こともあろうに、今日の同席者は後輩S君だった。ブラインドに透く明るい店内に、非常に不釣り合いな空間ができあがる。心なしか、きれいな女性店員さんの口元がゆがんでいる。イタリアンレストランで、「ラーメンセット2つ!」とオーダーしそうな輩である。無理もない。楽しいランチを台無しにしてしまいそうな空気さえ漂っている。
美しい料理を、野郎2人がガチャガチャと食べる。「これ、結構いけますわ」と、それぞれの料理をつつきあう。後ろにいる女性客の視線は、パスタと違って温かくない。こういう店は、野郎同士で来るところではないのだ。女性同伴で成立するのが、イタリアンレストランの空間であることを痛感する。

そんな中で僕が注文したシーフードとシメジのスパゲティ。パスタの上のシジミやムール貝が、ポカンと口を開けている。料理にまで、あきれ顔された僕らであった。