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2010年03月22日
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きょうは神戸の「香雪美術館」へ行って、「堀文子~いつくしむ命~」展を見ました。
存命で作品を発表し続けている日本画家です。

私は作品はほとんど知りませんでしたが、何点か見かけた作品は奇をてらった感じではなく、上村淳之の作品などと同様、現代的なセンスを盛り込みながらも‘まともな’日本画だと思っていました。


香雪美術館_2010_3_22




この美術館はコイン・ロッカーもないし、(たぶん)荷物も預かってくれないし、落ち着いて鑑賞できないのが残念です。

堀文子は1918年に東京に生まれ、上村松篁らが創設メンバーだった「創造美術・新制作協会」日本画部(後の「創画会」)などで活躍し、1952年には上村松園賞を受賞しています。(その後、「創画会」は離脱)

いつもある1階の常設展示の石像は今回はありませんでした。(ないのは初めて見た。。。)

1階には雑誌『サライ』に連載された「命といふもの」の挿絵がずらっと並んでいました。
どの画家でもそうですが、挿絵用の絵は水彩のように淡く、日本画とも洋画とも言えそうな感じです。

また、図鑑の絵のようなタッチのものもあれば、カンディンスキーの抽象画を彷彿とさせる画風のものもあり、あとのほうに書いてあったのですが、画風を決めずにそのときそのときに描きたいように描いた、というのがここでも感じられました。

それと、今回非常に気になったのは、ところどころに掲げられている画家本人のことばでした。
この画家本人のことばには、感銘を受けることが多いのですが、作品が気に入った画家でも必ずしも言動には賛同できない場合もあります。

絵が並んだ途中にキャプションがあって、「(東京で)もう歩ける子を何食わぬ顔でベビーカーに乗せて押す親。(中略)必死で働く大人の町(=東京)にベビーカーなどもってのほかだ」と書かれていて、この人がいかに現代の都会の親子の光景が嫌いなのかが伝わって来ました。
子どもはいなかったのでしょうか。


2階に行くと、数点の本画が見えましたが、作品の数の少なさは想像以上でした。

1950年代の作品は油彩で描くようなタッチで、ありきたりの感じが漂って、個性も魅力も感じられませんでした。
ここには「これを描いてはいけないとか、ここに青い色を塗ってはいけないとか、他人からとやかく言われることなく、絵は自分の思う通りに描ける」という画家本人のことばがありました。
これが伝統的な日本画の雰囲気を感じさせない要因でしょうか。

それと、今回の展示作品はすべて紙本で、1点も絹本のものがありませんでした。
これも本人の意向でしょうか。
あるいは、絹本に描く技術のようなものがなかったのでしょうか。

1960年代の作品は、試行錯誤の時代だったようで、並んでいる3点を見て、今度はエルンストの絵のようだと思いました。
そして、どう見ても、デカルコマニーを用いているように感じたのですが、解説にはまさにそのことが書いてありました。
日本画にデカルコマニーを用いる画家はほとんどいないと思います。
悪く言うと、エルンストの‘亜流’のように見えました。
・・・シュールレアリズムの作品として見たら面白いのですが。。。

風景画は外国の街角を描いたものや想像で描いたもので、統一性がなく、1点1点を見て行くうちにその画家の世界や、場合によっては人生にまで引きずり込まれるのとは違って、隣の絵同士を交互に見て、「ずいぶん違うよなぁ・・・」ぐらいにしか感じられませんでした。

壷に生けてある花も、知らない(=見たことがない)ものが多く、実際にある花なのか、もしかしたら想像で描いた花なのか、わかりませんでした。

全体を見回してみて感じたのは、色が非常に鮮やかだということです。
広い意味での原色が限界一歩手前まで強く使われていて、むしろ「何が描いてあるか」より印象に残るほどでした。

展示作品数が少なかったので、45分で見終わりました。

正直に言って期待したような作品群ではなく、物足りなさを感じつつ、美術館を出ました。





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最終更新日  2010年03月23日 00時32分27秒
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