Kohnosu Golfer's Club

Kohnosu Golfer's Club

PR

×

Keyword Search

▼キーワード検索

Profile

Kohnosu Golfer's Club

Kohnosu Golfer's Club

Calendar

Comments

http://buycialisky.com/@ Re:メンバーの現世御利益(06/23) what's more expensive cialis or vi…
http://cialisb.com/@ Re:メンバーの現世御利益(06/23) cialis and eye paincialis pills without…
380comp@ Re:売り払うか!獲得ドライバー(01/07) 4年前に練習場の知り合いから新品でこのド…
Kohnosu Golfer’s Club @ Re[1]:セントアンドリュースのボールマーク(07/30) めぐ(^0^)vさん!こんにちは。 ボール…
めぐ(^0^)v @ Re:セントアンドリュースのボールマーク(07/30) こんにちは。 私は日本の「ニューセント…

Freepage List

2011.05.22
XML


「華蘇芳」
清水 明


16.朝もやの中

ぬくもりと冷たさを感じながら三郎は脳髄の幾くばかりかが彼の状況を推し量っている事を感じていた。
傍らにはその表情さえ見えぬが久子が体を横たえている事が知られた。
抜け出した三郎が手探りで向かった洗面台の左手には数時間前浸かった湯船があった。
蓋のされていない湯船の水面が揺れている様に感じられた。
その揺れは三郎の心であり、久子の思いでもあるかも知れない。
かすかな都会の喧騒の中で、もつれる様にして三郎は久子の部屋を訪れていた。
洗面台の横の便器におう吐した久子は、黄色の吐き物をして苦しげな息を吐いた後、生気を取り戻した様に窺えた。
言葉もないままにシーツの上に倒れこんだ。
三郎の両腕に久子を抱えた感触が残っていた。
静まって後、久子の注ぐビールの喉を通った感触が小気味よかった。
口うつしの酒が戻された時、再びふたりはひとつになり、しばらくの時を経て夢見の中に耽溺して行った。
肝心な一言さえもないままの交合であった。

三郎はカーテンの端に外のわずかな明かりを感じていた。
床の女は静かな寝息を立てていた。
手を滑らすと温かでなめらかな肢体があった。
衣をまとわぬまま男はビールを小さなテーブルに置き、夏掛けに覆われた女を眺めていた。
ビールの喉越しが男を覚醒させていた。

動けぬままに、カーテン越しの窓のガラスが明るくならない内にこの場を立ち去るべきか、働かぬままの頭で感じていた。
ビールの傍らに切られたチーズがあった。食べかけのクラッカーもようやく見分けられた。
クラッカーの発する音に驚きながら女を見やると、寝息は聞かれず、掛けものがわずかに膨らみ縮む様が見て取れた。
女が吐息をすると伸びをする様が見られた。
夢の中で女は何かを成し遂げた様に、何かを誇示するかのようだった。
ビールは飲み干され、ホップのほろ苦い香が三郎の鼻孔をくすぐった。







お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2011.05.22 20:30:29
コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: