キトキト日報

Calendar

建て替え

(20)

Comments

アンシャンテ@ Re:差し入れモノ(11/23) はじめまして能にお詳しく興味深く拝見…

うっちゃん1020 @ Re[1]:10月日記出雲大社(結果的に)弾丸ツアー　出雲編(10/23) ＞武田さんホントはもっとゆっくり回…

武田@ Re:10月日記出雲大社(結果的に)弾丸ツアー　出雲編(10/23) 凄い　行動力！テレビで「弾丸トラベラ…

うっちゃん1020 @ Re:(￣０￣;アッ(10/06) ＞naosamaさんオンタイムの時にちゃん…

naosama@ (￣０￣;アッかぶってるぅ～(>o<")

10月日記　｢清経｣｢石橋｣＠藤田六郎兵衛舞台50周年記念公演

カテゴリ：能狂言

豪華すぎる面々が御出演のためチケットもえらく高ければ、売ったら売ったで
即完売という公演。

ところが２週間ほど前にＧＢ席ではありますが半額でチケットが手に入りまして。
ラッキー♪
やはりこれはきっと神様が、誕生日に「石橋」で寿がれなさいという思し召し。

会社を終業ベルと同時に飛び出し、副都心線の便利さに感謝しつつ国立能楽堂へ。

一管｢中之舞｣は藤田六郎兵衛先生。
能｢清経｣は恋之音取の小書付きで、おシテは観世清和先生。

狂言｢越後聟｣は野村万作家。
半能｢石橋｣は大獅子の小書付きで、白獅子が大槻文蔵先生、赤獅子が観世銕之丞先生・
片山清司先生・観世喜正先生。

シテ方も囃子方も、今日ここで爆弾落ちたら能楽界の８割ぐらいの機能が停止するなー、
というくらい豪華な面々です。

まずは六郎兵衛先生の一管。

六郎兵衛先生の笛がまだ掴めない。
技巧的というならば、竹市先生や幸弘先生がいるし、
叙情的というならば、仙幸先生や松田先生がいるし、
実直的というならば、庸二先生や隆之先生がいるし。

上の6人の先生だったら、笛の音を聞けばだいたいどなたかが分かる

六郎兵衛先生の笛の音は、多分、分からない。

おそらく技巧的であり叙情的であるとても正確なお笛なんだろうと思う。
少し前の清和先生のお舞台に心を動かされなかったのとおんなじ理由なんだろうか？

次は「清経」で恋之音取。

これがまたホントに良かった。

ＧＢ席だったので、音取のときの橋掛りの立ち回りがよく見えました。

幕から出た瞬間から美しかった。
まるで蛍火のような風情。

音取の止まったときのあの”間”。
むしろ止まったときのほうが、動いているような。
動いているときのほうが、現実世界は止まってしまっているような。
お舞台の上の世界が完全に清和先生が掌握されてしまっているのを感じました。

六郎兵衛先生の音取りは、２度目。
音取はいつでもことごとく睡魔に襲われてしまうのですが、なぜか六郎兵衛先生のときは
眠くならない。
なんでだろ。

三間四方に入ってからは、なんだかシテと地頭の戦いみたいな感じ。
清和先生と玄祥先生の火花散る対決、みたいな。

キリの仕舞のところの、清和先生が刀を掴みに行く手が、これまた美しかったなー。
｢研ぎ澄まされた｣的な美しさを増されたような気がしました。

仕舞は九郎右衛門先生の遊行柳と玄祥先生の船弁慶でしたが、
この船弁慶がスゴかった。

なんだろ、お能のときよりも情景がはるかに簡単に眼に浮かんでくる。
「降三世～」のときには、みるみるうちに知盛である玄祥先生の周りに
張られる結界がホントに見えるようだったし、
船から落ちる場でも、ホントに船と海が見えた気がした。

通常は仕舞のときの謡はあんまり頭に入ってこないんだけど、
ばんばん耳に聞こえてくるし、それがそのまま情景となって立ち上ってくる。

ワキや子方や狂言方もいらないんだ。
玄祥先生一人で”場”が作れちゃうんだ。
すごいー。

狂言「越後聟」はもちろん初見。
復曲狂言のようですが、かなり省略されたのでしょうか？
万作先生の勾当の役も、あの役がなぜ要るのか理由がいまいちわからなかった。
あまり意味は持たせずに、狂言獅子の部分を観るのがあくまでも主題な内容に。

狂言獅子の舞はすごいアクロバティック。
逆立ち横転飛び込みアリ。
祥人先生にやって欲しいなー(笑)

最後は「石橋」。
はい、もうこれは言うことありませんわ。
ふさふさめっちゃらぶりー♪
かわいーかわいー。
赤獅子みんな個性的。
銕之丞先生は、まるっとしてて可愛いし、清司先生は品のいいちょっと気弱な獅子で、
喜正先生は大柄で華やか。
白獅子の文蔵先生は、御身が小柄ながらも貫禄ですね。

眼をキトキトさせて、ホントに誕生日を寿いでもらってるような気分で拝見しました。
いやー、いいもん見せてもらいましたわ。
眼福。

終了後は「猪八戒」にて空芯菜の炒め物の雪辱戦。

その後ろうそく屋にうかがいまして、嬉しいサプライズいただきました。
ありがとー♪ありがとー♪

危うくパイ投げ状態に、ケーキに顔を突っ込まされるとこでした。
(鼻先だけでぎりぎりセーフ。)

そして、レーニン君に下の名前も覚えていただいていたこともちょっと嬉しかったですな(笑)

無事に一年生きながらえたなぁ、と。
病気との関係に、ひと区切りつけられたのかなーと思いました。