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2006年01月14日
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カテゴリ: 外国語・語学


当然ながら、文法だけよく知っていても、語彙(単語)を1つも知らなければ、何も自分の言いたいことを言ったり、相手の言っていることを理解したりはできません。

ある言語においていくつぐらいの語彙(単語)を覚える必要があるかということについては、それぞれの言語によって事情が異なるので簡単には言えないと思いますが、日本語は「最低限10000語」だと言われています。
これは、一般的な新聞・雑誌・本などを辞書なしで読んで、全体の意味がおおよそ正確に読み取るのに必要なレベルです。
この「10000語」という数が、世界の主要な言語の中で多いのか少ないのかというと、これは「圧倒的に多い」ようです。

「カバー率」という数字があるのですが、これは、その言語において「いちばんよく使われる単語から、○番目によく使う単語まで覚えていれば、一般的な文章を読んだ場合に、どれぐらいの割合でそこに書いてある単語を知っていることになるか」という数字をパーセントで表したものです。

例えば、日本語でいちばんよく使われる単語は「これ」だそうですが、そこから「1000番目」によく使う単語(・・・これは何という単語かわかりません)まで知っていれば、カバー率は「60.5%」となっています。
つまり、よく使われる語彙(単語)を1000個覚えれば、一般的な日本語の文章を読んだ場合に、そこに使われている語彙(単語)のうちの約6割は知っているということです。

このカバー率が90%で、上に書いた「一般的な新聞・雑誌・本などを辞書なしで読んで、全体の意味がおおよそ正確に読み取れる」レベルになります。

英語の語彙のカバー率は3000語でちょうど90%なので、英語の単語を1番よく使われるもの(=「the」)から3000番目によく使われるものまでをしっかり覚えれば、一般的な英語の文章は読んで意味が把握できることになるわけです。

例えば、英語をゼロから勉強し始めて、文法は置いておいて、「単語だけでも1年でなんとか困らない程度に覚えたい!」と考えると、1日に8語強覚えていけばよいことになります。

英語以外の主要な言語における「カバー率90%」の語彙数は、フランス語が2100程度、スペイン語が3200程度、中国語が4100程度となっています。
(英語、フランス語、スペイン語はモスクワ国立言語研究所、中国語は北京語言学院語言教学研究所の調査による)

では、日本語で90%のためにはいくつの語彙(単語)を知っている必要があるでしょうか?
これは「10500語」だそうです。(国立国語研究所の調査による)
実に英語の3.5倍、フランス語と比べると、なんと5倍です。
フランス語はこの点では日本語と正反対で、主要な言語の中ではもっともカバー率のいい言語です。
日本語を学習する外国人の多くがつまづく点として「覚える単語の数が多すぎる」というのがこのデータから裏付けられます。

ただ、じゃあ、フランス語は簡単かというと、1つの単語の持つ意味や用法が非常に豊富で、1つの単語の意味を1つしか知らなければ、「書いてあること(相手の言っていること)の意味がわかっているつもりでいて、実はわかってない」ことが往々にしてあることになります。
「和仏辞典」を見て、見出しの日本語の単語の意味や用法が延々と続くことはほとんどありませんが、逆に「仏和辞典」の見出しフランス語の単語を見ると、その意味や用法が延々と続くことは珍しいことではありません。

以前にちらっと書きましたが、基本的にはフランス語には、「焼く」「煮る」「茹でる」「炒める」「蒸す」の区別はありません。すべて「cuire」という動詞で表します。
フランス語を学んでいて、「cuire」という単語の意味を「焼く」しか覚えなかったら、実は「煮る」だったという可能性は低くないわけです。
(ちなみに、外国人に日本語の「煮る」と「茹でる」の違いを聞かれて、即座に答えられる人はどのぐらいいるのでしょうか・・・?)
フランス語は「蝶」と「蛾」も区別しません。「パピヨン(papillon)」ということばを聞いたことがあると思いますが、これは「蝶」であると同時に「蛾」でもあるのです。
どうしても区別したいときには、「夜の」という言い方をつけることで言い分けることはできます。(「papillon de nuit」=「夜の蝶(=蛾)」)
あいさつで、「おはようございます」と「こんにちは」も「Bonjour.」しかありません。
親しい人同士の会話では、会ったときの「やあ!」も、別れるときの「じゃあ!」も、「Salut!」です。

そういえば、水泳の種目で「バタフライ」というのがありますが、これはフランス語ではそのまま「papillon」ですが、これって「蛾」でもあるわけですね。
下手な人の泳ぎだと、スマートな「蝶」ではなくて、もがいているような「蛾」に見えるかもしれません。(・・・私もだったりして。(^-^;))

フランス語は1つの単語に多くの意味や用法があり、日本語はその反対で、意味やそのものの状態が少し変われば、単語も変える傾向が強い言語だと言えます。
つまり、日本語では「蝶」、「蛾」、「バタフライ」、ついでに犬の種類の「パピヨン」・・・と、すべて別の単語で表しますが、フランス語ではすべて「papillon」です。
有名なところでは、日本語には「水」と「湯」という単語による区別がありますが、この区別をする言語はあまりありません。(それだけではなく、日本語には「冷水」「温水」「ぬるま湯」「熱湯」などの言い方もありますし・・・)

結局は、語彙(単語)自体をたくさん覚えなければならないか、覚える語彙(単語)の数は少なくていい代わりに1つの単語の意味はたくさん覚えなければならないか、のどちらがましかということになります。

では、日本人は日本語の語彙(単語)をいくつぐらい知っているのでしょうか?

(続く・・・)





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最終更新日  2006年01月14日 21時12分58秒
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