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こころの金メダル
発表内容
「こころを育てる学級経営」
約1時間30分の発表内容の一部です。この内容に、パワーポイントでプレゼン形式で進行していきます。
現代ほど「いのち」の大切さが重要視されている時代はないと思います。
そこで、学校生活の中で教師がすべきことを考えた時、教科の指導とともに、子どもの「こころ」の部分に迫っていくことが必要だと考えています。
今日は中学校在職中(1年生~3年生の学級担任の中で)に体験した、実例を出しながらお話をさせていただきます。
今日の内容がいいとか悪いとかではなくて、自分の普段の日常を振り返るきっかけにしていただければと思っています。
生徒の名前は全て仮名です。
私は以下の方針で学級経営をすすめています。
1 「生徒」と「生徒」、「生徒」と「教師」という認め合い
2 マイナス事象は必ずプラスに転じる
3 子どもの「こころ」に投げる
(1) 「生徒」と「生徒」、「生徒」と「教師」という認め合い
1 「生徒」と「生徒」 ~「横糸」をかける~
中学校1年生を担任していた時の話です。
入学式が終わった後のホームルームで、私は生徒たちに「今、一番考えてあげないといけないのは誰?」という質問を投げました。
私は、新入生の代表として、プレッシャーの中、立派に「誓いの言葉」を述べたAさんのこころの重さとやりとげた喜びを、みんなにわかってほしかったんです。
一生懸命にやった仲間を素直に認めるということ、「Aようやったなぁ」「えらかったなぁ」と言える集団になってほしいと思っています。
また、入学後2.3日すると、校内巡りがあります。
中学校の先生ならご存じだと思いますが、私はあれを意味のないものと思っていました。
無理矢理整列させられて、しゃべったりしたら怒られる。
それよりもグループを組んで、自主的にオリエンテーリング方式で回らせる「校内探検隊」に変えました。
そして、よくやっていた子を挙げさせて、お互いに評価をさせます。
考えてみて下さい。
入学すぐということで、どの子も心配なんです。
「うまくやっていけるか」「周りが自分をどのように見ているか」とかね。
その時に「お前、よくやってたで」というひと言は大きな自信になったと思うんです。
宿泊学習が終わった後も、体育祭の後も同じことを繰り返します。
「行事」というのは、「生徒の良いところを見つける宝庫」だと私は考えています。
また、生徒同士は、お互いを非常によく見ています。
それは、私たち教師の想像をはるかに超えるものです。
お互いの存在を認め合うことによって、生徒同士の「横糸」をかけていきます。
2 「生徒」と「教師」の認め合い ~「縦糸」をかける~
私は生徒1人1人に「私は、あなたという人間を心から認めている。
あなたは絶対にいてくれないと困る人間なのだ」ということを、いつも伝えたいと思っています。
特に、最初の出逢いの時に送るメッセージを大切にしたいと思っています。
私は入学式(始業式)に、生徒1人1人にメッセージを渡しています。
「あなたに会えるのを楽しみにしていたんだ」「クラスにいてくれてありがとう」とね。
これをカードに書き込んで、さりげなく生徒手帳に挟み込んで渡します。
1年生の時は、事前に小学校の先生に電話して聴きます。
生徒は、「この先生は自分のことを知ってくれている、そして評価してくれている」という印象を持ちます。
横を向いているかもしれない「こころの中の顔」をこちらに向けていくのです。
また、日常生活の中でも常に「縦糸」をかけるようにしています。
「あなたを見ているよ」というメッセージを通信にのせます。
例えば、テストの時に机を移動させるのに、こちらが何も言ってないのに休んでいた子の机を動かしてあげた子、
おはしを忘れて、割り箸をもらった時に、自然と「ありがとう」と言った子など。
普段「当たり前」と思っていることでも、評価してあげます。
行事の時も、34人35脚の時に「声かけ」してくれた子、水泳大会で、クラスのために何回も出てくれた子など、「いつも見てるよ」「よくやってくれてありがとう」というメッセージを常に投げかけています。
「自分のことをわかってくれている」「がんばりを見て、認めてくれる」と生徒が感じていなければ、教師がいくら叱ったり注意したりしても、こころには響かないと思います。
「いつも見てるよ」という信頼関係の中から、「私」と「生徒」との間に「縦糸」をかけていきます。
この「横糸」と「縦糸」のバランスのいい絡みが、クラスの中に柔らかい雰囲気を醸し出していきます。
(2) マイナス事象は必ずプラスに転じる
これは、前任校(中学校)の2年目にあった出来事です。
1年生を担任している時のことでした。
文化祭で使う版画を彫っている時に、2人が柱にキズをつけてしまったというところから、話がどんどんと展開していき、その間に、生徒のこころに、いくつもの投げかけができたというものです。
これを読んでおられる先生方も経験を持っておられると思うんですが、1年に何回かは、「この先どうなるのか、おもしろくておもしろくてたまらない」という時期があると思います。
私にとって、この「キズ事件」はまさにそういう瞬間でした。
担任冥利につきるといった出来事でした。
(3) 子どもの「こころ」に投げかける
私たちが、普段子どもに投げかけている言葉は、「生徒の頭の上をすべっているのではないか」と思っています。
子どもはおとなしく聞いているのかも知れないが、本当は、全然こころに入っていない。
もっと「こころ」を揺すってやらないといけないと思っています。
日常生活の中では、子どもに「あかんやろ」と言うだけではなくて、ちょっと考えさせるようにしています。
「怒って終わり」にならないようにしています。では、その例を1つ・・・。
ある日の終礼の時のことです。
学級通信がクシャクシャになって床に落ちているのを見つけました。
それを見て、みんなの前で「先生は悲しい」と言いました(私はできるだけ、悲しいとかうれしいとか情けないとかの気持ちを言葉で出すようにしています=Iメッセージ)
「このクラスニュースはな、先生が勝手に書いてるものやけども、でもみんなのためを思って一生懸命にやってるねん、別に読む・読まないは自由やけど、書いた人にわかるような場所に捨ててあるというのは、どういうことやろ?それはちょっとキツイんと違うか?」というような感じで話します。
それから、2年生のスキー合宿の時のことなんですが(今から3年前です)その年、インフルエンザが大流行しました。
その時、Bさんという子がインフルエンザにかかってしまいました。
お母さんから「どうしても行くって言ってきかないので説得して来てください」っていう電話がかかってきました。
家に行くと、40度の熱があるのに、カバンを抱きかかえて放さないんです。
「絶対に行くねん」って言って。保健の先生に説得してもらって、泣く泣くあきらめました。
その後、私たちはスキーへ出発しました。
宿舎で全体レクでゲームとかやったんですが、結果が悪くてくら~い雰囲気でした。
その後のクラスミーティングで、私はBの話をしました(ずいぶん迷ったんですが)
「実はBな、そんなんやったんや、みんなは、この場でスキーができるしご飯も食べれる、そのことをありがたいと思わんなあかんのとちがうかな」と。
その時、あの騒がしい連中がシーンと水をうったような静けさになりました。
Bの親友は、ミーティングが終わった後も泣いています。
「私、電話で、『なんやあんた、タイミング悪いなぁ』って言ってしもた」ってね。
女子のヤンチャな子らが後で私のところへやってきて「先生、お金出しおうて土産買ったで、帰ったら渡したってや」って。
こちらが何も言ってないのにです。
何らかの形で、生徒のこころの中にグッと入った瞬間だったのではないかと思いました。
学校に帰ってから、「普段の学校生活でも傷んでいる子がいるやろ。仲間ハズレの子、勉強が苦手な子、学校が面白くなくて荒れている子、その子らに対してもな、Bに対して持ってあげたのと同じ気持ちを持ってやれるか?」と投げかけました。
(この後、この時に出したメッセージプリントを画面に出す)
このように、できるだけ具体例を挙げながら話す。
生徒たちに食べさせる言葉を、できるだけ美味しく料理して食べさせる。
大人だって、人参を丸ごとはたべないでしょう。
料理をして、味付けをして食べさせなあかんと思います。
それをよく噛んで食べるかどうかは、普段の教師と生徒との人間関係だと思います。
最善の手をうって、最善の料理を子どもに食べさせる、それが我々の役割ではないかと考えています。
あと、自分がこだわっているのは、教室の「掲示物」です。
掲示物はすごく効果があります。
例えば、今日、私が何かを話したとしたら、明日、子どもらの頭の中に、そのことがもう一度甦ってほしいと思っています。
私は自分の話すことには自信を持っています。
ですから、そのことについての掲示物が前にはってあれば、子どもは必ずそれを見ます。
「あぁ、そう言えば、昨日、先生なんか言うとったな」と、その一瞬でいいんです。
その時のために掲示物を前にはります。
また、時がたって掲示物を見た時も、再再思考されると考えるからです。
先生方、掲示物って軽く見ていませんか?
それから、保護者への働きかけを、とても大切に考えています。
例えば、学級懇談会などでは、クラスのいいところも悪いところも全てさらけだします。
その上で、担任が目指しているもの、例えば「勉強を徹底的にやります」とか「クラスの人間関係づくりに努めます」とか、目指すものは何でもいいんです。それをきちっと言って、保護者の方に理解し、支援してもらいます。
「先生が前向きにやってくれてはる」と感じたら、必ず協力体制をとってくれます。
最後に、これからも、先生方と交流が持てたらという希望を持っています。
今後もつながっていきたいと思います。
よろしくお願いします。今日はご静聴いただき、ありがとうございました。
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