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2008年01月31日
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兵庫県立美術館は去年は3月に「ビル・ヴィオラ-はつゆめ-展」、7月に「巨匠と出会う名画展」の併せて2回行きました。
「ビル・ヴィオラ展」のときは思った以上に時間がかかって、また、「巨匠と出会う名画展」のときは展示入れ替えのために、「コレクション展」が見られませんでした。
今回は、企画展の「ムンク展」と、コレクション展の両方をしっかり見ようと思って、‘計画的’に美術館に昼過ぎに着くように行きました。

この美術館も今までデジカメを持たずに行っていたので、今回は持参して行きました。(^-^;)




兵庫県立美術館_北側_2008_1_31


敷地面積だけで考えると、巨大な美術館です。
パリの「ポンピドゥー・センター」ぐらいあるんじゃないかな・・・。

さらに、建物の中に入る前に大回りして、‘フォトジェニック’なところまで行きました。
それは駅からやって来るのとは正反対で、南西側から見たところです。
歩いていて、この美術館の巨大さを改めて感じました。


兵庫県立美術館_南側_2008_1_31


このあと、行ったことのない“回廊”のほうまで行ってみたのですが、(南西側から)最上階まで登る手段が階段しかなく、さらに登ったあと美術館に入るには(東側の)階段で降りるしかないという安藤忠雄の設計に「これって、どうなんだろう・・・」と疑問を感じました。
(ドアはありましたが、施錠されていて使用できませんでした。)




兵庫県立美術館_階段_2008_1_31


美術館に入るために、建物横の階段を下り、さらに上の画像の階段を下りてようやくエントランスです。

奥のほうまで進んで、インフォメーションと反対側にコイン・ロッカーがあるので、いつものようにジャケットと荷物を入れて、3階の企画展フロアーに行きます。

「ムンク展」は、実は私は今までに3度‘立派’な展覧会を見ています。
初めて見たのは、1991年の12月にパリの「オルセー美術館」で行われた『Munch et la France』という展覧会でした。
代表作の『叫び』はもちろんのこと、このあと挙げる代表作もすべて展示されていた「大回顧展」といった感じの展覧会でした。
図録も立派なハードカバーで、十分“画集”と言えるレベルのもので、他の荷物と併せてすごい重さの‘自分用の土産’として持って帰ってきたのを思い出します。

2つめは、「兵庫県立近代美術館」で1992年に行われた『ムンク展-画家とモデルたち-』です。
「兵庫県立近代美術館」は今回の「兵庫県立美術館」ができる前の県立美術館で、現在の場所へ拡大移転されるのに伴って閉館になりました。
このときは展示作品はやや‘控えめ’でしたが、それでも1916年作の『吸血鬼』や1921年作の『接吻』といったまずまず有名な作品も来ていました。

3つめは、1993年に「出光美術館」で行われた『ムンク展-愛と死-』です。
この「出光美術館」、当時は東京と大阪にあったのですが、大阪は何年か前に閉館になってしまいました。
このときの展覧会が、日本で行われた「ムンク展」とは思えないほどのレベルで、1893年作の『声』、1894年作の『赤と白』、『吸血鬼』はバージョン違い、マチエール違いで合計4点、同じく『マドンナ』も合計4点、1925年作の『生命のダンス』、そして、1893年作の『叫び』と『思春期』と、恐ろしいほどの作品が展示されていました。

つまり、私は『叫び』や『生命のダンス』、『思春期』といった代表作も既に2度ずつ見ています。
その意味では、今回はもうわざわざ見に行くほどではないとも思ったのですが、とはいえ、最後に見たのですらもう15年前なので、1年前から楽しみにしていました。

まず、会場に入っていきなり『吸血鬼』がありました。
ヨーロッパ人の作品を見て、ひさしぶりに1分以上鳥肌が立ちました。
やはりものすごい迫力です。。。
でも、このタイトル、のちに別人が付けたもので、当時ムンク自身は『愛と痛み』というタイトルを付けていたとは知りませんでした。
そして、これは決して‘血を吸っている’わけではなくて、キスしているところなんですね。。。
でも、女の人が男の首の後ろからキスするって、よくあることなんでしょうか・・・?

『メランコリー、ラウラ』という作品では、テーブルの前に女の人が座っているのですが、「テーブルクロスには、脳の断面図を思わせる柄が描かれて」いて、そう思ってみると、わずかに気持ち悪くなりました。。。

そのあと、『叫び』と同じ場所を背景にした『不安』と『絶望』があります。
「『不安』とは北ヨーロッパの近代的思考を特徴づける鍵概念で」あるとのことで、絵のテーマと描きかた、特にムンク特有の色使いで、じっくり見ていくうちにこちらの気持ちまで暗くなっていきます。
同じ時代にフランスでは印象派の絵画が描かれていることと比べると、「天と地」ほどの違いが感じられます。

『赤と白』もありました。
この絵には女の人が2人描かれているのですが、最初は右側にもう1人黒い服を着た女の人が描かれていたということです。
実は、この絵のポスターをパリの展覧会で買ってきて、ずっと寝室に飾っています。。。
きょうの展覧会を見て、こんな絵を飾っている部屋で寝ていたら、生気を奪われそうな気がしてきました。。。(^-^;)

『生命のダンス』(1925年作、小ぶりバージョン)もありました。
「愛と生命のサイクルを示している」とのことで、ゴーギャンの『我々はどこから来たのか? 我々は何者か? 我々はどこへ行くのか?』と共通するテーマだなと思いました。

こういったムンクの‘有名’な代表作は、北欧という地と19世紀末という時代を如実に反映しているな・・・、と感じました。

『屍臭』に至っては、部屋の奥に顔を覆われてベッドに寝かされている死人と、手前に人たちが集まっていて、間もなく死を迎えそうな生気のない女の人や、においに耐えられないのか、鼻と口を手で覆う人が描いてあります。
こんな絵が‘芸術’だと言われても、人によっては認められないかもしれません。

『ゴルゴタ』は何となくアンソールっぽいし、また、『生命のダンス』を含め、ダンスのシーンを描いた絵が何点かあるのですが、踊っている人たちがちっとも楽しそうに見えません。

後半は版画や水彩画ほとんどでしたが、作品を見ていくうちに、「絵を見て気分転換しよう」といういつもの気持ちとは逆で、だんだん重苦しい雰囲気になっていきました。

1人の巨匠の展覧会としては十分見ごたえがあり、「企画展」だけで1時間40分かかりました。
今、「オスロ市立ムンク美術館」に行ったら、むしろ「いい作品がないんじゃないの?」と思うほどの作品が来ていると思います。

続いて、「コレクション展」を見に行きます。
こちらは気持ち悪いほど客がいません。

まず、2階から。
入っていきなり本多錦吉郎の『羽衣天女』があり、目頭が熱くなりました。。。
この絵はこの美術館の‘目玉’ですが、今まで一度もお目にかかれませんでした。
ムンクのどの作品よりも長い時間じいっと見入ってしまいました。

青山熊治の『高原』は、時代を背景してか、コランのタッチと似ているな、と思いました。
また、飯田操朗の『風景』はブラマンクに似ているような感じがしたし、山本敬舗の『ヒロシマ』は明らかにピカソの『ゲルニカ』を模したものだと思いました。

中ほどの部屋では伊藤隆康という作家の小企画展をやっていて、アクリルやアルミニウムをマチエールにしたオブジェが多数展示してありました。

2階へ降りて、定番の小磯良平と金山平三の作品に1部屋ずつ割いてありましたが、私はどうもこの2人が訴えてくるものが感じられません・・・。

最後の部屋は日本画ということで、楽しみにして入りましたが、単色の作品が多く、これといって感激を受けるものがなく、がっかり。。。
1月2日に「西宮市大谷記念美術館」で何点か見て名前を覚えた山下摩起の作品が5点も展示してありました。

それでも、ひさしぶりに「コレクション展」をのんびりと見て、これだけで1時間45分かかりました。

「ムンク展」と「コレクション展」、併せて3時間半でした!

ここの「所蔵作品集」は持っているし、ミュージアム・ショップは何度も見ているので、「ムンク展」の図録だけ買いました。

建物を出るときに、来たときとは別の通路から出て、おそらくメインのエントランスと思われるところを撮りました。
わかりにくいかもしれませんが、上の通路にシースルーの赤い字で「ムンク展」と書いてあります。


兵庫県立美術館_入口_2008_1_31


建物を出ると、雨がぱらぱら・・・。
来たときは画像でわかるとおり、いい天気だったのですが。。。
私が美術館を出たときに雨が降っている確率は50%ぐらいありそうです。。。





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最終更新日  2008年02月01日 10時58分14秒
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