2007.04.01
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カテゴリ: 我*写真



猫と桜.jpg



ねぇ、早く遊ぼうよ


・・・


ほら、あの淡いピンク色の花がポンポン音を立てるみたいに開いてるよ。
僕は身体が黒いから、ああいう淡い色、弱いんだ。
何だか気が焦るっていうか、何か、今大切な思い出を作りたい感じなんだよね。
だから。


・・・


昔さ、僕が小さい頃だけど。
ちょうど今みたいな季節にね、お花見に来ていた小さな女の子がいたんだ。


そん中に、僕の大好物の鰆の味噌焼きが入っててさ。

僕はサッとそれをかっさらったのさ。
ねぇ、聞いてる?


・・・あぅ


それで、僕は逃げようとしたんだけど、あわててたもんで。
桜の根っこにひっかかちゃって・・。コロンよ。

そしたらさ、女の子が近づいてくるもんで「ああ、ぶたれる~」って思ったのよ。
ところがさ、その女の子、どうしたと思う?


・・・


その子は僕に近づいてこう言ったんだ。

「あたしが無駄にしてしまったお魚を、無駄にしないでくれてありがとう」って。



それで、その子は小さな手で僕をなでなでしてくれたんだけど。
その時にね、ぷーんって石鹸のにおいがしたの。
あれ、いいにおいだね。石鹸。

そのいいにおいと、あの子がなでてくれた感触が忘れられなくってね。

ああ、話が長くなったね。

そういういいことが待ってそうな気がしちゃうんだよね。

だから。早く遊びに行こうよ。ねぇ、早く、早く。


・・・

・・・

・・・ZZZZZZ


何だよ寝てんのか。ったくしょーがねーなぁ。

ん? 花見とは、桜の下で食べたり寝たりすることだって?

そういや、あの子の父さんも酒飲んで寝てたなぁ。
ちょうどキミみたいな格好して。









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Last updated  2007.04.01 23:12:24
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