Navi!職場の労働問題

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解雇(勤務態度不良)Q&A



 A:使用者は労働者を解雇する場合は解雇の有効・無効を問わず30日前の予告が必要であり、予告をしない場合は労働基準法20条により使用者は労働者に対して解雇予告手当の支払い義務が生じます。解雇の有効・無効の判断は労働基準法18条の2より判断され、即日解雇となると解雇理由が就業規則の懲戒解雇に該当するようなものでないとできません。懲戒解雇は懲戒処分として行われる解雇であり懲戒処分の中で最も重いもので、かつ、多くの会社では退職金の不支給や減額などが行われ労働者に対しての不利益の度合いが大きいものであるため、一般的に解雇理由が今までの功績を無にするような悪質なものである必要があります。

 今回のご質問の遅刻、欠勤が多いのみでは懲戒解雇とはなかなか認められません。そしてこのような勤務態度不良の労働者に対しては、いきなり解雇ではなく解雇にたどりつくまで下記のような、いくつかのプロセスが必要になります。

(1)就業規則の定めがあるか?
あらかじめ就業規則において懲戒の種別及び事由を定めておかなければなりません。
(2)会社に対してどのような損害を与えたか?
与えられた仕事ができなかった、客先との約束の時間に間に合わなかった、
会社の風紀が乱れた等、できるだけ書面に残しておく方がよいでしょう。
(3)訓告、譴責等を経てなされたものか?

 まずは、
(ア) 口頭による注意・指導
(イ) 書面による指導
(ウ) 就業規則に添った制裁
(エ) 解雇

 というように労働者本人の自覚を促し改善のチャンスを与えることが必要です。そして、指導した記録は書面に残しておく方がよいでしょう。使用者は労働者に対して努力や改善を促したか、注意や指導がなされていたか、黙認されていた状態でなかったかをもう一度考えてみる必要があります。

 また、こういった状況を黙認したままだと労働者本人の問題だけでなく周りの従業員の士気にも影響します。使用者はこういう「問題社員」とは距離を置いてしまいがちですが日ごろからコミュニケーションをとり、労働者に対して小さなことでも注意ができるような職場環境つくりも大切です。

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