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げんごろう
月刊『言語』のメールマガジン
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第12号(2004.2.15)
■□■□===========================■□■
皆さん、こんにちは! 新しく登録して下さった方、ありがとうございます。「げんごろう」第12号をお届けします。
《目次》
[01]今月号の内容紹介
[02]次号予告
[03]どこよりも早い次々号予告
[04]リレー・エッセイ「私が言語学者になったワケ」その3
[05]国立国語研究所第11回国際シンポジウムのおしらせ
[06]メルマガオリジナル・亀井肇の「おまけの流行語」その7
[07]編集部発・ここだけの話…
■□[01]今月号の内容紹介□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
月刊『言語』2004年3月号(定価920円)
【特集】カウンセリングのことば
──心理臨床における言語の役割----------------
21世紀は心の時代と言われる。現代社会では、大人も子どもも精神的不安、心理的ストレスが増加し、それを「癒す」ことの必要性が叫ばれて、カウンセリングも話題にのぼることが多い。そこで、本特集では、カウンセリングや心理治療一般のなかの「ことば」に着目し、言語が心の治癒、心理臨床において、どんな役割を担うものなのかを探る。
○時代が求めたカウンセリング──誕生から現在まで(玉瀬耕治)
○心理臨床における言語行為(平井正三)
○カウンセラーに求められる「聞く力」(岡 昌之)
○話すという行為──クライエントにことばを届ける(森岡正芳)
○子ども臨床と言語──心と言葉がつながらない子どもたち(玉井邦夫)
○書き言葉によるカウンセリング──メールカウンセリングは心理臨床か?
(高石浩一)
○カウンセリングと現代(斎藤 環)
○サリヴァンの面接言語論とその背景を成すもの(加藤 澄)
【巻頭エッセイ】---------------------------
○『ロード・オブ・ザ・リング』エルフ語監修者の「密やかなる悪徳」
(伊藤 盡〈中世英国・北欧文献学〉)
○発声欲(渡邊雄介〈耳鼻咽喉科・音声外科〉)
○悪女のレトリック(堀江珠喜〈比較文学〉)
【連載】-------------------------------
○新しい音声学入門《3》(牧野武彦)
○知覚の認知脳科学《3》(柏野牧夫)
○イスラームのことば《3》(小杉 泰)
○江戸の呼び売り《3》(太田 博)
○あの日、インタビューで《3》(枡野浩一)
○adワード・ウォッチング《3》(岩永嘉弘)
○斎藤美奈子のピンポンダッシュ《15》(斎藤美奈子)
○亀井肇の新語・世相語・流行語《36》(亀井 肇)
○チャレンジコーナー(柿木重宜)
【リレー連載】----------------------------
○言語学 オン ザ WEB《3》(岡本順治)
○ことばというパスポート《39》フィリピノ語(高畑 幸)
【特別記事】-----------------------------
○中世アイルランドの言語と文学《下》(平島直一郎)
○【投稿】あかんべ~(ナイジェル・ワード)
○〈日本言語学会第127回大会〉報告(風間伸次郎)
○〈日本語文法学会第4回大会〉報告(安達太郎)
【口絵】-------------------------------
○サバンナ“いのち”の情景《3》(井上冬彦)
☆『言語』第32巻総目録(2003年1月号~12月号)
■□[02]次号予告□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
2004年4月号
【特集】文法化とはなにか
☆--→詳しい記事と執筆者は発売中の3月号をご覧ください。
■□[03]どこよりも早い次々号予告□■□■□■□■□■□■□■□■□■
2004年5月号
【特集】世界の〈民族問題〉
世界各地におけるマイノリティ、エスニシティ、宗教対立、言語戦争などの諸問題を、歴史的背景を探りつつ、具体的事例に即して検討し、あわせて解決の可能性についても考える。
【主な執筆予定者】今井昭夫、二木博史、粟屋利江、砂野幸稔、新井政美、井上研二、和田春樹、安村直己
■□[04]リレー・エッセイ「私が言語学者になったワケ」その3■□■□■□
☆現在ことばを専門に研究されている先生に、なぜその道を歩むことになったのかを語っていただくこのコーナー。第3回は、本誌1月号より「新しい音声学入門」を連載中の牧野武彦先生です。牧野先生が音声に興味をもつようになったきっかけとは・・・?
+ + + + + + +
大学に入る時点では、私は言語研究者(自分を“言語学者”と呼ぶのには抵抗がある)になる気はさらさらなかった。アメリカ地域研究がしたかった。もっと卑近にいえば、アメリカのことが知りたかった。
中学2年の夏休み、私はラボ教育センターの国際交流プログラムでアメリ
カ・カンザス州にホームステイした。どこまでも平らに広がる大地と空、気だるさを覚えるほどの、のんびりした時間の流れ…。それ以来、私はアメリカの虜になった。毎日のように、アメリカで買ってきた道路地図を眺めた。
しかし、大学に入ってしばらくして、私は、自分がアメリカ地域研究をやりたいと思っていたのはお題目に過ぎなかったことに気づいた。アメリカのことを知りたいのは確かだ、でも、研究は別だ。そもそも準備不足だったのだ。高校まで、力を入れて勉強したのは英語だけだったのだから。「社会的」なことを扱う方が高級だ、といった頭でっかちな考えがあっただけだった。
そんなことを考えていた頃、出張で上京してきた父から「1年やるからアメ
リカに留学しに行ったらどうだ」と持ちかけられた。恐らく、父にも私が迷走している様子が分かったのだろう。そこで私は考えた。語学留学では仕方がない、何か内容のあることを勉強しなければ。自分は一体、何をやるのがいいのだろう。
私は英語の発音にはこだわりがあった。ホームステイで聞いたあの音を自分も身につけたい。でも、耳で聞いたものを再現しようとしても、どうやったらいいのかよく分からない、とずっと思い続けていたのだ。ちょうどその頃受けた音声学の授業は、そうした謎を次々と解いてくれるものだった。また、私はどちらかというと英語は理詰めで読み解こうとする方だった。
そうか!自分は、アメリカが好きなのは確かだが、研究対象として好きなのはむしろコトバだったんだ。それならアメリカでは言語学をやろう。そう思い定め、大学4年の夏、私はアメリカへ旅立った。
★牧野武彦(まきの たけひこ)……中央大学経済学部助教授。1965年京都市生
まれ。1歳から高校卒業までは新潟市で過ごす。東京外国語大学英米語学科卒
業。米国カンザス大学留学。東京外国語大学大学院修士課程修了。共立女子短期大学専任講師を経て現職。訳書に『音声学概説』(共訳)、著書に『大人の英語発音講座』(共著)、辞書執筆に『ルミナス英和辞典』『新英和大辞典』など。
英語音声学の普及を目指し、Webサイト「英語音声学のページ」
http://www005.upp.so-net.ne.jp/takeh_m/ を運営している。
■□[05]国立国語研究所第11回国際シンポジウムのおしらせ■□■□■□■□
3月21日(日)~24日(水)に、国立国語研究所主催のシンポジウムが開催されます。テーマは『世界の〈外来語〉の諸相――言語の標準化・活性化を目指す言語政策の多様性』です。〈外来語〉の持つ「新しい事柄や概念を生き生きと描写し言葉を活性化する」面と、「伝えたかった意味を分かりにくくする」面の両方について、各国の研究者・言語政策担当者を招き、それぞれの言語社会を例に検討していきます。各言語社会における多様な〈外来語〉への対応の実情を紹介し、今後の課題や活動の方向について、理解を深めていくことを目指します。参加は無料です。是非ご参加下さい。
[3/21(日)よみうりホール]
▼基調講演「日本文化と外来語」(中西進)
韓国・アイスランド・タンザニア・ベトナム・中国・太平洋地域の第一線の研究者が一堂に会し議論を闘わせます。(南基心、スザンヌ・ロメインほか)
[3/23(火)朝日スクエア]
▼〈外来語〉をめぐる各国の状況について(講演6本)
[3/24(水)朝日スクエア]
▼ディスカッション
外来語・借用語の構造的側面について
外来語・借用語をめぐる言語政策について
☆国立国語研究所HPはこちら↓
http://www.kokken.go.jp/
☆シンポジウムの詳細とお申し込み(先着順、3/15締切)はこちら↓
http://www.kokugoken.jp/
■□[06]メルマガオリジナル・亀井肇の「おまけの流行語」その7□■□■□
【イタ鍋】
「イタリアン鍋」の略。トマトピューレをベースにすることから「トマト鍋」
とも言われる。イタリア料理の1つである魚介入りトマトベースのスープを日
本風にアレンジしたもの。トマトベースのスープにエビ・カニ・ムール貝など
の魚介類や、長ネギ・キャベツなどの野菜、バジルなどの香草を加えて、煮込
んで鍋とする。イタリア料理店のメニューの中にも登場するようになっている。
また家庭用にスープを販売する食品メーカーも現れている。
【エンディングノート】
高齢者がまだボケないうちに、介護やお葬式、遺産分割などについて自分の希
望を記入しておくノート。高齢者の生きがい作り活動などを行っているNPO
法人の「ニッポン・アクティブ・クラブ(NALC)」のものは「いざという
時のための考えを整理し、家族に伝えたい」という会員の声をきっかけに作ら
れた。「痴呆や寝たきりになったら誰に介護して欲しいか?」「自宅、施設な
どどこで介護を受けたいか?」「戒名が必要か?」などの問いに答えたり、選
択肢を選んだりしながら埋めていくので、自分で文章を書くのが億劫だと考え
ている高齢者も簡単に記入できる。その他いくつかのNPOでも同じような物
を作成している。
【デザイナーズ旅館】
旅館を新たに建てたり、改装したりする場合に、著名な建築家が設計段階から
かかわり、個性的な意匠を凝らしているのが特徴。独創的なデザインで従来の
旅館の持つイメージを一新している。かつてバブルの時代に登場してきたデザ
イナーズ・マンションと同じコンセプトであるが、建築家がその全力をかけて
設計しているので、訪れるお客さんはすぐにその雰囲気を満喫することになる。
従来の旅館のイメージとは全く違って、コンクリートの箱形やドーム型、全面
ガラス張りなどである。不況で減った団体客に代わって、個人客とくに女性客
の取り込みを目的としており、豪華なロビーや大広間を備えた従来型の高級旅
館と比較すると小規模で客室数が少なく、お客さんそれぞれが他の客に煩わさ
れることなく過ごすことができるようにしている。静岡県伊東市の「月のうさ
ぎ」や和歌山県白浜町の「海椿葉山」などが、デザイナーズ旅館の代表格とし
て挙げられる。
★亀井 肇(かめい はじめ/新語アナリスト)
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