03プロバンス1






2泊したコートダジュールのニースから、
いよいよプロバンス地方に向かいます。

最初に訪れたのはセザンヌのアトリエ、
彼はふるさとでもあるこの地エクサンプロバンスで製作に励みました。


製作に重要な明り取りのための窓は南向きは小さく、
北向きを大きくとってあります。

強すぎるプロバンスの光を調整して作品を描くためだったようです。




セザンヌが晩年構えたアトリエを
1906年に亡くなったままの状態で公開しています。
写真はアトリエの表札。





これは、アトリエの南側の窓を庭から撮影。
アトリエ内部は撮影禁止なのでした。
天井まで届くはしごが残されており、
セザンヌの製作していた作品の大きさが実感できます。

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1888年、ゴッホは明るい太陽を求めてアルルに。
そして15ヵ月の間に200点以上もの作品を製作し

南仏の空の下、アルルの跳ね橋を何枚も描きました。


ほんとにのどかな町ですが、
ゴッホファンが世界からやってくるからでしょう、
今もその姿を残す跳ね橋の袂に
作品のコピーが置いてあります。

その地をたずねるのがこの日の旅のメインです。

ゴッホファンの私達にはウレシイ一日でした。



この跳ね橋が作品に描かれた物だそうです。
木造なので、残念ながら再建された物ですが
細い川に架かる跳ね橋、
その雰囲気は、充分に今に伝わってきます。

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いよいよゴッホの作品のモチーフの町アルルです。
上の写真のように、ゴッホが描いたポイントには
その作品の案内表示が設置されています。




このお店はは、アルルフォーラム広場
ゴッホの描いた「夜のカフェテラス」のモデルとなったお店を、
再現しものだということです。

できるなら、夜に訪れてみたいところでした。



こちらは後日訪れたパリのオルセー美術館所蔵の『アルルの女』
アルルの駅前にあったカフェの女主人が描かれていますが
その人となりを想像するに興味深い面立ちだと思いませんか?

この写真はオルセー館内はフラッシュをたかなければ
撮影OKなのでカメラに収めたものです。


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実はこの地 アルルと日本はゴッホにとって不思議なつながりがあるのです。

ゴッホがパリを離れて南仏アルルにやってきたのは1888年2月20日、

日本の浮世絵に強い感銘を受けていたゴッホの目には、
興味深いことにアルルに日本のイメージを重ねていたといいます。


エミール・ベルナール宛の手紙の中でゴッホは

「この地方は空気が澄みきっていることと
明るい色彩効果の為に日本のように美しい」
と述べています。


ゴーギャンとの画家の理想郷作りに燃えていたゴッホ、
結果は必ずしも彼の願いどおりにはならなかったけれど、


それまで、決して芸術的な土壌など無かったアルルに
沢山の「美」を見出し、輝く色彩で描ききった作品の数々。

その作品を通して私達は南仏アルルを想像し
憧れを持って訪れる...

ゴッホの作品は南仏の太陽を
映す鏡のように、
時を経て、なお 輝きを増すばかり。


今回の旅のなかで、
ゴッホの作品が美術館や画集の中から
南仏の太陽のもとに飛び出してきたような感動を得、


そのことが今回の最大の喜びともなりました。

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アルルはゴッホゆかりの地というだけではなく、
古代ローマ時代の円形闘技場などもあります。

一世紀に作られたものは歴史と共に少なからず破壊されたようですが
19世紀に復元作業が始められ現在はかつての姿に近いものとなり
私達が訪れたときも地元の小学生が校外学習に来ていましたよ。


21世紀の現在、古い歴史の刻まれた史跡に実際足を踏み入れて
その場に立つと、戦わせられた奴隷のことや
それを観戦した支配階級の人々の歓声が聞こえるような気がしました。


ローマのコロッセウムより規模は確かに小さいですが
支配した各地に同じ文化を広げていったローマ人の支配力に
改めて、感じ入りました。



ゴッホの描いたアルル市立病院





再びゴッホ。

アルルで精神が不安定になったゴッホがとった奇行...
有名な、耳きり事件。
その後、外科的な治療で入院したのがこの旧市立病院。


現在は改築され『エスパス・ヴァン・ゴッホ」の名の文化センター。
中庭はゴッホの作品を元に復元されたといいます。

果たして、どんな思いでこの庭を描いたのでしょう、
凡人の私には想像することも難しいですが、
天才画家、ゴッホにとって傷ついた魂を自ら慰めるのも
キャンバスに向かうことなのでしょうね。




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