った男=ジョージ・マーティンがもし生きていたら、現代のポピュラー音楽業界をどう見るだろうか?

最後に一句。  「  日焼けした  肌に負けじと  ビートルズ  」





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最終更新日  2019.08.13 08:08:00
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