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=テニスで築いた地元の輪=
 50を過ぎたころあらためてテニスをやりたいと思った。腕前は掛値なしで下手
なのだが、やりたくなった。まったく身体を動かしてないので、なにか運動をし
なければいけないと思った。
 ある日、新聞に折り込まれてくる荒川区報をながめていると「テニス教室開催」
という文字が目の前に大きく浮かび上がった。区営コートで、荒川テニス連盟主催、
水曜から土曜までの4日間、夜7時から9時の日程だ。
 事務所からの帰宅に30分、着替えと支度に10分、家から自転車で公園まで
10分、公園内をコートまで歩いて5分。つまり仕事を6時に切り上げれば間に

「これは躊躇していちゃ駄目だ、これしかない!」ビビーンと響くものを強く感
じ、すぐに申し込んだ。

 テニス教室でラケットを握るのは約20年ぶりだ。ラケットの振り方を完全に
忘れていた。私が初めてラケットを持ったときは水平に振るようにと教わったと
思うが、教室では下から上へ振り上げるようにと教えられた。振り方が変わって
いた。
 20年ぶりに、たった4日間のテニスでは昔のレベルまでも戻るはずがない。
それは当然のことだから気にしなかった。むしろ20年ぶりに思う存分ラケット
を振る機会を得たことの喜びの方が大きかった。それにも増して今回参加の目的
はもうひとつあった。

 この教室は荒川テニス連盟主催だから、ここからテニス連盟に所属するクラブ

様でした」という挨拶で締めくくられ、テニス教室は解散した。ひそかに期待
していたクラブ紹介はなかった。そうかと言って、私からクラブを紹介してほし
いとは言えなかった。募集してもいないクラブへ割り込んで、まわりに迷惑をか
けるほどの強心臓はない。自分の未熟さを嘆きつつも、もの足りなさをおぼえな
がら皆と別れた。私の中の風船が少ししぼんだ。





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最終更新日  2004年08月26日 14時15分31秒
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