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では、食欲を抑制するサノレックス以外に肥満治療薬はないのか?
結論は、現在まだ研究中ということである。今すでにある、脂肪や糖の腸管吸収をおさえる薬や、利尿剤はどのくらいの実力があるのか?新たに発見されてきているの脳内ホルモンや消化管ホルモンの研究が壁をのりこえるかもしれない?いずれにせよ、「今はまだ待つ必要がある」。
あまり、聞く機会のないだろう研究領域をひとつ紹介する。それは、がんの末期の低栄養状態に関する研究が肥満治療の研究にもたらす可能性だ。がんの末期には、たとえ栄養を与えても体重が減少するような時期がある。それは、がん細胞が体にいくべき栄養を横取りするから、という説明もなりたつかもしれない。しかし、それとは独立して近年、「脂肪融解因子」「筋肉減少因子」と思われる物質が同定・報告されている。おかしな話だが、低栄養の研究が肥満治療につながるかもしれない。
それにしても、先進国での飢餓は、病院内部に閉じ込められてしまい一般でみることはほとんどなくなっている。医療人の間では、NST(栄養管理チーム)といえば、低栄養状態の患者のサポートを意味するが、NSTのイメージは病院の外では違和感をもって迎えられる。そこには、病院内とはまったく反対の、そしてもっと膨大な数の過栄養状態というものがあるからだ
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