「愛の流刑地」◆◆日本経済新聞◆◆ 愛ルケ★不倫妻をもつ夫の悲しい日記

「愛の流刑地」◆◆日本経済新聞◆◆ 愛ルケ★不倫妻をもつ夫の悲しい日記

2005.09.02
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愛の流刑地~愛ルケ(渡辺淳一の失楽園に次ぐ、話題の小説!)日本経済新聞に連載
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  日本経済新聞の朝刊で、毎日連載している、「愛の流刑地」は、



  毎朝、満員の通勤電車の中で、「愛の流刑地」を読んでいますが、

  よく考えると、僕の家庭事情と、「愛の流刑地」の内容が、

  そっくりなのに、気づきました。これは、他人事ではない。

  不倫を楽しんでる人妻である冬香は、実は、僕の妻なのかもしれない。

  間違いないかも・・・・・

  助けてください! 助けてください!!

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 僕は、ゆっくりと、湯船に入り、すべてを洗い流したかった。

 でも、もう、許せない。

 妻の不倫は、寛大な僕の心の限度を越えている。

 不倫というものは、本当は純愛なんだと思う。

 不純な結婚を前提とした恋愛とは、格段に純粋だ。



 金持ちだの、高学歴だの、一流会社勤務だの、容姿端麗だの、

 玉の輿だのと、きりがないくらい、不純なことを並べたがる。

 でも、不倫で得るものは、ただ愛のみである。

 今ある、子供達との幸せな家庭生活も、夫婦で築いた財産も、

 すべて、一瞬に失うのである。

 何もかも、破壊しても、妻は、好きな相手ができたのだ。

 僕よりも、好きになってしまったのだ。

 悲しい、悲しすぎる。

 子供たちはどうなるのだ。

 ただの、犠牲者なのか。

 何も悪いことしていないのに・・・

 妻の不倫現場を見てから、僕は、覚悟はできている。

 離婚届には、印を押してある。

 後は、妻に署名・捺印をさせ、役所に出すだけだ。

 よしっ、今夜、夫婦の絆を試す、最後のチャンスを、妻に与えよう。

 僕は、決心して、勢いよく、風呂から出た。

 助けて下さい。勘弁してください。


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■不倫妻をもつ夫の悲しい日記(37)愛ルケ■

 子供たちも、夏休みになり、明日から、

 富山の実家に遊びに行くらしい。

 最近、子供たちも、身の回りのことは、自分でできるようになり、

 妻も、子供に手がかからなくなったようだ。

 自由な時間が増えた分、妻は、不倫をする時間も増えたのか?

 僕が、仕事から疲れて帰って、リビングでくつろいでいると、

 妻が、僕に明日の予定を、伝えに来た。

 明日、学生時代の友達が、上京して来て、外苑の花火大会に行きます。

 夜、遅くなりそうだし、子供たちは、富山の実家に遊びに行き、

 いないから、私も泊まってきますね。

 僕は、呆れた。

 よくも、そんな嘘をつけるな!

 言葉に出しかけたが、ぐっと堪えた。

 子供たちを、実家に帰して、堂々と、お泊りで、不倫なんて。

 本当に信じられない女だ。

 どうして、こうなってしまったのだろう。

 僕のどこが悪いのか?

 人並みに、仕事で稼ぎ、家族サービスもしてきた。

 夜の営みに、満足していないのか?

 僕のテクニックが下手なのか?

 不倫相手とやっているのに、僕とは拒むなんて、

 やっぱり、僕が、満足をさせてないのかも。

 でも、三人の子供もできたのに・・・

 ますます、自暴自棄になってきた。

 すごく悲しいよ。また、涙が出てきてしまう。

 助けて下さい。勘弁してください。


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■不倫妻をもつ夫の悲しい日記(36)愛ルケ■

 最近、妻の姿を見ただけで、ムカつく。

 浮気現場を見たことを、思い出すだけで、

 妻が早く、死んでしまえばいいのにと思ってしまう。

 でも、妻に保険を掛けているわけでもないし、

 僕には何の利益もない。

 ましてや、妻が死んでしまったら、

 僕が仕事中、三人の小学生の子供たちの世話を誰がするのか。

 一番の女の子は、益々かわいくなってきた。

 二人の、男の子も、わんぱくで、将来が楽しみだ。

 でも、子供たちが、母親が、父親以外の男と、

 遊んでいるなんて知ったら、どう思うのだろうか。

 きっと、不信感で一杯になり、グレるだろう。

 妻が、浮気をするなんて、百害あって一利なしなのである。

 やっぱり、生かさず殺さずで、見て見ぬふりをするのが、

 得策なのか。

 賢い妻は、夫が、浮気した時、荒立たせず、深く追求しないで、

 掌で転がして、主導権を取ると言うが、もっともである。

 世の中、不倫している妻たちは多いのかもしれない。

 そうか、ブームなんだ。流行っているんだ。

 僕は、自分を慰めながら、今日も、ふとんの中で、涙を浮かべていた。

 助けてください。勘弁してください。


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■不倫妻をもつ夫の悲しい日記(35)愛ルケ■

 雨の中、妻が不倫相手と、キスをしている現場を見た、

 リアルな映像が、脳裏を離れない。

 その度に、怒りもこみ上げてくる。

 まして最近の、妻の僕に対する、一段と冷ややかな態度に、

 苛立ちを感じる。

 梅雨が明けた、最初の日曜日の朝、富山の両親が、上京してきた。

 父は、心臓の病気があり、その検査に出てきて、翌日から、

 病院に通うことになるらしい。

 僕の新居を見たいらしく、突然、来たのである。

 妻は、そわそわして、つぶやいた。

 今日は、友達と会う約束があるのに困るわ。

 僕は、ピンときた。

 今日も、不倫相手と会う気なのか・・・

 両親が、わざわざ、富山から来たのだから、キャンセルしろ!

 僕は、怒鳴った。

 父たちが来て、子供たちも楽しそうだった。

 昼過ぎまでは、自宅でゆっくりした。

 子供たちと一緒に、夕食をするために、

 その後は、父たちが、泊まっている新宿のホテルへ行った。

 でも、妻は、夕方、急に体の調子が悪いと言い出し、

 自宅に、ひとりで、先に帰ってしまったのだ。

 最近は、妻の言動の、一つ一つのムカつく。

 今日は、父たちもいるので、

 何も言わず、無視して、妻を帰した。

 勘弁してください。助けてください。


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■不倫妻をもつ夫の悲しい日記(34)愛ルケ■

 新百合ヶ丘の駅から、自宅に向かって歩いている時、

 ふと、今日は、妻の不倫の行動を、尾行するために、

 会社を休んでいたことを、思い出した。

 まだ、3時頃なので、夕方まで、時間をつぶすため、

 駅前の喫茶店がある方へ戻ることにした。

 今日は、悪夢のような日だった。

 妻の不倫現場を、目の前で見てしまったのだが、

 これだけなのか?

 昔から、不倫ぐせがあって、何人の男と、関係を持ったのか?

 僕の子供たちは、本当に、僕の子なのか?

 妻への憎しみと、怒りが、湧き上がってきた。

 そうか、僕との、夜の営みを、拒んだのは、

 昼間から、僕のいない時に、遊びまわり、

 満ち足りていたからなんだ。

 僕は、セックスレスになった理由が、やっとわかった。

 妻を愛していたし、セックスレスになりたくなかったのに・・・

 でも、事実を知った以上、もう妻に、触れたくもない。

 不潔だ!病気でもうつされていたらどうするんだ!

 勘弁してください。助けて下さい。


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■不倫妻をもつ夫の悲しい日記(33)愛ルケ■

 僕は、千駄ヶ谷の駅へ走り、扉が閉まりそうな、電車に飛び乗った。

 すぐにでも、今、見た事実を、家に帰り、忘れたかった。

 とにかく、すべてを冷静に考える場所が欲しかったのだ。

 車窓を、呆然と見ている、僕の目には、涙が一杯になり、

 今にも、溢れんばかりだった。

 本当に、悲しすぎるよ。

 僕は、ひとりで、つぶやいた。

 心の裏側では、妻への憎しみも、込み上げてきた。

 妻が、不倫したのだから、僕も、不倫をして、仕返しをすればいい。

 でも、42歳の僕には、もう、不倫などする勇気も自信もない。

 妻は、やりたい放題なのに、情けない話だ。

 乗換の、新宿駅で、線路から、誰かが、ささやいているような気がした。

 「もう、生きている価値なんてないよね。」

 「妻に浮気されるなんて、男としても、サイテー!失格だね!」

 「人生をリセットして、楽になったらどう?」

 ホームの下へ、呼び寄せられ、飛び降りようとした。

 「バカヤロー!」

 電車の電子ホーンとともに、体格にいい青年が、僕の手を引いた。

 「おっさん、何を考えているんだい!」

 「死んでどうするんだ!」

 「残された子供の気持ちになれ!」

 大声で、怒鳴り散らす、青年は、僕の顔を、一発殴り、

 その場を、すぐに、去って行った。

 しばらくして、命拾いしたことに気づき、目が覚めた。

 あの青年に、感謝しながら、無性に、子供たちに会いたくなり、

 僕は、そのまま、自宅へ向かった。

 勘弁してください。助けてください。

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最終更新日  2005.11.27 15:39:21
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