着物大陸

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2021年08月20日
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テーマ: お勧めの本(8116)
カテゴリ: 恩田陸
ネタバレ感想はもう読了されている方を
前提に書いています。
読んでいなかったらさっぱりわからないだろうし
これを読むと
恩田陸の作品から足が遠のく恐れがあるので
未読の方は読まないで下さいね!



球形の季節 (新潮文庫 新潮文庫) [ 恩田 陸 ]


~噂がどうして流行るか考えたことある?
それはね、みんなが望んでるからだよ、それを。~ BY正岡真減

こちら「六番目の小夜子」同様”学園モダンホラー”です。
東北のある地方都市「谷津」の高校生たちのお話で

石からにょきにょき人が出てくるからホラーですね。
看板に偽りなし(笑)
でも、あんまり怖くないです。
地方都市の閉鎖された空間で
息苦しさをかんじる高校生たちの生活や
悩みがすごくリアル。
「本来の谷津」っていうのは
その高校生たちの気持ちをもっと
浮き彫りにさせるための設定という気もします。
「本来の谷津」の謎が曖昧なのも
書きたいのはホラーじゃなくて高校生だったからじゃないかなと。

私はこれを勝手に「青春小説」に
分類しちゃいます(笑)

「特別な人間」誰でも子供のころは
自分のことを特別だと信じています。
でも、だんだんと成長し周りが見れるようになると

そして自分が歩むであろう、
いままで嫌悪していた平凡な将来への道。
それなりにたどってみれば楽しいんだけど(笑)
(思わぬ落とし穴もあるしね~、平凡こそ幻想よ)
まぁ、まだその道を歩いてない高校生たちにとって
息の詰まる現実なんですね。

この作品では弘範が典型的な存在でした。
彼は「優秀な少年」ではあったが、彼の望んでいたような
「特別な少年」ではなかった
自分で自覚しているあたり辛いだろうなぁ。。
しかも今の自分の状況を全て肯定している
みのりっていう女の子がすぐそばで存在している。
みのり無敵 (笑)
弘範たちが小理屈をこねて騒いでいるのが
理解できずに寂しい思いをしているけど
でも、それって小さい子供がだだをこねて
泣いているのを困ったようにみているお母さんみたい。
ラストはみんなが「跳び」に
いっているかもしれない状況で
みんなが帰ってくるのを待つと決心します。
みんなが負の方向?(現状否定の方向?)に向かう中
再び、 みのり無敵

私はこのラストは希望のあるラストだなって思いました。
みんながもしどんなに変わってしまっても
みのりは変わらない、信じて待ってる。
もしかして「跳んだ」進化の結果が
みのりなのかも知れませんね(一回跳んでるし)

今を肯定する力。等身大の自分を見つめられる強さ。
そんなものが得られるなら私も跳びたいな。

恩田さんはノスタルジーを引き起こさせるのが
本当に上手。
しましたしました!クリップをハート型に(笑)
他にも好きな子の名前を百回書くとか
変なおまじないなど。
閉鎖された空間だから
流行るのは熱病のごとく(笑)
それと噂に対する見解はお見事。
確かにセンセーショナルな噂ほど広まるのは早い。
人間は刺激を求めるから。
ここがこの作品の一番ホラーなとこでしたね。
人間の心が一番怖い。

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みのりが夢中になって読んでいたミステリー
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最終更新日  2021年08月20日 08時25分24秒
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