気まぐれ屋。

気まぐれ屋。

2006.12.02
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カテゴリ: ヒトコトモノ
「もしもし、あのー美容室でお世話になっておりますОと申します。またお電話します」

抜糸を無事に終え、買い物をして家に戻って来た時。
男性の声でメッセージが録音されて、電話が切れるところだった。
はっきり聞き取れたのは最後の「します」ぐらいだったから、
宅配便の事前連絡かセールスか何かだと思いいつつも、なんだかすぐに電話を取らなくちゃ
いけない妙な予感がして、慌てて留守録のボタンを押し、耳を傾けつつ着替えを始める。

「?! これは!!」
声の感じが電話のせいで変わってはいたが、間違いなくあのOさんだ!
(※11月15日付『青天の霹靂』参照)


すぐにディスプレーのナンバーを確認して、そのまま私から。
スリーコールぐらい経って、「もっしもーし!」と男性の弾んだ声に変わった。
いつものほんわかとした柔らかい笑顔のOさんが目に浮かぶ。

あの日突然、本人じゃない会社名で“Oは退社しました”という衝撃のハガキを貰って、
どれだけ私がショックを受けたか、これからどうすればいいのか途方に暮れたこと…
溢れ出した言葉は1度出たら止まらない。
「ごめんねー」
すまなそうに言うOさんの、ハの字眉がまた目に浮かぶ。

「びー。さんも含めて(前の店で)何人か気になるお客さんがいて…」
前の美容室を辞めてから彼は、私の連絡先を色々調べてもらってたようだ。
担当の顧客名簿はルールで持ち出せないからか、私に辿り着くのに時間がかかったみたい。

そんな話を聞いてたら、一瞬うるっとしてしまった。
「もー、ほんとに。私これからどうすればいいのか分からなかったんですからー!」
声を震わせながら、似たような言葉を何度も繰り返してた。

「色々とあってさ…(遠い目)」と相変わらず、多くを語らない彼ではあるが、
今は都内の別の街に在る美容室で、元気に忙しく働いてるようだ。

詳しくは数日中に分かるはず。新しい店の挨拶状を送ってくれるらしい。

ああ、良かった。
20年近い年月を重ねた2人の絆?は“ホンモノ”だった、ということが分かって。
私の片想いや勘違いではなかったのが、とても嬉しい。

電話を切る時、「『新しいスタート、おめでとうございます!』でいいんですよね?」と言ったら、
「そうだねぇ…」とひとこと。
照れ臭そうに小さく微笑む彼の顔が見えた。

★  ★  ★  ★  ★
今日のひとこと。「祝!レッズ初優勝。」





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最終更新日  2006.12.02 18:12:44
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