いろいろあっても今日もいい一日!

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脳脊髄液減少症 闘病記 1



いくら30代でまだ若い?とはいえ、半年もほとんど外出せず寝ている時間が多いと、体力も落ちてこんな風になるのかな。退院したらすこしずつ動けるようにリハビリしなきゃ。と思っていました。

11月6日、めでたく退院することができ、しばらく実家で療養することになりました。

「それにしても、ほんのちょっと動いただけで、どうしてこんなにしんどいの?」という気持ちと、「半年も入院していたのだから、半年ほどかけてゆっくり元のとおりに動けるようになってください。」との主治医の言葉が頭のなかで交錯し、「まだこれだけしか動けないけど、仕方ないんだ」と、自分に言い聞かせていました。

しかし具合は悪くなる一方。

朝起きて30分ほどで吐き気にめまい。無理をすると、2日ほど寝込む。頭がたまらなく重い。明るい日射しにあたるだけで吐きそうになり、テレビの音が頭に突き刺さる。子供の声が響いて苦しい。目が、見えにくい。
私、どうなっちゃったんだろう。

月1回、検査のために行く主治医に訴えても「様子を見ましょう」との事。
1月、とうとう胸まで苦しくなってきた。お風呂に入るとゼイゼイ言って、呼吸が落ち着くまで30分ほどかかる。

もう一度、病院でくわしく見てもらおう。

そう思った私は、主治医は様子を見てとしか言わないからと思い、わざと違う担当医の日の外来に行き、自分の症状を必死で伝えました。その場に座って話すだけで必死でした。

しかし、その医師(主治医の上司)からでた言葉は、こうでした。

「それは、病気の症状ではありません。毎月の採血のデータも正常だし、何も問題ない。」
「せっかく病気(白血病)が治って・・体が治ったのに、気分が滅入ってるんちがうか」
「頭が痛い?何ならMRI撮るか?とっても害にはならへんし。でも撮っても、90%、どうもないと思うけど!」とまでいわれ、
「プロの医師からみて9割どうもないとまで言い切られるような検査だったら、受けません!」と、言い返してしまった・・・

「じゃあもういいです。とにかくこれだけ辛いから来たんです。なにか少しでも症状の治まる薬をもらえませんか。」というと、
「病気でもない人に出す薬はない。」とのこと。もう話しても無駄だと思い、「じゃあいいです。起きていると耐えられない位辛いので、睡眠薬で寝てにげますんで、睡眠薬下さい」というと、今度は
「ほ~ら、やっぱり。やっぱり、気が滅入ってるんや。」と言われ。。

うつと間違われている。違うはずなのに。診察室を出て、涙が止まらなかった。

その後も病院巡りは続きました

抗がん剤治療の副作用で、更年期様症状になったのではと思い、産婦人科へ。
「なみさんの場合は、大変な病気をされたから・・きっと、複合的な要素が絡んで、そんな症状が出てるんじゃあ・・」と言われ、漢方薬を処方される。検査をしても、更年期症状がでるようなホルモン数値ではなく、正常だった。

脳神経外科にも行った。
「MRIを撮っても正常です。ご入院が長かったから、いろんな状況が変わって、複合的な要素が絡んでそんな症状が・・・」
複合的な要素って、何?

とうとう、2月の末には朝の30分位以外は立てなくなってしまう。

頭痛、頭重、ゆううつ感、首痛、背部痛、聴覚過敏、光過敏、眼もぼやけて、コンタクトレンズをしても視力が出ず(複視)、困り果てた。一日中めまいと吐き気がするし(抗がん剤の吐き気よりきつい~)、ろれつもまわらない。携帯とって、と頼みたいのに、「ケ、ケ」しか言葉が出ず。何を言いたいか、画像は出てくるのに、言葉が出ない。頭の中と目の前が、霧で覆われたように曇っている(霧視)

そんな中、ひょんなことがきっかけで、自宅に見舞いがてら遊びに来てくれた友人から、ある脳外科の先生の話を聞いた。

「私、年末たいへんやってん~ぜんぜん起き上がれないくらい頭が痛くなって。どこの病院に行ってもわからないとかうつ病と言われて。で、やっと最近、低髄液圧症候群、とかいう最近わかってきた病気とわかって。」
「なみちゃんも、もし頭も痛くて困ってるんだったら、この病院一度行ってみたら。すごいいい先生よ!」

「また、気が滅入ってると言われたら・・」と少々医者恐怖症になっていたのですが、このままでは耐えられないと思い、オットに会社を休んで運転してもらい、病院まで1時間かけて行きました。車で横になっていて、ちょっと車ががたんと揺れるだけで、たまらない痛みが走ります。

なんとか病院にたどり着き、医師に今までのいきさつをすべて話しました。
にっこりと笑った、優しそうなその医師は、言いました。

「今、そうやって座っていてどうですか。」
「こんなこと言うのも変ですが、今かなり頑張って座ってるんです・・」
「頑張らなくっていいよ。寝たほうが、いいんですよ。ここに横になって。で、話しましょ。」と、またにっこり笑ってくれました。

「大変な病気をされたんですね。よく頑張られたんでしょう。それから・・
今のあなたの病名は、多分、7割がた当たってると思いますが、【特発性低髄液圧症候群】・・(最近わかってきた病気で、総称して【脳脊髄液減少症】という病名が提唱されている)です。今からテストをしてみますね。これは、ただの水です。」
と言って、その水(生理食塩水)の点滴を始めました。

すると、10分、20分と経つごとに、さっきまでの狂いそうな痛みが取れていき、視力がはっきり見え、吐き気がおさまり・・・ウソのように楽に。

「どうですか。」
「全部の痛みがゆっくり取れてきました!眼も、よくみえてきました!」
「そうですか。よかったです。じゃあ、これからはできるだけ横になって、走ったりしないで。そろそろ歩いてね。そして、水をたくさん飲んでください、1日2リットルは飲んでね。」

「だいぶん悪いみたいだから、検査治療してくれる病院を紹介しますね。熱海と関西とどっちがいい??」
「え?熱海?旅行だったら熱海がいいけど・・・子供もいるし。」
「じゃあ、関西の病院にするか。若いけど、いい先生だと思いますよ。」
と言って、すぐにその先生に電話をしてくれたのです。

「かなり悪いみたいだから早く見てあげて。」と話してくださり、翌週にはその病院の診察を受けることができました。

車で待っていたオットも呼んでくるよう言われ、くわしく病気について説明してくれました。「奥様はこんな状態ですから、どうぞ奥の院でゆっくりさせてあげて下さいな。」オットも、ほっとしたように、笑っていました。
私たちは本当にやっとここ数ヶ月の、病名のわからない苦しみが楽になった気がしました。
(実は、これからはじまる治療こそが一筋縄ではいかず大変なものだと後になってわかるのですが・・)

後で、この先生に紹介してもらった病院のホームページを見て、あまりにこの病気の患者さんが多いため、患者を受け付けてない状態であることを知りました。

また、この病気は最近になってやっとわかってきたもので、医師でも知らない人がほとんどらしく、専門の脳外科医でも知らない、または画像を撮っても診断、治療できない医師も多いそうです。

だから、病院巡りをしてもなかなかわからなかったのだと知りました。

通称「痛みのデパート」と呼ばれるこの病気にかかっていながら病名がつかないという、悲しみ苦しみがまだ続いている人が多いと知り、早く世の中や医師の間で理解されるようになれば・・と強く感じます。

私も、我ながらしつこいと思いますが、苦しくてどうしようもない時に、上に書いたようなきついことを言った医師のことを、いまだに思い出します。

せめて、こういう病気もあるのだとわかったうえで、慎重かつ的確に問診し、
患者の訴えにきちんと耳を傾けてほしいと思います。

私は、病名を告げてくれた医師にもし出会えなければ、あまりの症状の苦しさに耐え切れず、もしかしたら家族を悲しませるような行動に走っていたかもしれないと、思っています。

この医師のことを偶然にも教えてくれたママ友達、そして病名を知らせ、適切な処置をしてくださった医師に、心から感謝しています。








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