こっぱんの日記

こっぱんの日記

2005.04.23
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カテゴリ: 美術・博物・展示
今日は、神戸の兵庫県立美術館で開催されている「ドレスデン国立美術館展」を見に行った。

ドレスデンは、ドイツの東部にあるザクセン州の州都で人口50万人の町。戦前は、美術・音楽・工業の発達したドイツで最も美しい町であったが、1945年2月の空襲で町は破壊され人口の1割を失う被害を受けた。戦後は、旧東ドイツとなり町も復興しつつあったが、1987年の統一後、急速に復旧・整備が進められたそうだ。ドレスデンには、絵画館・博物館・陶磁器館・数学物理サロンなど12の美術館があり、今回の展覧会は、そこから200点が展示されるもの。




土曜日のためか、人出はかなり多かった。展示は7部に分かれている。呼び物は、フェルメールやレンブラントの絵であったが、入ったとたん、第1部の入口に置かれた巨大凹面鏡に驚かされた。

実は、第1章は、美術収集室の紹介であるが、王のコレクションは広範囲で、美術以外にも科学機器や道具類にも亘っていたのだ。集光鏡、四分儀、天球儀、地球儀、日時計、望遠鏡、人形時計、人体解剖図、立体工芸品など実用品兼芸術品といえるような品々が展示されていた。

第2章は、オスマントルコとの関連。ここでは、16世紀に、トルコの影響を受けた美術品が展示されていた。短刀、剣、鎧、メダル、水差し、天幕、陶器人形、馬装具、騎馬行列の絵など。

第3章は、イタリア芸術への憧憬。ザクセンの王は、イタリア芸術に憧れ、絵を購入したり芸術家をドレスデンに招聘したりした。ヴェネツィア絵画を確立したティツィアーノ、カプリッチョ、マルコ・リッチ、カナレット、ベロットなどの絵が展示されていた。ティツィアーノの「白いドレスの女性」は見事。他は風景画が多いが概して暗い感じがする。しかし、ベロットの描くドレスデンの風景は大作であるが、明るくかつ細密である。他に、王がミラノのメテリーノに作らせた龍型装飾水晶杯は、水晶加工芸術の粋とも言えるものであったし、フィレンツェのラヴォーリに作らせた貴石モザイク装飾箱も見事なものであった。

第4章は、フランスとの関連。18世紀、フランスがルイ14世の時代、ヴェルサイユ宮殿文化がドレスデンにも取り入れられた。この時代の王はアウグスト強王。展示物の圧巻は、強王のダイアモンドコレクション。こんなに大きいダイアをこんなにたくさん1度に見たのは初めてである。勲章、剣の柄、肩章、ボタン、留め具など12点。視線を変えるとそれぞれの輝きががいろいろな色に変わる。現代のような高級なカット技術がなかった頃の作品(ローズカット)がこれなので、今の技術でカットするとどんなに素晴らしい輝きになることか。大きいものは3万カラット以上。数百のダイアが使われている。
他の展示物は、飾り鞍、礼服、数々のメダル、台座、銃・ピストル、騎馬像、彫刻、絵画、豪華本など。豪華本は、ヴェルサイユの迷宮、ルイ14世伝、ルイ15世戴冠式、図案集、植物史、数学論など。

第5章は、マイセン磁器と東アジア。すなわち、中国・日本の磁器をを真似たマイセン磁器の発展。展示はよくあるパターンであるが、中国または日本(有田)の焼物とマイセンの焼物を並べたもの。水瓶、杯、急須、碗、文瓶、皿、人形、蛙など10数組が対比されていた。中には、殆ど変わらずどちらがマイセンか分からないものもある。皿などはマイセンの方が白がきれいである。ちなみにマイセンはドレスデンの近くの町である。この頃特許権法や著作権法があればたちまち権利侵害として国際問題となっていたことであろう。焼物だけでなく、漆器や家具(椅子、時計、長持など)の意匠なども真似されたものがある。しかし、日本や中国の技術や芸術がヨーロッパより進んでいたということが認められたことは結構なことである。


ここには、その他、ブリンク、バッケル、ダウ、コーニンク、ポールテル、ブラーメル、エークハウト、デンナ、ディートリヒなどのオランダ絵画が展示されていたあと、次の部屋に待望の1枚、フェルメールの「窓辺で手紙を読む少女」の絵が展示されていた。光を巧みに表現した技巧には感心させられる。部屋に1点だけなのでゆっくり見ることができ3分くらい眺めていた。

最後の第7章は、ドイツのロマン主義絵画の傑作。先駆けは17世紀の風景画家ロイスダール。その他、ティーレ、ツィンク、クレンゲル、フリートリヒ、カールス、エーメ、ダール、ギレ、ハインリヒ、リヒター、ルンゲなどの風景画が展示されていた。油絵というのは、平面画ではなく立体画だということが良く分かった。波や木の枝など、絵の具が盛りあがっているので、目を動かすとを波や枝が動くのである。

最後に、ドレスデンの町の歴史と12の美術館群の紹介ビデオ(現地作成)を映していた。ドイツの一つの町であるが、芸術的に日本の京都に匹敵する町であると思った。この町を空爆した戦争が憎く思えた。

コレクション展では 安井仲治の写真、常設展では小磯良平、金山平三の作品を見た。鈴木清二の「雲と牛」の絵もあった。赤くどぎつい雲と堂々とした牛の姿の対比は雄大さを感じさせる絵である。

この展覧会は、5月22日まで兵庫県立美術館で開催後、6月28日から東京の国立西洋美術館で開催される予定。

展覧会の詳しい情報は、下記、日経新聞のHPで見られる。
http://www.dresden-ex.jp/





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Last updated  2005.04.24 18:58:35
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